DIY 多肉植物、サボテンの陳列棚の増床

なかなか一筋縄ではいかなかったが南向きバルコニーに増床した。雨が当たらず通風は十二分という多肉植物には理想的なバルコニー空間にさらに奥行き30cm、幅150cmの棚を二段追加した。

 

  • 段差35cmのバルコニーのヘリに前の二脚が乗る脚の長さが異なる特別仕様
  • バルコニーの鉄格子に針金で緊結して倒壊防止
  • サーモウッドの棚板を3点で釘止めして固定。台風にも耐えるように。
  • 黒のパイプに木質の目に優しい仕様。
  • 最上段は180cm、上段は150cmの高さ。
  • 棚の裏に吊り下げフックを付けられる。
  • 転倒防止の柵をつけるか要検討。

 

当初、アイアンフレームを溶接したものを特注して作ろうかと思ったが、少なくとも5万円はかかるようだし、さらに棚板なども適した寸法のものを探すとなると合計6万円はかかる。細かく指示をすればもっと高いのかもしれない。

 

安価な塩ビパイプで作ろうかとも思ったが、頭上に棚を増やすとなると重心が非常に高くなり、鉢を並べると耐荷重が心配だし、風による揺れや鉢の転倒も怖い。

 

そこでホームセンターで購入できる「イレクターパイプ」という防錆処理された鉄パイプに表面をさらにプラスチックで覆ったパイプを使って自作することにした。プラスチックや金属のジョイントが無数に売られており、組み合わせることで温室やら自転車ラックやら強度の高いものが作れてしまう優れもの。パイプは28mm径のものが手頃だが、4柱の簡単な構造の棚でも耐荷重200kgを出せる優れもの。

 

  • 2000mm X 2本
  • 1500mm X 6本
  • 300mm X 6本
  • チーズ、エルボーなどジョイント16個
  • 棚受け 12個
  • サーモウッド杉板 1800x130x15 X 4枚
  • 接着剤

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しめて17,000円程。市販のものだと格子ギリギリに棚を設けられなかったし、特注すると3、4倍は費用が膨れただろうから、可能な限り安く耐久強度の高い棚を作ることができたはず。DIYも安くはないな。

 

制作過程を撮ろうと思ったが、組み立て方は単純なので割愛。イレクターパイプは素晴らしい。

 

 

 

 

子の成長を見て我が身を省みる

この夏は10回以上、次男をプールに連れて行ってクロールの特訓をした。その甲斐もあってか、晴れて進級テストに合格した。本人もかなりの意気込みがあったようで相当、嬉しそうだった。翌日はグズり気味だったのも、彼なりにプレッシャーから解放された反動なのかもしれない。

私は10歳になるまでまともに泳げなかった。4,5歳で泳げるようになっているのだから感心する。いろんな可能性に溢れているし、何かをきっかけに花開くのだろうな。親としては可能性を開かせる機会を十分に与えられるようでありたい。

これからはもう少し少ない人数で長い距離を泳ぐようになるのでさらに体力も泳力も上達していくに違いない。


プールが嫌いなわけではないし行きたがらなかったことはない。しかし毎回、終わった後にモスシェイクをあげる約束をしていたし、あと3回泳いだら終わりにしてシェイクを飲みに行こうと言ったこともある。子供にご褒美で動機付けするのは良くないとよく言われるが、そこは正直、今日はプールに行きたくないと言われる面倒を避けた自覚はある。 

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長男は全くもって運動が得意な方ではないけれども、小学校入学までに四泳法を習得した。バタフライなんぞ、私は未だに泳げない。コツコツと努力を積み重ねて何かを達成することに大きな自信を得てくれたのが側から見てもわかる。それが一番、親としてありがたい子供の学びだと思う。

この日、夏の親子体験教室で習った琴で、譜面を見ずに「さくら」を弾いてくれた。ろくに練習もしないし、琴はさほど興味がなかったのだと思っていたけれども、思わぬ成長を見た。

