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高円寺の名ケーキ屋「ジュン ホンマ」が「ラレーヌ」跡地に開店

料理屋 高円寺

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高円寺のかつての有名人気ケーキ屋さん「ラレーヌ」が閉店した。ま、美味しくなかったから仕方がないし惜しくもない。その跡地に開店したのが「ジュン ホンマ」。本間潤氏はラレーヌを立ち上げ、「王妃のロールケーキ」をはじめとした美味しいケーキで人気店に育て上げたが、オーナーが変わったことであれこれと複雑なことになってしまったのだそうだ(本人談)。その後、袂を分かち、吉祥寺や高円寺で自分の名を冠した店を独立開店してきた。本間氏の去ったラレーヌは味が落ち、客は遠のいた。

 

そしてラレーヌが閉店することになり、もともと本間氏を気に入っていた建物の大家さんが本間氏に声を掛けたということらしい。ケーキ屋の居抜き物件なんてなかなかないし、マンション一体型の建物を経営する大家さんとしても深夜まで営業する飲食店よりもケーキ屋さんの方が入居テナントとして好ましいのではなかろうか。

 

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もともと自分が立ち上げたラレーヌの跡地に袂を別った自分が再入居再開店する。気さくに話してくれる本間氏だったが複雑な心境が察せられた。

 

地域の客は経営権やブランド価値ではなく、本間氏のケーキが好きだったのだということ。詳細な経緯は知らないが、腕を持った職人が報われたという私達庶民に嬉しい結末の様子。熱烈なファンと思しき人が入れ替わり立ち代り訪れていた。

 

1月27〜29日は開店セールということで1000円ごとに500円の次回割引券という実質半額セールを行っている。

 

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店先には2人掛けのテーブルが2つ。店内にもイートインスペースを作るのだそうだ。お茶かコーヒーも出す予定だという。犬の散歩中継基地がまた一つできる。ありがたいことだ。

 

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色鮮やかで美味しそうなタルトの数々。ショートケーキの印象が強かったが、タルトが充実。

 

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マロンカシスのタルトなんて名前を見るだけで心奪われる。

 

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ショコラオランジュはチョコが甘すぎず、オレンジスライスのシロップ漬けを摘んで齧りながら食べるのが美味。オレンジスライスはチョココーティングして売られているようなやつだ。

 

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洋梨のタルトはタルト生地の上にピスタチオムースが載り、さらに洋梨の果肉ゴロゴロ、ゼリー。砕かれたピスタチオが香ばしさを出し、さらに軽い味のクリームが載る。絶品ではないですか。

 

自分の誕生日ケーキはこちらにお願いしたい。

冬虫夏草 団子虫鉢

陶芸 植物

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陶芸初め。えいやっと一気に造った、団子虫を苗床に育つ冬虫夏草を模した植木鉢。団子虫は虫ではなく甲殻類だし冬虫夏草は寄生しないとか、そういう不都合な事実には目を瞑る。


冬虫夏草の「異質な生物個体が生を引き継いでいく」象徴的な姿に言葉にならない魅力を感じるのだよ。


単純化と作り込みの塩梅がいつも悩ましい。

 

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 底には水抜きの穴を3つ開け、腹脚がついた腹は蓋のようにして取り外し可能に造ってある。

 

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 トルコ青結晶釉の有機的で黴たような風情を再現したいと思う。下地に白土を使うとその部位だけ綺麗な白と緑が現れるので今回も部分、部分に白信楽土を塗ってみた。

 

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真横から見てみたところ。あまり細部を作り込んでも釉掛けすると隠れてしまうからざっくりとしたままだ。 もっと直線や曲線を綺麗に出したほうが良いようにも思うが、本物と見紛うようにしたいわけではないのだよな。土っぽさも現したい。塵でできていて塵に帰るものだという。。。どこか一部が風化して崩れている表現にしても良かったかもしれない。


