日本に住む者にとって毎年咲く桜は当たり前かもしれないが、それでも毎年感動する。桜は綺麗かもしれないけれども、あの花見の狂乱ぶりは過剰だよなあなどと冷めた目で見ていたくせに、いざ桜を再び目の前にすると、ああ、こんなにも綺麗なものだったのかと見惚れる。
嬉しいこともつらいことも直ぐに慣れてしまう一方で、同様にどんなに嬉しいこともつらいことも意外と直ぐに忘れてしまうからか。
10日ほどの短期間の為に一年間を通じて手入れをし、10日ほどのつかの間、大勢が桜を求めて右往左往する。桜に改めて心動かされ、散るより先に見飽きてしまい、それをまた繰り返す。
世相も自分自身も、全てが移ろいやすいことに気付く。