長男は学年の中でダントツで足が遅い。それでも、逃げるでもなく、練習すれば1年後には速くなると自分を信じられている。なんだかその真っ直ぐさが眩しい。

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親として偉そうに、あれしろ、これしろと子供達に指図し、これはこうやるんだよとあれこれ教えるとまだ尊敬の目で見上げてくれる。しかし親としては子供ほどに懸命に取り組んで成長できている気がしない。まだ子供は幼く、見透かされていないようだが、あまり、誇れる親ではないなと思う。中学生になる頃には偉そうに言われるほどでもない親の凡人さに気づくだろう。

 

正直、4〜5年サイクルで襲ってくる仕事での学びの低減に対する倦みと失望に苛まれている最中だ。どうやらここ数年以内の海外赴任の可能性も消えたらしい。腐らずに、辛抱強く、この状況を脱却しなければと思う。

 

親父は親父なりに何歳になってもあれこれ挑戦したのだという失敗と成長の軌跡を子供達に残せたら良いな、と思う。

 

阿佐ヶ谷に潜んでいた熟成肉フレンチの名店「ラメゾンクルティーヌ」

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阿佐ヶ谷というと、高円寺と並んで安い居酒屋が四方八方の裏筋に軒を連ねるイメージ。でも、広尾だの代官山だの行かずに近場の上等なレストランにもたまには行きたい。

 

妻が見つけて予約してくれた阿佐ヶ谷南口のフレンチレストランへ。

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ラメゾンクルティーヌ。シェフがフランスで7年半修行し、一ツ星店で料理長をしていた同名を引き継いでオープンしたフランス料理の熟成肉を味わえる店だそうだ。

http://chefkazu.blog.fc2.com/

修行時代が纏められたブログにパリ14区のLe Severoで食べた熟成肉に感銘を受けたとの記述を見つけた。私もパリで3度ほど行った肉尽くしのビストロで勝手に親近感が湧く。いや、本業に加えて、週末にLe Severoで働いていたらしい。まさしく修行だ。

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Percevalの「9.47」ブランドのカトラリー。ラメゾンクルティーヌの初代シェフ、イヴ・シャルルがシェフを譲り、オーベルニュで創り出したナイフだそうだ。料理の道で極めながらも隣接分野とも言えるカトラリー作りに出会い、シェフの道を捨ててカトラリー作りに没頭する。そういう人生と豊かな出会い、才能が眩しい。

アラン・ドュカスやアラン・サンドランスのレストランにも採用されている品とのこと。ちなみにこの店のシェフはアラン・サンドランスの魚部門のシェフもされていたようで魚料理の技術も一流なのだろうが、ご自身はやはり熟成肉が好きなようだ。

 

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料理の説明は省く。真っ当に表現する術を知らないし、美味しいとしか言えない。

 

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フランス出張中はごくたまに二つ星に連れられて行ったりもするが、仕事相手との会食で食事を楽しめたことはあまりない。プライベートで来て、ようやくこの手のレストランを楽しめるようになった気がする。

 

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“肉の熟成は骨から切り放した時点で止まり、劣化がはじまる”の理論から、提供する直前に必要な分だけ切り落として調理しているそうな。鹿肉を頂いたが、文句無しに美味しい。Le Severoのようにドーンとした大きな肉塊を食べさせてもらいたい。

 

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誕生日にとお願いしたケーキ。これだけを買いに来たくもなる味だった。

 

もう妻と出会ってからの人生の方が随分と長くなってきたのだよな。子供達の話をしていると、戦友のような気になってくる。

 

子供の頃は動物の番組が大好きで飽くことなく観ていた。今では興味がまるでない。植物や陶器など全く興味がなかったが、今はあれこれ興味が惹かれる。好き嫌いは理屈ではないからこそ、好きでい続けられることは幸せなことだ。

 

 

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皿が素敵だ。不揃いで客それぞれが異なるアンティーク皿で供されるのだけれども、どれも素敵だ。

 

また、何かのお祝いに食べにきたい。歳を重ねたということ以外にこの店で祝うべき何かを達成したい。

蝉脱皮亡骸鉢 X マミラリア「月世界」

昨年、脱皮の途中で力果てた蝉の亡骸を拾った。

 

