新嘉坡動物園



今まで訪れた動物園の中でも群を抜く。設計思想が根本から異なるのだろう。手を伸ばせば届く至近距離でナマケモノが餌を食べている。しかも子連れである。タマリンが僅か頭上の枝を走り抜ける。熱帯の鳥が足元を歩いていく。目も眩む樹上をオランウータンが渡って行く。可能な限り網や柵を廃し、堀や電線で逃げ出さないようにしており、あてがわれた空間も広い。


単なる珍奇動物の生体標本のような展示ではなく、狭いながらも生活空間での行動展示になっている。旭山動物園がかなり人工物の中で行動展示されているのに対し、元の住環境に近い素材が使われている。


新嘉坡動物園というと世界初のナイトサファリばかりが注目されるが、昼間の動物園は暗闇に隠されることなく如実に真価が現れる。昼の動物園は是非また来たい。昼間は何せショーも充実している。



木陰からぼけっと猿やなんかを眺めていたい。



テングザル「おめえ、しけたツラしてんな。自由の持ち腐れだよ」



チーター「モノゴトわかったつもりになるのは1万年早いわー」



ナマケモノ「急がばまわれって知ってるか?」



キツネザル「上を見ろっ 向上心が足んないんだよ」



見ざる蝙蝠、聞かざる蝙蝠、言わざる蝙蝠


哲学的で示唆的な動物のいる園でした。