- 石仏好きには必見の飛来峰は岩の選び方も魅力
- 永福寺の龍井茶畑は一番絵になる茶畑
- 茶館や食堂などもあり値段も高いが綺麗で高級感もあり静かに雰囲気を楽しめる
- 霊隠寺は壮大
- 空海像に歴史を感じる
- 南宋御街、清河路は別段特筆すべき店があるわけではないがそぞろ歩きに良い。
杭州は予想以上に良かった。中心部は大都会でありながらも間近に世界遺産の西湖と緑地を有し、霊隠寺周辺には高級感があり清潔でお洒落な民宿が犇めいている。さほど歴史や仏教に興味のない人でも飛来峰や霊隠寺は一度は訪れてみる価値があると思えた。
上海に住んでいたら毎年、息抜きに遊びに来るかもしれない。
飛来峰は山深い霊隠寺周辺の崖に彫られた磨崖仏群で冷泉渓と呼ばれる渓流沿い600m×200mの区域に合計477体の石仏が彫られている。
修行僧しかいない昔はさぞ、聖域としての気配に満ちていたのだろう。
一つ一つの石仏が比較的大きい。一方で見上げるような大仏はない。五代から宋、元、さらには明代に渡って石仏は作り続けられ、宋の時代のものが過半。石像の様式の変遷を追える場ともなっているそうだ。
頭上に迫り出した岩にもそれこそ至る所に彫られている。
高い場所にある石仏は石段を登って近くまで見に行ける。
こちらが飛来峰で最も有名な石仏らしく高さ3.6m、幅9.9mもあるそうな。紀元1000年前後、つまり一千年もの昔に彫られている。表現も緻密だし保存も良い。布袋弥勒だそうで、弥勒菩薩と聞くと法隆寺などの細面の姿を思い描いてしまうのでこのふくよかな姿は新鮮だ。弥勒は未来仏としての概念で姿形は自由なのか。
私はここ周辺の景観が特に好きだ。断崖絶壁に無数に彫られた石窟磨崖仏はこれまで何度も見てきたが、このように岩の塊一つ一つをくり抜いて、まるで無数の堂の中でそれぞれが禅定に入ったかのように見える磨崖仏群は初めて見た。
何より、石仏の間、間から木が生えておりこれまた森に分け入り樹下で禅定に入ったかのように見えるのが良い。
布袋弥勒や永福寺、霊隠寺が最大の見所なのだろうが私の中ではこの一景が最も記憶に残る。
まだまだ上方へと石段が伸びていたが、時間が無いので断念した。どうやら山頂まで沢山の石仏あったようだ。残念。
飛来峰を抜けてさらに山道を上っていくと永福寺へと繋がる。所々にはこのような茶畑が見える。中国の高級茶、緑茶系の「龍井茶」だ。普洱茶など発酵系はクセが強いし濃いがこの龍井茶は煎茶の延長で飲みやすいと思う。そして茶畑の景色を楽しみ写真を撮るならば寺の塀に囲まれたここら一帯が最善。
茶館があり、ゆっくりと休むこともできる。
寺の休憩所のような所は古く簡素な場合が多いのだけれども永福寺の茶館は空調が効き、家具も洗練され新しく綺麗で高級リゾートのような快適さで寛げる。無論、値段も相応。
ベルギーでは修道士がビールを造り、ここ永福寺では僧侶が茶を造る。
禅寺と聞いていたのだが、本堂前の階段の装飾はまるで宮殿。
主要堂宇は太平天国の乱で殆どが消失し、20世紀に再建されたと聞くがこの宮殿のような石段装飾も20世紀の再建なのだろうか。
写真に収まると規模感が伝わりにくくなるが巨大な壁。大陸は何かとスケールが大きい。
修行禅猫。
喵ー喵ー。
猫の鳴き声だから獣偏が口偏に変わってミャーミャー。なるほどね。
霊隠寺の周辺にあるお洒落で高級感のある民宿に泊まって朝一番に訪れるのがオススメな中国禅宗五山観光。