何年も地中で過ごし、いざ出会いを求めて羽化し飛び立とうという盛夏に、何かが上手くいかなかった。地上に出たところを鳥に捕食されたわけでもない。亡骸が食われることもなく、見向きもされずに取り残されていた。何のために、と思わずにはいられない。

 

なんだか、ぐっとくるものがあって、後日、赤土を使って一回で一気に造形した。何か衝動に駆られて作る時には驚くほど早くできてしまう。そして焼き上がったものの、植えるべき株が見つからず半年以上も空の器だった。

 

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ようやく、植わるものが見つかった。確か「月世界」と言っていたと思う。頭を落として芽吹かせた群生株ではなく、自然に分岐した歪な群生株。見つけた時に、ああ、これだ、と腑に落ちた。

 

この鉢にはこの株しかないだろう、と自分の中で揺るぎない執着のある組み合わせというものが数組かある。他の人がどう言おうとも、自己満足の極みにあるような奴だ。

 

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ボコボコと子株が湧いてきている。亡骸の蝉を苗床にして形質を変えながら生が紡がれていく絵。

 

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実は、このサボテンは根切りされたばかりでとても不安定な植込みとなっている。数年かけて根を蝉の胴体の上から下まで伸ばしてくれた暁には完全に鉢と一体化し、強風にもビクともしなくなってくれるだろう。それまで無事に育つかどうかは賭けだ。

 

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サボテンの生育環境として考えれば土の量は少ないし、水持ちは悪いし、過酷な環境かもしれない。ただ、屋外で水遣りは辛めに辛めに育てられたというこの個体ならば適性はあると思う。

 

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私の都合と理想の押し付けではある。それにもめげずに無事に根を伸ばしてほしい。

 

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脱け殻の割れ目から湧いたように植え付けられた銀手毬は根付いてくれるだろうか。胴体から落ちてくる水分が最後まで底部に溜まるので根腐れが心配ではある。

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上体の背中は白く滑らかにデフォルメしたのはやはり正解だったと思う。

 

心を鬼にして、2週間は水を遣らず、その後も月に2度。冬は完全断水。過保護にならないように育てねば。5年、10年を共にしてほしい期待の植木鉢と個体。

 

 

hannarimango.hatenablog.com

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来夏も三年連続で来たい南伊豆国民休暇村

 

同じ宿に3回目もまた泊まりに来たいと思わせる宿はなかなか無い。

  • 2時間半の電車旅もスーパービュー踊り子の展望席だと飽きない
  • 到着日の昼食は伊豆漁港の「金目亭」が美味い
  • 結局、南伊豆の国民休暇村にしかチョコレートファウンテンは無かった。
  • 朝晩無限に食べられるソフトクリームがあなどれないほど美味しい。
  • ビュッフェの質は南伊豆国民休暇村が抜きん出ている。イカの姿握り、蟹の味噌汁、朝食の鯛茶漬け。魚が美味しいのは嬉しい。
  • 青木さざえ店も美味しく、三食をホテルで食べずに済む。次回は他の大勢が食べていたさざえラーメンを食べてみたい。
  • 温泉もクセがなくさらりとして気持ち良い
  • 波が高いと海遊びはスリリングで楽しい。9月中旬でも水温は高く、クラゲは皆無。
  • 砂質が良い。砂遊びも楽しい
  • 臨機応変に砂浜から部屋に戻ったり温泉に入りに行ったりできる立地の良さ
  • 育つにつれ、できるアクティビティーがまだまだたくさん。
  • 家族客が多く、子供が少しぐらい大きな声を出そうとも肩身の狭い思いをしないで済む
  • コスパが良い

 

次回は

海遊び、温泉、海の幸と全方位的に魅力のある宿。

 

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2泊3日で南伊豆の国民休暇村へ。どうせ納めなければいけない税金で家族旅行がまるでタダのようにできてしまうのだから「ふるさと納税」は有難い世の中の仕組みだ。別に私達にとって縁は無く、ふるさとでもなんでもないけれども、毎夏帰りたい場所なので我が家にとっての「夏の海のふるさと」と化しているので大いに振興されて欲しい。その価値のある伊豆半島の最果てだ。