「月世界」や「小人の帽子」のような群生型のなめこのようなマミラリアを植え込みたい。

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もう一匹。こちらはさらに閉じて丸まっている状態。雌雄ということにしておこうか。判別できるように生殖器まで作り込もうと思ったが止めた。隙間が狭く、内側に腹脚が混み合っているので、植えづらそうだ。


成長が早く、ヒョロヒョロと茎が生えてくるような多肉植物を植えたい。


蝉、団子虫と造って次は何だろう。黄金虫かね。天道虫というのもありかもな。


幼児連れシンガポール旅行 オーチャードのオススメホテル

旅 遠出 家族

次回の為の備忘録

子供が5歳を超えたらセントーサシャングリラのような子供を預けられるサービスのあるリゾートホテルで夫婦で寛ぐ。
 
今回は周辺観光と買物に便利なオーチャードに2泊、リゾート気分を味わう為にセントーサで1泊した。
 
4歳と2歳の幼児二人を連れての滞在で留意すべき点は以下の通り。
  • 無理させない。グズったり眠くなったら部屋に戻って休ませられること。
  • 安全で衛生的な環境。
  • ベビーカー移動がしやすいこと。
  • 高級で雰囲気が抜群なレストランよりも、子供が多少騒いでも許容されるレストランの選択肢が多いこと。
 
オーチャード沿いのホテルはどこも高い。その中でも今回泊まったヒルトンは穴場かもしれない。
 
利点
  • 伊勢丹スコットのすぐそば
  • ホテルの近くまでMRT駅から地下道
  • 隣の商業施設にトイザらスとキッズエリア
  • いけなかったがトイザらスのある商業施設のマッサージ屋は安くて上手いらしい
  • 食事はIONの高級フードコート活用可
  • シャングリラより美味しいビュッフェ
  • 美味しいケーキが無料サービスされた
  • ツインベッドが移動連結可能
  • 定員2名の部屋に大人2名子供2人可能
  • マンダリンなどと比べて安い
難点
  • オーチャード沿いのホテルとしては古い方で、少しくすんだ印象。
  • プールは大人向けで子供には不向き。
  • 雨が降るとホテルまで少し濡れる。
  • 国際電話代がべらぼうに高い
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オーチャード周辺は銀座のようなところで高級百貨店の伊勢丹高島屋、IONなどから少しローカルな店までなんでも揃い、かつ大部分が地下道で連結されていて買物には便利至極。
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幼児連れには静かな雰囲気の良いレストランよりも子供の気分に応じて好きなものを買ってきて喧騒のなかで食べられるフードコートが一番便利。しかし親としては折角の旅行だからそれなりに美味しいものが食べたい。そんななか、IONにあるおそらくシンガポールで最も高級なフードコートの一つであるフードオペラは二律背反を解決してくれる。
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まだ比較的新しいこともあって設備は綺麗でそこそこ高級感がある。フードコートにはパイコーメン、チキンライスなど食べたい料理は一通り揃っている。ワゴンで飲茶販売も巡回しているし、フルーツジュースの店など飲物も充実。美味しい中華料理店に行くと辛い料理が多かったりして子供には不向き。さらにデザートは胡麻団子やら黒い漢方ゼリーやらさほど好みでないものも多い。しかしフードコートだと好きなジャンルからメイン、スープ、麺類、デザートとジャンルを組み合わせられるので満足度は高い。
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デザートで一番お勧めはこのアイス マンゴーというもの。かき氷と練乳の上にゴロゴロと角切りのマンゴーが山盛りになっている。ありがちなコッテリとしたシロップの甘さではなくあくまでマンゴーの果肉の強い甘み。物価の高いシンガポールにあってこれが3.8ドルというのはかなりお得感。
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IONの高級フードコートは失敗のない選択肢と言える。昼食は毎日、ここでも良いぐらいだ。晩飯も楽に済ませたい場合はここで充分。
 
