羽化蝉の多肉鉢の成形

 羽化の途中で果てた蝉を見かけて、なんとも、やるせなさに駆られた。モチーフにした陶鉢を作ろうと思ってるうちに日が経ったが雨の日の連休最終日、時間が取れた。

 

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3時間でここまで作った。今日の赤土2号は買ったばかりのようで柔らかく、成形はしやすいがコシが弱く形が崩れがち。上にももう一体載せることを考えると胴を浮かせるのはリスクだが、地べたに平行に伸びた体躯はあまりにも蝉らしさがなくなってしまう。6本の脚でうまく支えられるように足掻いてみた。

 

単にリアルさを目指すだけだと、現物との差異だけに目がいってしまうし膨大な時間をかけた挙句、形状は現物に収束するだけだ。「わあ、リアル!」なものを作っても仕方がない。しかし現物から乖離しすぎると存在感が薄れてしまう。どこをデフォルメするかだ。

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 蝉はその離れた眼からどこかしらアノマロカリスを彷彿とさせる。前から見ると、どことなく剽軽な顔つきをしている。

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土台の幼虫の腹は段差をつけた。翅にも翅脈をつけた。

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残り2時間で上部を作る。白土で作ろうとしたが、疲れて粒子が不均衡化してボロボロな白土しかなかったので、やむなく赤2号で作り直す。

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躯体が立ち上がっているので、前後に段腹を忠実に再現すると、そのリアリティにばかり目が向いてしまって不本意なものになる気がした。ここは敢えて、ツルツルに局面だけで見せようかと思う。背中の滑らかさとするりと脱皮して抜け出る印象を出したい。翅、眼、口吻だけを少しディテールを作り込み、それ以外はツルツルにして作り込みがウルサクならないように努めた。背中の曲線と白さの面積を見せるようにしたい。

 

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上部を土台に結合する。上部の重量に下部の脚が歪まないか心配だったがどうやら耐えられそうだ。

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 徐々に乾かしながら、内側をヘラで削って可能な限り減量した。上体の胴を平たくしたいところだけれども強度が取れなくなるし、土を入れる容量がなくなる。ここは大胆にディフォルメして縦長に太くしてしまおう。

 

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 背中にはマミラリア系の白サボテンをボコボコと生やしたい。手頃さで考えれば姫春星か。緋牡丹錦のような毒々しい強い色でも面白そうではある。土台の割れた頭にも白サボテンの群生を植え込みたい。

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土台は焼締にして、土肌にするのも良さそうだが、強度に不安が残る。かといってまたトルコ青結晶釉を全身に掛けるとくどくなりそうだ。ここはあえて柿渋で黒茶色に引き締めよう。

 

そして上体には白化粧土を塗った上でトルコ青結晶釉薬と白マットを塗りわける。羽化途中の無垢で柔らかい様子を形に留めたい。上部の3つの複眼だけ鉄赤で紅く発色させたい。

 

6時間の作業としてはまずまずか。集中して作り続けたのでどっと疲れた。

 

後から写真を見返すと粗が気になってくる。

  • 眼の曲面が足らない
  • 上部と下部を連結する管をつけたかったがもう遅い。太いと不格好だし細いと乾燥時に切れる。
  • 背中の割れ始めを曲線ではなくV字にしたいが乾燥時、焼成時に亀裂が入っていく恐れもある。悩ましい。
  • 翅か乾燥時に剥離落下しそう。
  • 上部が下部よりも体躯が一回り大きい。寸法を厳密に合わせた方が良かったのだろうか。
  • 乾燥して縮み、施釉して色がつくと印象はまた変わると思われる。

 

阿佐ヶ谷駅前の釣堀「寿々木園」に幼児デビュー

雨が降る様子もなく、曇天で陽射しも強くない。これはかねてから検討していた釣堀に息子達を連れて行くにはうってつけ。

 