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毎回、伊豆急下田駅で昼前後に着く。今回は駅から歩いて10分ほどの「道の駅」の向かいの下田漁港内に併設された「金目亭」へ。漁港の水揚げ場の軒下にBBQ用の食卓を並べていて、そこからだと海と漁船の往来を見ながら、潮風に吹かれながら食事を頂ける。これが気持ちよかった。

 

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三種類の金目鯛を酢飯に乗せた丼。絶品。地金目鯛、沖金目鯛、島金目鯛の三種類全てが食べられる。今まで無頓着に食べていたがどの金目鯛を食べていたのだろう。最も脂乗りの良い地金目鯛が1kg1万円を越える最高級魚らしいが、この中で一番美味しかったやつがそれなのだろう。どれも美味しくてようわからん。これは次回も下田駅前でもなく、この漁港まで足を延ばすことになりそうだ。

 

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金目鯛煮魚定食も子供達は大喜びの味だった。少し甘いタレを御飯に掛けてあげるだけで食が進む。

 

下田駅前のスーパーでみかんサイダーやら酒やらツマミやらを購入。何せ宿には中が空の冷蔵庫が各部屋に備え付けられている。そしてバスに乗って20分。

 

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勝手に帰って来た気になる南伊豆国民休暇村。足湯のある屋上へ。追加1000円でバスケットに豪華な朝食を詰め込んで、ここに届けてもらうこともできるそうな。ソフトクリームに夢中な子供達がいなければそれも有りかもしれない。

 

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陽が和らいでからはハンモックも気持ちが良い。

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夜には中秋の名月を仰ぎ見ながらハンモックに揺られる。

 

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カメラにも映るほどに星空だった。20時からは珈琲が振舞われ、望遠鏡を使った星空鑑賞会も開かれる。

 

料理は前回はもっと小鉢が沢山あったような気がするが記憶違いか。

 

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伊豆近海の鯵のお造り。鮪、鯛などを盥に好きなように盛る。お代わり自由。大人を満足させる品々があるのが嬉しい。

 

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鰤。

 

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海老は見た目ではわからない。臭みを感じなかったから鮮度はとても良いのだと思う。

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寿司をひたすら目の前で握り続けている人もいて、ネタは5種ほど。鮪、鮭は鉄板で初日は鯛、泪巻き。翌日は泪巻はカッパに変わってしまっていた。昨年の小ぶりのイカの姿握りが最高に美味しかったのだが、今年は同じイカは天麩羅のタネになっていた。それはそれで美味しいのだが、寿司で食べたかった。

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子供達が昨年以来、旅行に行く先々で唱えていた呪文。チョコレートファウンテン、チョコレートファウンテン。国民休暇村のビュッフェにはどこでもあるのかと思いきや、館山にも奥武蔵にもなかった。ここ、南伊豆でなければないらしい。

 

マシュマロやバナナ、ミニドーナツなどに掛けて食べるのだが、ソフトクリームに掛けるとパキパキに固まってそれも美味なことを発見。さらにはオレンジやグレープフルーツ、ライチに掛けたりと創造力を刺激する。長男は述べ12回お代わりしていたが、この旅行だけのこととして不問にする。

 

 

 

今年、一番楽しめたのは海遊び。昨年来た際には30mほど海に入っても膝丈程度の深さしかなく、とても遠浅な美浜だと記憶していた。しかし今年は、10mほどもいけば膝丈になり、そのあと急に腰丈ほど深くなったかと思えばまた膝丈になったり、海底が随分と起伏に富んでいた。そこら中に茎ごと根こそぎにされた海藻が打ち寄せられている。どうやら台風のせいでかなり砂がさらわれたらしい。

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この日は風も強く、背丈を越える大迫力の波が打ち寄せる。次男も少しは泳ぐようになったので波に揉まれ、転がされながら大いに楽しんだ。もともとはとても遠浅な弓状の浜なので常に底に足がつく安心感があってとても良い。4時間もぶっ続けで砂遊びと波遊びを繰り返したら、午後には次男は完全に疲れ果ててしまった。