肝心のホテルだが、シンガポールのホテルは基本的に部屋料金。定員2名の部屋でも充分広く、そこに幼児2人を詰め込ませてくれると安く上がる。そこで問題となるのがベッドの広さなのだが、ここヒルトンのツインベッドルームはベッドが移動可能なのでありがたい。
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片方のベッドを壁に密着させ、もう片方のベッドをもう一つと並べて置くと寝相の悪い幼児二人を壁と大人で囲みながらも広々と寝れるようになる。さらにソファをぴったりとベッドに寄せるとベッドが動かなく固定されるし、2歳時にはよじ登るのに高すぎるベッドへの階段となる。
 
さらにベッドを寄せた分、部屋に広い絨毯スペースができて子供が部屋で遊ぶのにも便利になった。
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ちなみにヒルトンの朝食ビュッフェはシャングリラより格段に美味い。マフィンも砂糖てんこ盛りの甘さではなく、しっとりしてブルーベリーソースが流れ出てくる。マフィンにキャラメルバナナソースやクランベリーソースを掛けて食べられるのも嬉しい。オムレツもふわっとして適度に塩気がついていて絶品だった。
 
 
一方のセントーサのシャングリラホテルはリゾート型ホテルということもあり、こちらはこちらで幼児にはありがたい点も多い。

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 シンガポールの海は高密度でタンカーが停泊していて、不思議な光景。常夏の陽気さとミスマッチの面白さ。

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利点
  • 安全で安心のプール
  • 交通整理してくれるプールの滑り台
  • キッズコーナーもあるビュッフェ
  • 5歳以上を預かってくれる子守遊ばせサービス
  • チェックイン前、アウト後にシャワーを浴び着替えのできる無料リフレッシュルーム
難点
  • 昼、夜のレストランが高くて美味しくない
  • ベッドを移動して連結できない
  • 海はさほど綺麗ではない

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チェックイン前、チェックアウト後もシャワーを浴び、着替えできるリフレッシュルームがあることで、夜行便で到着あるいは帰ろうとも1日をフルに活用できるようになる。プールで目一杯遊べるのは非常に有用。

 

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 滑り台も三本あり、かつ喧嘩になったり危険が無いよう、交通整理のライフセーバーが常時付いていてくれる。これは安心。

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 子供用のプールは大人用と隔たれており、2歳児でも背のつく高さ。

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味はヒルトンには劣るように思う。しかし随所に見られる子供への配慮は有難い。子供に尽くすことで親を解放して寛がせるという、わかってらっしゃるセントーサシャングリラ。子供を完全に預けられる5歳以降にまた来たいと強く思った。

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幼児連れシンガポール空港攻略

シンガポールチャンギ空港はアジアで一番評価の高い空港として有名だが、幼児連れにとってはそこらの街中歩きに匹敵する観光地でもある、という話。

 

JAL便はターミナルT1なので、そこのチェックインカウンター5列の後ろにあるアーリーチェックインカウンターでスーツケースなどの嵩張る荷物を全て預ける。この時点で出発時刻の4時間半前。

 

後で知ることになるが、最早のチェックインのおかげか4列並びでかつバシネット席(乳児用ベッドを取り付けられる座席前が1メートル近く広い席)を割り当てて貰えた。もともと22時半の便は予約時に空席が無く、3日前にキャンセルが出たと聞いて変更したにもかかわらず、である。幼児連れで望みの席を確保できなかった場合は可能な限り早いチェックインが吉かもしれない。

 

預けた後にターミナル3に移動。まずはFair Priceというそれなりの品揃えのスーパーマーケットで土産物を買う。日清のインスタントラクサが美味しいらしいので9ドルもするが買ってみた。レジで1つ買った人はもう一つおまけと言われて二袋もらったが、こういうのは半額にしてほしいわな。

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10ドル以上買うとそのレシートを持ってL1のインフォメーションカウンターで無料滑り台券というやつが貰える。これがあると2階からB2階まで3階分をアルミ製の滑り台で10回も滑り降りれてしまう。自分の滑り降りたタイム記録や最速記録も表示され、何度も挑戦したくなる。これは子供には楽しいが、大人でも楽しい。身長制限は130cmと言われたが110cmの身長の息子でも1回目は滑れたが2回目は機械式ゲートが開かなかった。