  • 阿佐ヶ谷駅前徒歩3分の好立地
  • すぐ脇にローソンがある
  • 金魚は食いつきが良く辛抱のない幼児でも楽しめる
  • 手ぶらで遊べる。竿、餌は用意される。
  • 竿、餌込みの1時間600円は都内最安料金
  • 病気持ちですぐ死んでしまう露天の金魚と違い、健康な金魚
  • 露天の春夏秋冬に適応した金魚
  • 釣れない場合に金魚をサービスしてくれるかは不明。そもそも釣れないことなどあるのか不明。

阿佐ヶ谷駅南口徒歩3分という好立地に「寿々木園」という露天の釣堀がある。大正13年創業の老舗だ。池は3面だが、かつてはこの2〜3倍の敷地を誇ったという。

手放した土地に建てたアパートの不動産賃貸収入で趣味の釣堀を経営しているに違いない、と夫婦で勝手な推測をしてみた。この釣堀も潰してマンションにして賃料を取った方が儲かるに違いない。そこを敢えての釣堀経営というのに矜持を感じる。あくまで推測だけれども。

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手前が金魚、奥が鯉やフナだそうだ。水深は1m程度だそうだ。水泳プールが冬に釣堀として活用しているような所と違い、通年で釣堀だ。

 

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釣堀自体は8:00〜18:00の営業。私達は10時に到着した。1時間600円で餌、釣竿は全て用意してもらえる。暇つぶしにぶらりと来られるその手軽さが良い。市ヶ谷の釣堀は大人780円、子供も3歳から450円かかる。竿も餌も用意してもらうと追加で100円づつかかる。比べると寿々木園は駅からのアクセスも最短でありながら都内最安料金。良心的な値段が際立つ。

 

煙草を吸いながらのんびり釣っている人もいるので、風下を避けながら陣取る。金魚池は席の半分程度が埋まっていた。1人客はご隠居と思しき男性が多いが、若い家族連れもちらほら。


のどかだ。小遣いをもらって、コンビニで買ったビール缶かカップ酒でも飲みながら、釣竿を水面に垂らす。是非、私の定年後にも月に2度ほど組み込みたいプランだ。

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浮きから釣針までは40cmほど。釣堀の水は緑色に濁っていて水面から15cm程度しか見えない。金魚にとっても遠くから餌を視認することはできないだろう。長いこと釣られずに育った大物がいてもおかしくない。そう、水が汚いわけではないのだ。金魚が健康に育つグリーンウォーターというやつで、かつ未知との遭遇という演出もしてくれる。池の底まで見渡せたら興ざめだ。

 

餌団子は水に入れると、途端に小魚につつかれる。反応がなくて暇ということはなく、「あー 餌取られちゃった」と嘆きながら餌を付け直して投入する繰り返しで案外、退屈はしない。

 

開始して30分ほどで、小赤などのフナ型の金魚だけでなく10cm以上のかなり大型で綺麗な四つ尾の金魚をありがたいことに兄弟ともそれぞれ釣り上げた。しかしそれ以降は釣果無し。昼前後は金魚の反応は鈍く、釣るならやはり朝か夕方17時以降だそうだ。

釣針には返しがないので、口から外すのも容易。しかしバラしやすいとも言える。釣果は各自1時間で2匹づつ。餌は半分以上余ってしまった。1時間はあっという間で、長男はまだ釣りたいとごねたが次男がもう1時間は持たなさそうなので潮時だろう。各自3匹まで持ち帰れるそうだが、1匹づつ持ち帰ることにした。追加50円で綺麗な水にエアを入れてくれ厚手のビニール袋に入れて持ち帰れる。

 

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一匹は出目金の白変個体。目玉も赤いとアルビノということになるが、目玉は黒いので白変だろう。釣堀の中は出目金は黒ばかりだったので白変は珍しい。しかもなかなかの大物。

 

