高円寺の一景 鼠先輩

高円寺駅南、パル商店街と高円寺通りの間にある裏道の一角にあったコスプレバーが取り壊されていた。

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冬の寒い日にも女の子が客引きを頑張っていて、一度ぐらいは顔を出してみても、と思っている間に機会を逃したようだ。なんだか可愛い子もいるのだな、と思ったり失礼ながら私と変わらないがっしりとした太腿の子もいたり、まあ好みは多様なんだろうな。

 

 

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レディー・ガガも数度か足を運んでいる奇抜で唯一無二のファッションを扱うキタコレビルの2階に入っていた「サウスポー」が移転とのこと。高円寺を彩る名店だと思う。私はまず購買層ではないから文句を言う筋合いは何もないが、高円寺にあることで高円寺の魅力や個性を構成していた店だと思う。

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壁の個性的な絵も全て白く塗り直されてしまっていた。寂しい。しかし、キタコレビルだからまた個性的なテナントが入って壁にも不思議な絵が描かれてくれるはず。

 

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キタコレビルの先が日曜夜市で賑わっていた。フリマでは美大卒やら個性的なファッションを手作りしている若い人達が風呂敷を敷いて品々を並べている。見ていて楽しい。

 

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ここ最近の北中夜市で演奏しているというアンデス、ペルーの民族音楽を演奏するバンド。とても哀愁を帯びた笛がコクテイルで呑んでいるのと良いBGMになる。

 

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街は変わりながら変わらない。詰まってきて嫌気がさしてくると高円寺の夜の雑踏に紛れたくなる。まあ、話を聞いてほしい愚痴っぽい呑んだくれも多い。特に海外、外国人やLGBTなんかに対してとんでもない暴言やら偏見やらを吐いてたりする。彼らも自分の話を聞いてもらって楽しく飲むために来ているから、聞き流すことにしている。たまに、酒場の隣の客と楽しい会話ができると最高の気分転換になる。

 

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高円寺の地元フリーマガジン、SHOW OFFの最新号は高円寺に住んでいた鼠先輩だった。この表紙の写真を見ただけで、ああ、あそこで撮影されたなと、すぐ場所がわかる私は高円寺検定で言うところの2級ぐらいなもんではないかと思う。

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背景を合わせて撮ってみた。人通りの殆どない路地裏なので、よほどの暇人で何度も通っていないと気づかないと思う。植木鉢の葉の茂り具合を比較すると撮影されたのは半年以上も前のように思う。

 

鼠先輩は薔薇亭に月2回は行っていた。ニューバーグも抱瓶もよく行ったそうな。トリアノンの裏のピンサロのカオリちゃんが好きで毎日のように行ってたらしい。

 

「住むんだったら若い人は刺激がある街に住んだ方が絶対にいいと思う、わ10代、20代は少々貧乏してもカルチャーが面白いことになっている街で面白い人と会って刺激を受けたらいいと思うね。本当に1回しかない人生だし、いつもぶっつけ本番」-鼠先輩

 

子育てに不向きな街ランキングに上位掲載されることもある高円寺だけれども、高円寺で育てるってのもありなんじゃないのかね。

 

街の雑踏に身を置いて新陳代謝に触れると自分の仕事のくだらなさを客観視できて良い。

 

 

 

ホームパーティレシピ備忘録

覚えておこう。自他共に好評なのは

一昨日までは完全ベジタリアンなインド人も来るという話だった。残念ながら来れなくなってしまったが、昆布出汁で作る筍土鍋ご飯とワカモレとクラッカーは完全なベジタリアン対応食になるのだな。

 

好みが別れるのて避けた方が良いな、と思ったのが

  • パテ、テリーヌ
  • ブルーチーズ

 

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真空低温調理の肉祭り。ハラミステーキ400g、サーロイン600g。ただ2時間近くかかるというだけで、そこら辺の店で食べるよりも旨味の強い肉が食べられる。ホームパーティで不動のラインアップになりそうだ。フランス人の友人が、自分も真空低温調理器を買おう、と写真を撮っていた。肉好き人種には一家に一台のアイテムだと思う。

 

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ハニーマスタードチキン。こちらは黒トリュフマスタードで絡めたもの。黒トリュフという語感が美味しそうだが、黒トリュフマスタードそのものがそこまで美味しいものではないように思う。

 

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ハニーマスタード。こちらはマイユの粒マスタード。こちらの方が見た目も味も良い。作るのが簡単な割に子供には甘くてウケが良い様子。

 

鶏モモ肉 1枚

  1. 塩小さじ半匙を絡める
  2. JUMPでつけてくれるガーリック、胡椒、ハーブのシーズニングで下味をつける
  3. 小麦粉小さじ1を絡める
  4. 中火で8分。蓋を閉めて蒸し焼きで5分、蓋を外して2、3分が良い感じ。
  5. ハチミツ大匙1、マスタード小匙1と絡める