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最速記録はこの高低差をなんと4秒で降りるのだそうだ。なかなかの速度だ。

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ターミナル3の最上階のアビエーションギャラリーは幼児には難しい展示だった。展望台で飛行機が見えるのだが、幾枚ものガラス越しだし室内なので羽田空港の屋外展望台のような迫力はない。



引き返してターミナル3にある「楽天皇朝」(パラダイスダイナスティー)の七色小籠包を食べに行く。東京銀座にも店舗がありいつもなかなかの混雑らしいが、値段を見る限りシンガポールのほうが2割ほど安いようだ。

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普通の小籠包が一番美味しいと言う結論。しかし、それでもSNS欲でみな7色小籠包を頼んで写真を撮ってしまうのだろう。

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揚州炒飯も安心の美味さ。

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四川の辛い汁ソバ。幼児には無理だが頼まずにはいられない。

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最後の砦はターミナル1の出発パスポートコントロールを抜けた先にある大きな遊具。有料遊具施設にあるような三階建ての滑り台や階段、様々なクッション製の障害物が組み込まれたもので2歳児から小学生中学年ぐらいまでは充分楽しめると思われる。3階ともなると、結構な高さで全身を使って遊び、疲れてくれる。

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バタフライガーデン、睡蓮ガーデン、鯉ガーデンと3つのターミナルには様々な寛ぐ庭があり、それらを周るのも楽しめると思う。


そんなこんなであっという間に4時間が経った。


夜行便であるならばなおさらシンガポール空港に早めに着いて、子供に存分に遊んで疲れてもらい、機上で寝てもらえるのがお勧め。チャンギ空港は巨大すぎてそれ自体が観光地として捉えられる。幼児にとっては市街観光で連れまわすよりも安心して遊ばせられる施設かもしれない。

 

シンガポールの肉林

植物 美術館 博物館 旅 遠出
仙人掌や多肉植物が見事な植物園を挙げるとしたらこれからはガーデンバイザベイを挙げる。「酒池肉林」という表現があるけれども、ここは正に多肉植物愛好家にとっての肉林天国なわけだ。
 

ガーデンバイザベイのドーム型温室植物園は二つが対になっている。一つは先に書いたクラウドマウンテン、もう一つがフラワードーム。

 
フラワードームの1階の広大なスペースは華で彩られ、ここで撮られた写真が紹介されていることも多い。綺麗だけど、さほど心動かされるものでもない。
 
白眉は2階の多肉植物尽くしだろう。ある意味、湿度も低く雨も降らない乾燥状態に整えられた環境というのはシンガポールでは貴重なのだろう。多肉植物が溶けて腐るような熱帯気候なんて愛好家には恐ろしすぎるが、そんなシンガポールに彼らは乾燥植物園を作ってしまったわけだ。

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シンガポールならではの派手さと、島国にもかかわらず大陸的な構想力でこの温室の多肉植物エリアも構成されている。

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樹齢100年は経ってそうな龍血樹や仙人掌。単体でしか観ることがない品種が群生していたりする。

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フォーカリアもここまで群れると面白い。葉の縁の鋸のような顎は単体で見るほうがその品種の個性が楽しめるとは思うが、群生が本来の姿ではある。

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宇宙錦も樹齢を重ねると葉よりも幹の存在感が際立ってきて別の植物のように見えてくる。

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老楽だろうか。節ができずに綺麗な柱状に育っている。雨にもうたれず、風もなく埃も付かないから棘は純白なままだ。

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樹状に育ったアロエ・ディコトマは愛好家の到達点ではなかろうか。それが林立するとは壮観。

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この巨大な塊根植物はコーデックスだろうか。アデニウムと見受けるがこれだけ大きく育っていると比較による品種特定も難しくなる。
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こういうグリーンカーテンも面白い。

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品種名がわからんが、白い稜線が群生するとなんとも見事。

 