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もう一匹は和金だろうか。赤と白混じりのものを更紗という。赤勝りの更紗和金の四つ尾だろうか。琉金というには胴が長い。鼻先から尾鰭の先までは13cmほどもある。それにしても優雅な形の良い尾鰭を持っていて元気に泳ぐ。これは補充し続けている金魚というよりも大当たりのご褒美金魚だと思われる。

 

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家に帰って金魚を置き、それからホームセンターでエアレーション付きの45cm水槽と10mの延長コード、それから大磯砂利を急遽購入した。

 

子供と一緒に大磯砂利を洗い、煮沸してカルキを飛ばした水とメダカの睡蓮鉢の緑色に馴染んだバクテリアが豊富な水を混ぜた。温度合わせをし、3時間後に放流。今のところ元気に泳いでいる。水が緑色で透明度が低いと鑑賞性が下がるので、エアレーションのフィルターにバクテリアが定着するのを見計らって潅水を繰り返して透明な水にしていきたい。

 

エアレーションの装置が貧相で見栄えが悪いので陶器のカバーを作ろうかと思う。白壁黒屋根の陶器の建物はどうだろうか。

 

子供達が予想外の大物を二匹も釣り上げたものだから1200円の遊興費で終わるはずが水槽代、延長コード、砂利や餌代を合わせて追加4000円もかかってしまった。金魚にもそれぞれ1500円以上の値はつくと思うのでよしとしよう。

 

子供達に名前をつけてはどうかと提案したところ、長男曰く、「あさがや」君ではどうかと。次男は明日決めるとのこと。

 

最近の日本酒生活が充実。陽乃鳥、丸飛、田酒と新しいぐい呑

辛口系の日本酒を好む傾向があるのだけれども、ああ、これは美味いと思った旨口系を3銘柄、記録しておく。

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昨今人気の新政酒造。実験的に毎年改良している銘柄シリーズがあるのだが、その一つがこの「陽乃鳥」。水の代わりに醸造済みの清酒で仕込む、貴醸酒という手の込んだ日本酒。これを新政酒造では単なる清酒ではなく、オーク樽に貯蔵した清酒で2017年は仕込んでいる。

 

能書きはさておき、糖度が高く食中酒としてもイケるし単体でチビチビと食前に飲むのも美味い。梨、林檎のような果実香が豊か。アイスヴァインよりも甘過ぎなく軽く楽しめる。これは美味い。気軽に店頭で買えないのが難点。そして来年にはまた仕込み方を変えるかもしれないので、オーク樽仕込みの貴醸酒はこの年だけの可能性もある。定番化求む。

 

 

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同じく秋田、こちらは創業500年を超える秋田県最古の酒蔵のもの。飛良泉酒造の丸飛という日本酒で12号酵母を使った山廃仕込みの酒。貴醸酒ではないにもかかわらず、それに匹敵するほどの林檎香。他に77号、15号もあるのだが、私の1番の好みは12号か。こちらも街中の店頭で見かけたら即購入の希少品にも関わらず1,600円。評判と希少性で市場原理を取り入れた値付けをすれば1,600円は全くもってありえない。

 

 

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そして言わずと知れた田酒。正統派旨口というやつか。米の味とコクがしっかりと味わえる良酒。群馬県で地酒を買おうと思ったのに青森の地酒「田酒」が売られていたものだから思わずこちらを買ってしまった。

 

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本当に気に入った銘柄はラベルを剥がしている。さもなくば簡単に忘れてしまう。そして本当にうまい銘柄はラベルのデザイン性が高い割合も高いようにも思う。家のどこかにペタペタと貼りたい。居酒屋のようにならないように、オシャレに飾る方法はないものか。

 


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呉須を焦がしたそのムラを愉しむぐい呑。せっかく自分でも作陶しているのだから、ぐい呑も自作したいものだがこれは思わず買ってしまった。

 

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高円寺純情カップ酒。飲み終わっても捨てられない容器。

 

パリ出張、上海出張にも心の内では美味しい日本酒を持参してあれこれ合わせてみたいのが本音。海外での日本酒ブームはいつ本格化するだろうか。

 