 

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ワカモレ、作るのが単純だけれども美味しい。ツナよりもカモのフォワグラよりも食べやすくて好きかもな。サラダ的な位置付けだし、ベジタリアンにも対応できる。

 

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フランスのモノプリスーパーで買った、この修道士印のチーズは私の好み。カマンベールよりもずっと硬めで果物香のような香りがあり、まろやかで美味しい。カマンベールよりも日持ちがするので、次回もこれを買ってきたい。値段も数百円と安かった。

 

サラミのように見えるものはソシソンSaucisson。フランス人の友人曰く、これは断じてサラミではないと言う。サラミはもっと脂が入っているのに対し、ソシソンは脂が少なく、スパイシーな場合が多い。チョリソーに近いのだろうか。私もサラミは脂っこすぎてソシソンの方が好きだ。

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朝茹での筍を美丈夫純米酒で土鍋で炊き込みご飯に。山椒の新芽はこの時期、香りが強い。

 

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シャンパンと苺は案外、合う。苺を細く切ってシャンパンに入れるとそんなにお高いシャンパンでなくとも楽しくなる。

 

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 頂いたケーキ。子供は大喜び。準備しておかなくて良かった。何を予め準備してもらうか、何を買って来てもらうかをあまり詳細を決めてしまうと驚きがなくなってしまう。しかしあまりに決めないとみんながケーキを持って来てくれたり、お酒を持って来てくれたりしてそれもなかなか難しい。まあ、運任せ。お待たせを想定せずに十分な量を準備して余剰はホストが後日、美味しくいただくということで良いか。

 

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Fossierというランスの郷土菓子を買った。食べてみるとメランジュのような菓子でかなり甘い。舶来品をみんなで、「どれどれ、どんな味?」と試す楽しさはあるけれど本当に美味しいものは大体、成城石井明治屋に置いてあるのだよな。

 

秋田最古の酒蔵、飛良泉の山廃仕込み15番酵母使用の丸飛No15。フルーティな吟醸香で山廃にありがちなアクの強さが無くて素敵。確かにヴーヴクリコのロゼビンテージも美味しいし、パーティーで盛り上がるシャンパンだと思うけれども、丸飛がヴーヴの1/5の値段だと考えると日本酒って美味いし安いな、とつくづく思う。

4月中旬の花壇。退職したおっさんはなぜ園芸や盆栽に嵌るのか。

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今年は春の気温上昇が早いように思う。もう既に藤が咲いている。

 

そこら辺の人に記憶を頼りに藤の絵を描いてもらったら、ほとんどの人が単一の紫で塗りつぶすのではないだろうか。紫の二色だけでなく、この中央の黄色を意識している人はどれだけいるのだろう。

 

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京都の大徳寺南禅寺銀閣寺、山科疏水から採取して実生で育てている紅葉。爪紅の要素あり。モミジは秋の紅葉よりも芽吹きや新緑が美しいとつくづく思う。

 

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獨逸菖蒲も咲くのは例年は5月ではないかね。

 

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桜空木も咲いた。桜・空木という空木の一種だけれども桜空・木と区切るとなんだかメルヘン。

 

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わからん。藪蘭の一種か。去年は咲いていなかったから誰かが新たに植えてくれたのか。

 

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小手毬も毬をいくつも咲かせ始めた。

 

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結実する気配を見せない、植えて2年目の藤稔。もう少し根を張り、力を蓄えないとダメなのか。

 

定年隠居後に園芸や庭弄りにのめり込むのは案外、男性が多いというのは分かる気がする。女性、特に主婦は自分が長い時間を過ごす空間を彩り愛でる為に、まだ若い頃から草花を置く。本質的には社交性がなく疲れたおっさんは癒される為に没頭するように思う。

 

理由を考えてみた。

  • 世話をするのにそれなりに時間を費やせる。
  • やりこむほどに広がる沼。
  • 突き詰めると生態学であり化学である。
  • 植物が自分を必要としてくれているように感じる。
  • 必要とされる対象として不快ではない(望まない相手から求められるのにウンザリ)
  • 責任を放棄しても枯死させても咎められない
  • 口答えしない。笑
  • 手間をかけるほど応えてくれる。
  • 望めば参加を受け入れてくれる品種の作出や作り込んだ鉢を品評し合う同人の大きな輪がある。
  • そこで認められると尊敬され賞賛される(裏表のない純粋な名誉と賞賛)
  • やり込まなくても、咲いたり実ったりすると報われる。つまり高い確率で報われる。
  • 工夫すればお金はかからない。実生、株分け、交換。肥料の自作。

 

 

植物は癒しだ。

 

 