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釣りをしようだの、磯遊びをしようだの、ヒリゾ浜に行こうだのあれこれ言っていたのにどれもやらずして満喫した。しかも前回に楽しんだ足湯や星空観察会や窓の落書きコーナー、ウォーキングコースやキッズコーナーでの玩具遊びなどをどれも繰り返すことがなかった。まだまだ子供達の体力を凌駕する魅力に溢れている。

 

素晴らしい。来年の晩夏も南伊豆だな。

台風一過、玉つづりの挿し木と仕立て直し

記録的な台風15号だそうで。早急に前日から各公共交通機関が運行休止や再開遅延を計画し発表してくれていたのは助かった。

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最大風速60mというものがどれだけのものかわからないが決して油断はするなかれとのことなので棚やフックから鉢を全て下ろし、地面に密集隊形を組ませた。剛力。

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朝、起きると大分、荒れた状態に見えたが大きな被害はなさそうだ。茎が折れた鉢は一つもなさそうで胸を撫で下ろす。台風一過の猛暑日が数日続くそうなのでしばらくこのまま日陰管理にしておこう。

 

このデッキチェアも風を通すので最大級の台風直撃にも動じないことがわかった。

 

多肉鉢の総員退避作業中、鉢を降ろす際に、辟易したのが触るたびに葉をポロポロと落とす「玉つづり」。ビアーホップという美味しそうな別名もある。

 

記憶する限り5年は植え替えしていないし、一部間延びしてしまっているので思い切って仕立て直すことにした。

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大量の葉。9月から11月までに芽ぶけるだろうか。冬を室内で乗り切れるか。まともに根付くには半年はかかるという気の長い葉挿し。そのかわり数はある。

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そして主戦力の挿し木用の茎。切口を2,3日ほど乾燥して多肉用土ではなくホームセンターで売られている軽量観葉植物用土に植え込もうかと思う。

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葉を全て落とした茎だけでも芽吹くのだろうか。

株も植え替えて枝別れを促そう。再来年あたりにまた滝のように垂れ始めてくれると良いな。園芸は辛抱強く。。。

 

藝祭 2019年。神輿と七宝と鍛金のぐい呑

午前半休で駆け足で東京藝術大学の学園祭である藝祭を覗いた。

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藝祭の名物は創作神輿。数年前から8基から4基に減ってしまったがその分、それぞれの演出時間が伸びて充実したようにも思う。大賞の神輿はスチームパンクの船のような奴だった。

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神輿の造形だけでいうと工芸、日本画、楽理、邦楽の神輿が古典的で和のモチーフで大変好みだ。

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過去の白蛇だったり、猿だったり。あんな風に陶土で造形できたらさぞ気持ち良いだろうな、と繰り返し思う。

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工芸科と日本画科の手にかかるとここまでのものになるのか。塗装も美しすぎる。

 

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造形だけならこれが大賞だろう、と思うのだがコンセプトやパフォーマンスも含めての評価なのだろう。楽理、邦楽だとパフォーマンスは大人しくなりがち。

 

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なんだか、陶での塑像をやりたくなってきた。もっと時間が要るに違いないけれども。

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恐竜と翼竜が相対している神輿は油画声楽建築指揮オルガン打楽器などのチーム。

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ステージだけでなく後ろの客にも配慮されたスペースを使い切った見事なパフォーマンス。毎年、毎年、神輿の取り巻きの踊りが充実している傾向。

 

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馬頭と牛頭の神輿は彫刻、管楽器、先端、音環、ピアノ。

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駆け足で館内の展示を見て回る。

菊池貴子さんの作品で、キャンパス地に七宝のレモンを重ねたものが素晴らしかった。

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ヘタの部分すら0.2〜3mmではなかろうかという細さの銀線で幾重にも輪郭が描かれていて、レモンのつぶつぶはツヤを持って瑞々しく輝く。

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近くに寄れば寄るほどその作り込まれた小さな世界に引き込まれていく。白く柔らかい内皮と表面の黄褐色とのグラデーションなどよく表現できたものだ。