雑記 秋にやること

秋にやること備忘

  • 多肉植物の植え替え
  • 割れた臥鹿鉢の金継ぎ修復
  • 庭の花壇の整理、草むしり、施肥
  • 居間のワックスがけ
  • 大掃除
  • 離れの整理、レイアウトがけ
  • マンゴー殿の引き取り
  • 子供達を釣堀に連れて行く
  • 母の誕生日制作の進捗確認
  • 息子が4歳になる前にもう一度、温泉旅行
  • リバウンドからの巻き返し、体重落とし
  • 梨と葡萄の食べ比べ

 

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酷暑で鹿の背中に植え込んでいた「銀月」が溶けて枯れた。この鹿鉢はこれからしばらくはオブジェ扱いで部屋に置いておいても悪くないかもな。

 

多肉植物の植え替え仕事の季節だ。

「ゴーラム」鉢を窯出しの新鉢へ

「氷砂糖」の株分けと植え替え

「十二の巻」の株分けと植え替え

「緑塔」「龍神木」「希望丸」

達磨鉢、三角錐鉢、鉄赤鉢にも何かを植え替え直したい。

四連吊り下げ鉢は麻紐が分解されちぎれた。やはり金属製なりの丈夫なものに取り替えないと危なっかしくて仕方がない。

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ボルドー菊に客。来年も花々を綺麗に咲かすならば花壇に施肥したほうがよいのだろうが、ぶっちゃけ面倒くさい。どうしたものか。

 

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2年めにして歪ながらも実り始めた「藤稔」。施肥無しで完熟させてみてどの程度甘くなるのか様子を見てみたい。

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市販の巨峰ぐらいの大きさにはなった。しかしまだまだ葡萄の木そのものに力がない。

バジルを収穫してフレッシュジェノベーゼのパスタを作ろう。

年初の大雪で痛めつけられたレモングラスの株はギリギリまで収穫を遅らせて株に力を取り戻したい。収穫したらまた「こころみ」カフェに届けたい。何かイベントにも参加したい。二階の部屋から葡萄の実りを眺めたい。

 

2泊3日の南伊豆旅行でビュッフェを食べまくったものだから5kg落とした体重の2kgを見事にリバウンドした。しょうもない。巻き返しに走らないと。酷暑に走るのは体に良くないという言い訳が使えなくなった。

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オオゼキの果物売場が熱い。葡萄品種だけで10品種以上が並ぶ。マスカット・オブ・アレキサンドリアが一房398円。ナガノパープル、クイーンニーナ、シャインマスカット、ロザリアビアンコ、レイディーフィンガーなどそこらへんが安く入荷されるタイミングを巧く捉えて食べ比べたい。梨も秋麗、秋水、南水など赤梨系品種を食べ比べたい。


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来客。中指だけ肉球がピンク、他は黒い。触らせてくれた。

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嫁の実家への帰省と南伊豆旅行の為に実家に預けていたマンゴー殿を引き取りに行かねば。猛烈に尻尾振って舐めてくる、どこにもつきまとってくるマンゴー殿に会いたい。

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足先だけ白い靴下を履いたようなオシャレさん。

 

今週末、釣堀に子供達を連れて行けるだろうか。

 

息子が4歳になる前に、もう一度温泉旅行に行きたい。エクシブ箱根離宮か、飯能のムーミン谷か、松本城とその付近の温泉か、頑張って馬籠宿や妻籠宿まで足を延ばすか。

 

やらなければいけないこと、やりたいことが多い。仕事が忙しくなるほど、私事でやりたいことが増える不思議。

 

藝祭アートマーケット戦利品 指人形と銅蝉幼虫

藝祭アートマーケットの戦利品を記録しておこうかと思う。

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これが私が大学院在籍の高橋ジョニー氏から購入した指人形。指は中指なんだそうだ。

 

なかなかこれを作る発想は湧かない。シュール。滑稽。ユーモラス。猟奇的。

 