隠居後に庭弄りにも陶芸にも犬の散歩にも飽きてしまっていたらどうしよう、と思うこともある。今からやらずに老後の楽しみにとっておいた方が良いのではないか。若いうちにしかできない趣味に時間を割いた方が総体として人生を楽しめるのではないか。その一方で、庭弄りも作陶も40年やっても飽きない底無しの世界だとも感じているけれども。

 

 

 

散りゆく桜

 

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今年の桜も終わり。花弁が散った後の、空を掴もうとしている細い手のような萼にも味わいがある。

 

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葉桜も爽やかな新緑が入り乱れて清々しい。

 

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波状に咲いていく。

 

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同僚の友人には年柄年中、桜花を追いかけて日本全国を流れていく人がいるらしい。桜前線とともに北上し、さらに十月桜、寒緋桜とハシゴしていくのだそうだ。

 

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私は来年を楽しみに待とうかと思う。繰り返し、繰り返し、変わらない構図、変わらない撮影技術で撮り続けるのだろう。代わり映えのしない写真が何年にもわたって撮り溜められていく、それこそが価値のある平穏ってやつなのかもしれない。

 

白チタン破蓋付高台鉢 X 「常盤忍」

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もう、忙しいし回収しに行くかも迷った。

高杯に筒のような高蓋をかぶせた形状の植木鉢。チタンマット釉をどぶ漬けしたが、少し釉薬が薄かったようだ。2度漬けしたほうが良かったか。

 

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蓋が外れなくて嫌な予感がしたが、コンコンと叩いていたら外れた。土が焼く際にくっついたようだ。丁寧にやるならばアルミナ粉を塗布すべきなのだろうね。

 

蓋のあちこちに植え込む穴を開けたが、それで歪むこともなかった。まずまず。

 

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中庭に無造作に、雨晒しに置いて育てていた常盤忍を移植した。

 

このモコモコとした白い毛に覆われた根茎が長い年月をかけて岩でも陶器でも覆っていってしまう。小動物の手のようにも見えて面白い。

 

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葉はシダ植物らしい繊細で薄い葉なのだが、思った以上に乾燥にも寒さにも強い。

 

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室内に取り込んだ際も、鉢の中に詰め込まれた根と水苔から伝い落ちてくる水に濡れないように、中に水受けを設けている。外から垂れた水滴も土台の窪みで受けられるように二重の備えにしている。

 

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植え込み完了。やはり植えないと実際のイメージはわからない。良い感じだと思う。植え込んだばかりなので葉の向きが少しおかしなことになっているが、やがて上を向いてさらに繁ってくれるだろう。

 

この雰囲気の鉢と植物を自宅の仕事机に並べるのも悪くないな。ここはやはり、高さ1.5倍の細長いやつを作って並べた際に動きを出したい。茎が長く伸びた蕾のようなやつだとか。

 

 

焼締臥鹿鉢 X 「カメレオン」

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もう一つ作った焼締の鹿鉢。こちらは臥せている。尻に大きな穴が開いていて、そこにはセダム属の「カメレオン」を植えた。季節や水加減で葉色が変わることから名付けられたらしい。

 

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四尾の鹿っということになるのか。もう少し穴を尻方向に広げても良かったかもしれない。

 

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頭には枯枝をとりあえず挿してみた。眼球に穴を開けて瞳を表現してみたら生気が増すかと思ってやってみたが、好みではないことがわかった。

 

タテガミ部分にも穴が開いていて植え困るのだが、そこにも植えてしまうと過多だ。そこは尻方向への水遣りの為の穴として残しておこう。

 

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枝が長すぎるのはわかっている。しかしそれで良いのだよ。

 

次の鹿はどうしようか。

四肢で立ち、目を閉じている鹿。

前脚を広げ、水を飲んでいる鹿。

砂浴びをして脚を空に伸ばしている鹿。

岩に前脚を掛けて半立ちの鹿。

焼締鹿鳴鉢 X 「銀月」

 

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この1年間で作れた陶器鉢は少ないけれど、この鹿が一番満足度は高い。このぐらいの出来栄えのものを安定的に作れるようになりたい。なれるはず。

 

「銀月」を背中に植え込んでみた。下葉が落ちて茎が見えるようになると、蓮座の形も見えるようになると思うが、このまま直接生えているように見える状態でも良いのかもしれない。

 

下から上へ、淡い緑から純白へとグラデーションがかかる「銀月」はこの鉢に好適。

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案外、上から見ると背中の幅は十分にあることがわかる。銀月の姿は今が最良な形で、こここからは枝分かれしながら育っていく。さらに育つには腹の中の土では足りない。この円錐形に育つまでに小さな苗を育てるための育苗鉢として位置付けた方が良いのだろうな。

 

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角の代わりに枯枝を差した。緑蛇か緑塔を植え込みたいが、運搬すると緑蛇は簡単に折れてしまう。作陶展が終わってからきちんと植え直そう。

 

 

奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の

声きく時ぞ 秋は哀しき

 

古今集猿丸大夫