民主党惨敗の功績

民主党の歴史的な大敗によって、民主党への政権交代以前の自民党の問題点までもが肯定されてしまう恐れはないのだろうか。そうならば民主党の歴史上果たした役割というのは最悪だ。できもしない奇麗事を並べた挙句、それへの失望への反動で自民党の正すべきものまでもが覆い隠されてしまう。二大政党として相互に建設的に影響しあう政治体制の可能性も潰された。


BBCやCNNの記事を読むと、外国はもっぱら「右」に舵をとることを国民の大半が望んだと書き立て、韓国や中国への対立姿勢を強める論調が強い。中央日報は“戦争ができる日本”をつくろうと叫んできた安倍晋三自民党総裁の首相就任が決まった、との書き出しの記事で、自衛隊国防軍と位置付ける憲法改正や、集団的自衛権の行使を容認するとの自民党の「右翼的な公約」が次々と実現することを危惧している。


大半の有権者は経済の立て直しや福祉の見直し、TPP、原発の是非、復興なんかの政策を気にしながら選んでいるわけで、けして国防軍を作ってもらいたくて自民党を選んでいるのではないと思う。全ての政策が自分の希望と合致している実行力のありそうな有力政党からの立候補者などほぼいないわけで、自民党が大勝したからといって全ての政策に民意を得たかのように振舞われては困る。外国メディアのほうが自民党の本質を掴んでいて、自分ら国民は重要な議題からネタとして盛り上がる議題に目を反らすように情報操作されているのか。それとも外国は外交への影響が単に最大関心事項だということなだけか。