貴重な温室のこれだけのスペースを多肉植物に割くということは、設計者なり発案者と承認者の中に多肉愛に溢れた人がいたのだろう。シンガポールでも多肉植物愛好家は多いのだろうか。

 

調べてみるとシンガポール公園局が主体となって建設された国家プロジェクトで二つのガラスドーム温室の空調設備は日本の「大気社」という会社が受注施工している。ドームのうち1棟は高湿度のクール・モイスト空調を採用したドーム (0.8ha)、もう1棟は低湿度のクール・ドライ空調を採用したドーム(1.2ha)となっているとのこと。ガラスドームの外装カーテンウォール工事を施工したのは、YKK AP ファサード社。巨大で透明な建築物なのだが、1000パターンを超す6000枚の平面ガラスとアルミフレームで構成されているとのこと。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの照明を手掛けているのは、建築照明デザイナーの面出薫氏率いる株式会社ライティングプランナーズアソシエーツ。今の日本には優れた技術企業群があってもそれを統合して描き出す構想力に欠けるということなのかね。

 

総工費は10億シンガポールドルとも言われている。日本円で800億円。豊洲の新市場は6000億円が注ぎ込まれたと言われているし、オリンピック会場は1兆円を超えるなんて話を聞く。なんだか、あまりに投資が下手ではないのかね。クールジャパンなハイテクで伝統的で変態日本文化を融合体現したガラパゴスに突き詰めたものを1000億円づつ10施設作った方が観光経済への貢献度は高いのではないのか。全季節人工室内スキー場ザウスみたいなそういう破天荒なのを作って欲しい。

 

一人だけ興奮しきりだったが、ガーデンバイザベイのおかげで今回のシンガポール旅は満足度が高かった。今度、出張する機会があれば、夜のガーデンバイザベイを一人で訪れてみたい。時間を気にしないで一眼レフをお供にゆっくり、粘っこく多肉植物を愛でたい。

空中庭園 ガーデンバイザベイを見て日本の観光政策に失望した

植物 旅 遠出

シンガポールはどこか人工的でハリボテ感が強くて文化的深みに欠けるなあ、などと些か失礼な先入観を持っていた。

 
マリーナベイサンズにしろ、セントーサにしろ、IONも、観覧車も、船がビルの上に乗ったホテルも、一回行ったら十分。そんな観光名所が多いとの印象は変わらない。シンガポールそのものがマーライオンみたいなものだと思っている。
 
そんなシンガポールを軽んじていた私が打ちのめされたのがガーデンバイザベイ。

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クラウドフォレストという6階建の壁面緑化された巨大な塔に登れるのだが、入口正面の滝に圧倒されてしまった。鉄骨や重量コンクリートにガラスやらセラミックやらを貼り付けた800mの塔なんかを建てられても、ふうん、よう、こんなもん作ったな、で終わる。しかし温室の中に6階建の塔を建て、さらにそれを温帯性植物で覆い尽くすとなると唖然とする。

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なんというか、夢があるのだな。

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塔を覆う緑を周囲から見渡せるように散歩道が地上6階の高さで迫り出し、取り囲んでいるのだが、地上から垂直柱を立てていないので浮遊感が素晴らしい。

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散歩道の両側は網状になっており、隙間から遥か地面が見下ろせる。これほど「空中庭園」という表現の似合うものを見たことがない。

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植え込まれた植物は実に多彩で生き生きと活着している。容易に手入れできる場所ではないので、本当に植生と合致しているのだと思われる。

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温室植物園などというとやたらと湿度が高くて、ムッとする。しかしここは外気温よりも涼しく気持ちが良い。
 
安全性や耐震性のためだと称して安全柵やら網やらを過剰に作って景観や風情が損なわれたり、植生の為と称して不快指数の高い湿度と温度だったりしがちだ。しかしここは観光地としての迫力や快適性が損なわれていないのが感心する。
 