これをアートマーケットの為に作り溜めている、部屋中溢れかえっている状態が一番の見ものかもしれない。

 

 

もう一つ、特筆しておきたいのが原郷瑞希さんの作品。肩書きはArtist/Photographerとある。見た目は可愛らしいイマドキの若い学生さんでこんな作品を作っていることは外見からは想像できない。


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作品は鋳込みの銅製のアレ。

 

一旦、型を作ったらいくつも複製できるのかと思いきや、蝉の抜け殻に溶かした蝋を流し込み、外を石膏型で制作し、蝋を燃やし溶かし出して型の中に空洞を作り、さらにそこに熱して溶かした銅を流し込んでようやく抜け殻の形の銅の塊を取れるのだという。つまり、型を作るたびに抜け殻は燃やされてしまい、型の使用は一回限り。

 

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作品の数だけ蝉の抜け殻を集めたことになる。そしてこの蝉の幼虫の形をした銅塊は一つ一つが異なる。無論、原寸大だ。

 

抜け殻を使っているので制作のために羽化前の生体を殺しているわけではない。むしろ、その後は短い寿命を送ったであろう蝉の1個体、1個体を銅でこの世に留める作業と言える。なんなら蝉を銅の姿で生まれ返らせたといってもよい。

 

私の腕前では無理だけれども、10倍サイズの銅鋳込み作品を作って欲しい。

 

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慎重に見比べ、か細い脚が全て綺麗に残っているこの個体を購入した。どれも一発勝負で、他の個体の多くは脚が欠けている。細い抜け殻の脚の空洞まで蝋が行き渡らなかったのだろう。うまく空気が抜けないと形は綺麗には出ない。

 

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3000円也。今、私自身も石膏型を作っていてその工程の手間に難儀しているからなおさら、一回限りの型を作って鋳込みする労力が多少は想像がつく。労務費の積み上げで利益も載せた値段をつけるならば6,000円ぐらいつけたい。

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さすがに学生さんの顔をここに載せるのは憚られるので、トリミングさせて頂いた(本人は構いませんと仰っていたが)。手に持っている羽化後の蝉は非売品。蝉の成虫の羽の翅脈まで綺麗に形になっていて素晴らしい。残念ながら制作工程は全く異なり、完全に作れたのはこの一体だけなのだそうだ。是非制作工程を安定化して来年は売りに出して欲しい。


表面に緑青を発生させるべく保管したらさらに素敵になるのではないだろうか。

この銅の蝉を見ながら、もう一度、空想ではないよりリアルな蝉の抜け殻陶器鉢を作ってみたい。

次は、脱皮羽化過程の蝉の陶器鉢を作りたい。

その前に仕掛品を完成させて片付けるのが先なのだけれども、完成させる前にもう、放り出して次の作品を作り始めたくなる。



追記:ネットで蝉の羽の翅脈を調べていたら、下記の小学生の自由研究を見つけた。その水準の高さに驚愕する。いやはや、小学生のレベルじゃない。どこかでテーマや材料を購入して取り組むぐらいなら自由研究なんて無くして夏休みは存分に遊ばせてやれと思っていたが、子供が自主的に興味を持ってこんな研究をするならば応援してやりたいとも思った次第。

https://www.shizecon.net/award/detail.html?id=466


2018年藝祭 素晴らしい作品の備忘録

朝の7時に家を出て、上野に向かう。今日は丸一日、公私ともに休み。折角なので藝祭の朝一の無料コンサートに顔を出して見ることにした。

 

8時前に着いたのだが、開門は8時半だという。間違えたようだ。しかしこの時点でもう20人近く列ができている。のんびり待つことにした。8時半には150m近い列が続いた。

 

藝祭音楽学部のコンサートはプロで活躍している奏者も多く大人気なのだそうだ。朝10時前のコンサートは先着順の整理券制、それ以降は全て抽選制でなかなか当たらないシロモノらしい。私は門前で半時間以上も待ったこともあり、希望したピアノと菅弦楽のコンサートを最前列で見ることができた。ピアノ、クラリネットオーボエ、フルートのカルテットの組み合わせは珍しいらしい。