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こちらが下絵。下絵の段階で私にとっては立派な小作品。

 

さらに紫陽花も良い。花弁一枚、一枚の中の淡いグラデーションが繊細で優雅。

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技術論で言えば、このような陶肌を作陶でもできるはずなのだが、見当がつかない。このぐらい技術と表現でぶっちぎってほしい。

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木島侃志さんの「声明」。額から烟るように出てきている瘴気のようなものはなんだろう。

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怖くて自宅には飾れない。耳、口、目という顔の穴が瑠璃で彩られ、信仰の狂気を描いているのか、かなりの迫力で畏怖を感じさせる。

 

空間の中で引き立っていたのがこの作品。

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私はイケメンが好きなわけではないけれども、コントラストが効いていてカッコいい。上半身裸のイケメンに黒猫なんて、好きな要素だらけで惹かれる女性ファンも多いのではないか。私は同じタッチで上半身裸の美人が短く刈り込んだトイプードルを抱えた絵が欲しい。

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油画で油絵を描いている人は少ない。日本画科の展示が素人にはどんな光景の美を描きたいのかがわかりやすくて一番楽しめるように思う。

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サボテン!逆光で眺める窓辺に多肉植物。自宅で気を緩めた女性の何気ない一瞬。

 

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野原望愛さんの「朝顔

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例年、何を伝えたいのか掴めない密度が低く感じられる絵というのがそれなりにいくつもある。今までならば素通りしていただろう類だけれども、しばらく釘付けになった作品があった。

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高校生の時からの絵が描けなくなった苦しみが文章で赤裸々にぶつけられていた。作品にここまで解説をつけてしまうのはどうなのかわからないけれども、観る人の感情を惹起する作品だ。

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美術学校に通って高度なデッサンやらを叩き込まれ、当たり前のように浪人し、入る大学すらないかもしれないという社会的地位の不安定さに怯え背水の陣の心境で美大受験に臨んでなんとか受かる。そしていざ、受かってみたら何を描きたいのかがわからなくなっている。自分の身の上に容易に起きていたかもしれないシナリオ。

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美大に入ったからには美術で身を立てないといけないという強迫観念、迷いのない同級生の力作を観てますます追い詰められていく。10年に1人、天才が輩出できればそれで良いというスタンスの藝大は生徒の進路の面倒などみない。モラトリアムに嵌った学生を救済してくれはしない。半端な人間には美大に受かってからのほうがしんどいという話もある。

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私は素人が基本を無視してデッサンの狂ったような鹿の植木鉢や虫の植木鉢を好き勝手に造っているのだから気楽なものだ。純粋に楽しんで好きで作れている。定石や世間の好みに合わせる必要など皆無で自分が欲しいものを好き勝手に作っている。

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高校生ぐらいでトチ狂って美大を目指すようなことがなくて良かった。幸いなことにそんな発想すらわかなかった。絵を描かずにいられない、表現をせずにはいられないような沸き立つ情動で作品作りに没頭できる人でないと美大は逃げ場のない苦界。

あちらの世界に足を踏み込まなかったからこそ、私はアートを楽しめているのだなと強く思う。これもある種の藝大生への尊敬の現れだ。

 

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ひたすら東西のマッチョ男の絵を描いている女性もいた。ノートがマッチョのデッサンで埋め尽くされている。楽しそう。

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演奏も素晴らしいのだよね。

 

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上野駅へ戻る途中、藝大生のハンドメイドマーケットを舐めるように通り過ぎる。

 

鍛金のぐい呑を使ってらっしゃる方がいて、その技術の高さ、ぐい呑の槌跡の美しさに惚れた。熱伝導率が高いのでキンキンに冷やした日本酒が最高とのこと。内側には錫を塗っているとのこと。口当たりがまろやかになります、とのこと。そんなこと言われたら買う。

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オーダーしたら底に名入れしてくれたり、錫が剥げたら塗り直しをしてくれたりもするらしい。

 

今年は指は買わずに終わってしまった。f:id:mangokyoto:20190907073421j:plain