植物園は直接的に何かに役に立つ施設ではない。宿泊する訳でもないし、おまけで飲食店は付帯していてもそれが目的ではない。ただ立体的に植物を植え込んであり、眺めるだけ。そんな完全に娯楽文化施設をこれだけの規模と迫力で作るとは。

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敗北感。ああ、今の日本を見渡してこれに勝てるものはないな。構想力の大きさというもので及ばないものを見た気がした。
 
大名庭園や時の権力者が作った寺社仏閣とその付帯庭園は素晴らしい。大胆な構想と緻密な作り込み。その素晴らしさに疑いようはないが、どれも数百年前の時点でのものだ。

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現代の技術や美意識を用いて「大きな構想力」で日本で作られたものに何があるのだろう。
 
海外から日本を訪れるインバウンドの潜在観光客数は非常に多く、経済的効果は大きい。それに応えられるようなワクワクする新しい何かというものが全く見当たらない。

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魚を氷詰したスケートリンクだの、展示後は金魚が大量処分されるアートアクエリアムだの、コンセプトや理念においても小さい。スカイツリーも単なる塔でしかない。此の期に及んでカジノリゾートだなんて、日本だけ世界の潮流の20年前を走ってるようだ。啓蒙するメッセージも感じ取れないものばかりだ。もっとワクワクする近未来と伝統が融合した、何かを日本は作れるはずだろうに。
 
地方の寺社仏閣、温泉や自然景観など古くから受け継いできた魅力は沢山あるが、現代の新しい何かで魅せれるものを日本は生み出せていないのではなかろうか。忸怩たる思い。

自分はなれなかった「かわいい後輩、部下」というもの

思索

もともと、自分には企業や大きな組織で求められるような社交性に欠ける気がしていた。趣味趣向の合う遊び仲間としかつるまず、輪を広げることがあまりできてこなかった。

 
ゴルフもカラオケも興味がないし、パチンコやなんかも興味がない。同僚のように自由になる金もない。盆栽や多肉植物や陶芸に興味のある人にはなかなか出会わない。
 
年次を重ねると、上の世代も減ってきて上司や先輩らの同調圧力で飲みに行く必要も少なくなってくる。断る自由勝手が許されてくる。そんなわけで職場の付き合いは少なくなっていった。職場の友人付き合いはあまりなくなった。
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ところが、今となっては接点もなくなった前職の部下が婚約したので彼女を連れて家に挨拶に伺わせて下さいだとか、別の前職の部下だった外国人女性が結婚式に来て下さいだとか、入社2年間面倒見させてもらった元部下がこれまた結婚式に来てくださいだとか、関西に残っている別会社に転職した後輩が年末に東京に来るので食事に行きましょうとか、部下の新卒女性が新卒3人とおっさんで飲み会しましょうとか、お誘いが偶然にも増えている。特に前職の後輩や部下なんて私を誘う仕事上の義理はもうなくなっている。
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私にも苦手な上司もいたが、好きな上司もいた。しかし上司を飲みに誘うという発想はなかった。結婚式にも呼んでいない。会社の上司を仕事外の時間に自分の私生活に招き入れるなんて思ったこともなかった。
 
しかし誘ってもらえるとこんな自分でも、あるいはこんな自分だからこそか、自分でも予想外に嬉しいことに気付いた。
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偉そうに仕事上で従わせている上司ではなく、少しは若い人に貢献している、あるいは貢献できる先輩として扱われたように思えてくる。この喜びは無意識な承認欲求が満たされたことから来るのだろうか。
 
今から思うと、「⚪︎⚪︎さん(上司)、結婚式で主賓の挨拶して下さい」とか「⚪︎⚪︎さん、今度飲みに連れて行って下さい」なんて言える部下だったら、上司からみたらもっと可愛かったのだろう。何かはわからないが今現在が変わってたかもしれない。
 
それにしても幸せには「やりたいことをやる」だけでなく「人から必要とされる」ということも大きな要因なんだな。
 
定年退職した後も会う関係というやつが、もう一つのわかりやすい価値のある親交なのではないかと思う。そういう相手が一人でもいいから得られると嬉しい。