竃と五右衛門風呂の古民家体験

  • 池袋から最寄駅まで30分、そこから徒歩20分
  • 幼児連れにはトラブルがあっても店や病院に駆け込みやすい安心感
  • 本格的に竃に羽釜で御飯を炊ける
  • 薪をくべて入る五右衛門風呂
  • 一軒貸切
  • トイレは新しく清潔な西洋式
  • お湯も出る
  • 夏でも小屋組の立派な古民家は涼しい
  • BBQ、流し素麺やピザを石窯で作れたり、楽しみ方にバリエーションがある。

 

 

所沢に竃で御飯を自炊し、五右衛門風呂に入れる古民家宿を見つけたので夏休みの体験にぴったりだと思い予約した。

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五右衛門風呂って何?と子供達に聞かれたので頭に閃いたのは予習をさせてから行くこと。五右衛門風呂に父と子供達と入るといえば、「となりのトトロ」でしょうよ。

 

実は子供達にとって初めて観る長編アニメ映画。飽きずに最後まで観れるか懐疑的だったが、時には立ち上がったり、興奮して足踏みしたりしながら熱中。ジブリおそるべし。

 

猫バスが大ウケだった。

 

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で、西武池袋線下山口駅から幼児の足で15分ほど歩いた場所にある古民家に向かった。

 

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広いが隅々まで掃き清められた土間。

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建具を外せば32畳が続く広間。そりゃ、走り回るよね。でも一棟貸切だからいくら歓声を上げても気にならない。

 

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8畳間が3つ、6畳間が1つ、8畳の囲炉裏の間が1つ、8畳の土間。さらに8畳の台所に8畳の洋室。そして脱衣所と風呂、窯口、トイレ。12人は寝られそうだ。

 

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床間も清潔で物が少なく美しい。

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生活当時からの神棚はそのまま残されている。仏壇は残されていない。

 

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子供達に競うように雑巾がけさせたり、広縁に腰掛けて夕涼みしたり西瓜にかぶりついたり。光景を見ただけでそんな光景が思い浮かぶ。

廊下の突き当たりにはタオルやシーツの入った桐ダンス。

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竃は屋外にある。二口ある上に、室内の囲炉裏にも鍋が吊るされている。

 

穴子と牛蒡と長葱の炊き込みご飯を作ることにした。牛蒡はサク切りにしてアクを抜いたものを保冷バッグに入れて持参している。

 

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説明書きでは水状態から火を強火に持っていき15分、さらに中火に落として15分、そして蒸らしと書いてあった。しかし炊き込みご飯は焦げやすいので日頃の土鍋炊き御飯の経験をもとにまずは火を強火に準備することにした。

モグサから新聞紙、そして細かい薪に火を移し太い薪へ。迅速にして完璧な火起こし。自画自賛。娘には火起こしの上手な男と結婚しろよ、と助言したい。息子しかいないけど。

 

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最大火力になったところに研いだ米に牛蒡と葱の入った羽釜をセットして息子達に団扇で扇がせること8分。

 

薪をとなりの火口に移し、穴子を投入して軽く掻き混ぜ、中火に落としてさらに8分。炭も掻き出して蒸らし5分。

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米粒の立った申し分のない炊き込みご飯が炊けた。我ながら素晴らしい。失敗したら近くにコンビニを探そうと思っていたが、駅前にすらコンビニがなくて失敗は許されない状況だったのでホッとした。

 

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炭を室内の囲炉裏に移し、醤油を塗りながら玉蜀黍を焼く。

 

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長男に灰が舞い上がらない加減で扇いでもらう。なんだかいつ焼けたのかわからないが、焦れたところでかぶりついた。最近は茹で玉蜀黍ばかり食べていたのだが、焼き玉蜀黍の美味いこと。

 

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さあ、五右衛門風呂の時間。水から沸かすとなるとかなりの薪を消費するし時間もかかる。ガス給湯器でお湯(といってもかなりぬるい)を張った後で適温まで薪で加熱した。

 

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五右衛門風呂の焚き口は竃よりも風通しが悪くて火を起こすのに苦戦した。木片を使い切ってしまっていたのもある。昔の人が火種を大事にした理由も分かるし、地震の多い日本でそれが如何に危険かも実感が湧く。

 

トトロの親子入浴シーンを盛大に真似て騒いだ。汗に煤が混じっていた顔や腕も綺麗さっぱり清められた。

 

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床間に布団を3つ並べ、豚の蚊取り線香を広縁に起き、続きの間に扇風機を置いて就寝。夏真っ盛りだが深夜には扇風機を止めるほどに古民家は風も抜け涼しかった。

 

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子供達が寝入ったところで私は台所へごそごそと起き出して、竃のおこげを肴に福井の日本酒「九頭龍」をチビチビと楽しんだ。

 

土鍋だとおこげは食べられないほど黒く炭化してしまうことも多い。何故か竃の羽釜は盛大におこげがつくのだがあれだけ強火力で炊いていたのにおこげは全く黒く焦げておらず、醬油味のカリカリ御飯煎餅のような感じになる。これが日本酒に合うのだよな。

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豚もいれば山羊もいる

 

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Corot

大人4500円、小学生以下3500円。

薪1000円