 

奏者から2mの距離でこれだけの演奏を聴ける機会はなかなかないのではないか。私は音楽に造詣は皆無。彼女らの腕前がどれだけのモノなのか私にはわからず、ただ感心した。仮にどこかでミスしていたとしで私には気付けない。素人であることも良いことだな。知識も先入観もなく楽しめる。目を瞑るとその迫力に取り込まれる。電気も機器も使わずにアナログな楽器だけで、4人だけで、これだけ重層な閉じた世界を作り出せるものとは、楽器とは凄いものなのだな。

 

  • フルートの息継ぎの音がまるで水泳競技者のようでビックリした。これは聞こえないようにできたほうが良いのではないか。楽器の構造的問題なのか。文楽の黒子のように、観客が「ないもの」と見做す約束なのか。
  • クラリネットのリード?がどうやらとても繊細そうだった。しきりに舐めて感覚を確かめ、コンディションを整えている。
  • 奏者は皆さんロングスカートを着ているので足のシルエットはわかりづらいが、足は肩幅に開いて案外、腰を落として膝のバネを使いながら全身で演奏している。
  • オーボエは時代を下るにつれ活躍しなくなっていくそうな。クラリネットの登場によって音域の広いクラリネットに淘汰されていったらしい。しかし私にはオーボエは高音域も綺麗で中低音も伸びやかで聞き応えがあって好みだった。
  • 演奏会は女性はノースリーブのドレスを着ることが多いが、BCGの注射跡が見えてしまう。このご時世、もっと目立たない注射、目立たない箇所への注射には進歩していないものか。

素人のしょうもない雑感。家に帰ってオーボエの曲を探してみようかと思う。

 

アートマルシェで前から気になっていた指人形を買った。当ブログに時折コメントをくださる方が今年の出来は例年以上に良いと褒めてらっしゃったので、今年こそ買ってみようと後押しになった。使い道はない。現役生の出店なので卒業したらもう入手できないかもしれないと自分への言い訳を作った。

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群れるとどこかしら艶かしいというか、風呂場的というか。ちなみに帰り際に覗くと2人が組んだもの、3人が組んだもの以外は全て売れていた。結構、外国の人や例年買い集めているファンがいるらしい。

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藝祭名物の御輿は今年は4基しかないらしい。昨年から半減してしまった。学生の制作テーマから外れたものを作るのにかなりの労力を割かせるシロモノらしいので、学生のことを思えばこれで良いのかもしれない。観客としてはあの圧倒的なディテールの作り込みは必見の名物だったのだがな。

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マッドサイエンティスト御輿。口の開き方はプレデター風か。

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絵画棟に移動。ちなみに作品は撮影可能なのか不可なのか未だによくわからない。撮影不可な印をつけているものは無論撮らないし、近くのスタッフに確認して撮らせてもらっている。大抵は「構いませんよー別にSNSにあげてもらっても」という答えを頂く。案外、今のご時世、気にしないものなのだろうか。近くに人がいなくて確認できなかった作品もある。指摘頂いたら削除させてもらうが、是非備忘録に残させて頂きたい。いや、むしろ20万円ぐらいまでなら売って欲しい。。。無理か。

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今年は自分の制作現場の動態展示がテーマな様子。五十嵐さんの昨年の作品は強く覚えている。フラミンゴをモチーフにした作だった。今年の展示はルネッサンス様式絵画のようなタッチの顔のない肖像画などで視線を奪われる引力がある。生気の薄い色白な顔。死の気配が濃厚な作品群。

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他にも、おおこれぞ藝大の展示と圧倒してくれたのが原澤亨輔さんの「見島牛」。

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なぜ、ここに緑青、しかも垂らし込みっていうのがとても好み。

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全体を書き込むことなく、簡略に処理されている部分が好き。

 

