延暦寺大威徳明王立像 金剛夜叉明王立像

比叡山延暦寺の国宝館に収められている仏像に素晴らしいものがあった。六面六臂六足で、火焔光背を負い水牛に騎乗し、六足の左第一足を曲げて牛の背に置く形姿の大威徳明王立像。東寺にもあったと記憶しているが、今まで見た大威徳明王立像の中で最も好みの姿をしている。腕や腹の造詣も違和感を感じるような誇張がなく、憤怒の形相がシンプルゆえに込められた願いが滲む。


金剛夜叉明王立像も同様に素晴らしかった。五眼の憤怒の形相。


こういうのを観ると、異教徒からは邪教の悪鬼像、あるいは悪魔崇拝だと勘違いされても仕方ないかと思える。