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南雲梨花さん の「まんねん」。昨年の彫刻科の象亀の群れを思い出した。引きで見ると存在感が素晴らしい。近くで見ると、洞穴のような目の窪みと表情の読めなさまでくまなく象亀が描かれている。

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中條亜耶さんの「for caviar」。

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どこを見てるんだか、何を考えているのだがわからない、見方によってはユーモラスな顔をした古代魚チョウザメ。タイトルから察するに嗜好品として卵のために捕獲消費されるチョウザメの理不尽に寄り添う想いが込められているのではないか。

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なんか知らんが、緑青たらしこみをアクセントに入れるのが流行っているのだろうか。嬉しい。

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こういう技巧が盛り込まれていて適度な造形の写実性と、絵画的な簡素化がされている動植物モチーフの絵が好きだ。人によっては既視感があるだの、誰某の作風に類似しているだの言うのかもしれない。でも私はこういう絵を家に飾りたいし、日々眺めたい。

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美術予備校で受かるためのデッサンを練習して何浪した後に、ようやく受かった後には自分の描きたい絵がわからなくなっている人もいるという話。自分の高校の周囲では神童、天才ともてはやされるも入学後、他の人の技量との差に愕然として心が折れる人がいるという話。中退する人もいれば卒業後に消息不明になる人も多いという話。あれこれ聞く。

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もう、投げやりなのか何なのかわからない作品も正直ある。たまたま隣にいた卒業生と思しき人は、「おれは卒業制作、費用1000円、1日で終わらせたぜ」と嘯いていた。

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美術に愛想を尽かす人も断念する人も迷走する人もいろいろいるらしい。しかし少なくともここに載せた人たちは自分の目指す方向性があって黙々と制作している人たちなのではないだろうか。


新規性が全てでもないでしょう。昔の狩野派なんて類似品ばかりだし。

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ふと、エレベーターホールにかけられている巨大ポートレートがこれまた存在感がある。

 

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それからふと目にして衝撃的だったのがこの冷やし中華。七宝で作られている。胡瓜の色のグラデーションといい、麺の細かさといい、室内照明が反射している部位を見ると、有線で輪郭が作られていることがわかる。なんという冷やし中華という大衆的食べ物に対する過剰技巧か。

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学生の皆様はお疲れ様でした。作品を見ると凄いが、制作者を見ると、本当に若いのだよな。人によるが童顔な人は高校生かと思うぐらい。それが尚更、凄いと思わせるし成長の可能性を感じさせてくれる。

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藝祭は日曜日に来たらとんでもない人混みだった。やはり金曜初日に会社をサボってくるのが理想的。

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弓ヶ浜と夏の雲

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湾の中の弓なりの浜で波も荒くはない。遠浅だと波の引く際に浜が鏡面のようになる。

 

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こんなiPhoneスナップ写真などではなく一眼レフカメラで背景やアングルにこだわればウユニ塩湖的写真が撮れそうに思う。

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 まだ積乱雲は力強い。積乱雲こそが夏の度合いのバロメーター。

 

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宿には雑誌「フォトコン」がたくさん置かれていてのんびりと眺めていたのだが、全国津々浦々の写真愛好家による作品の素晴らしいこと。日本は50代以上が7割以上の同好者人口を占め、定年後の趣味としてもカメラは人気らしい。つまり、暇な先輩方と撮影技術の叡智がそこら中に転がっている国なのかもしれない。接点を持って教えを請えないものか。

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昔は一眼レフでよく写真を撮っていた。街にでて、海外を旅して。今はiPhoneで片手間で撮るだけになってしまった。また気持ちを入れ替えて写真を撮りたい。自分なりのテーマを決めて、感覚頼みではなく考えて撮りたい。基礎技術も習得したい。

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家族

多肉

馴染みの店の主人

お気に入りの品と作り手

その時々の1番の関心ごと。

あの時点の気持ちや状況を蘇らせる触媒のような写真。

数年後の自分が見る為の写真。