清酒「鬼剣舞」と花の王

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ひれ伏せ。

これなるは花の王なるぞ。

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それが牡丹だそうだ。シルクのような光沢を纏い、薄く繊細だが幾重にも重なって量感豊か。確かに中国人が特別な位置付けを与えたのも納得のできる豪華さ。

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見事な花ですねえと褒めたら、「ぜひ奥様のために持っていきなさい」と持たせてくれた。そんな普段しないことをするとやましいことでもあるのではないかと疑われるではないか。

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小さなガラスの花瓶に入れたら存在感の強すぎる花塊となった。


今日、開栓したのは岩手の喜久盛酒造純米吟醸酒鬼剣舞」。岩手県初のオリジナル麹菌「黎明平泉」にこれまた岩手オリジナル酵母「ゆうこの想い」で醸された郷土愛溢れるお酒。

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鬼剣舞は岩手の踊りで大地を踏み悪魔を踏み鎮め、場の気を整えて清浄にする目的で行われる舞いだそうだ。相撲の四股のような意味があるらしい。


最初に一口飲んだ際には、あれれ失敗したぞ、と。私の好みの系統の味ではないと思った。酸が強いのだろうか。しかし繰り返し飲んでいるうちに美味いと感じるようになってくる。似た系統の旨辛な純米吟醸酒ばかりを飲みがちだが、普段飲まない系統の酒の世界を広げてくれたお酒。御燗でも美味しいらしい。試してみるか。


桜の公園

4月初旬だというのにもう桜はすっかり散ってしまった。桜前線を追って弘前城五稜郭まで追っていく自由が残念ながら今の私にはない。この先に楽しみなことがたくさん残っているのも悪くない。いつか行きたい。

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雪柳は水際が相性が良いのだろうか。雪柳の景色といえば京都鴨川沿いを思い出す。

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枝垂れ。桜は色は濃くてもこのぐらいの色までが好み。これぞ桜色というか。

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水鏡桜。空がすかっと青ければ最高だったのだが仕方ない。水があれば桜が倍量。

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そして菜の花と桜。なんだか春の陽気が感じられそうな光景。

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芝桜は桜と呼ぶには色が強すぎる。これはこれで綺麗だが、淡い桜色の芝桜が品種改良されたら面白そうなのだがな。


今年も桜は終わり。また来年。

来年は流石にコロナ禍も収まってるだろうよ。流石に。

ハオルチア・オブツーサの為の鉢

 

「器は料理の着物である」と言った。

 

植木鉢は多肉植物の着物であると言いたい。多肉植物本位の陶器鉢を作りたい。

 

オブツーサの粒々と透明感がイクラや葡萄であるかのように盛り付けられた高台鉢。

 

 

ガガイモの為の鉢。

メセンブリアントイデスの為の鉢。

こけしの為の鉢。

 

温室解体 多肉仙人掌植替え記録

3月28日、温室解体。

日中に20℃を超える日が増え、さすがにもう最低気温が5℃を割り込むことはないのではないか。温室解体日を記録しておく。

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すっきりと並べるつもりだったのに気づいたら隙間なく鉢が犇めきあってしまった。

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径の大きな鉢が多すぎる。径の小さな筒型の鉢を作って順次植え替えていきたくなった。

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サボテン群は吊り鉢が焼き上がったら順次植え替えていこう。

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新しく作る鉢に植え込むことを想定して育てている多肉植物群。エケベリアグラキリス鉢に、「神刀」や「墨こけし」は陶蟲夏草鉢に植え込む展望。

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植替え待ちリスト

旅人山羊鉢 アロエ「ラウイー」

大山羊鉢 

グラキリス鉢 エケベリア6鉢

瓦礫角鉢 「仙人の舞」

「ビアホップ」

「ガガイモ」

「墨こけし

「メセンブリアントイデス」

「九頭龍」

筒塔型鉢 「ホリダ」「千波万波」

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オプンチア「姫将軍」がしばらく発育が悪くカイガラムシに襲われていたので抜いてみると根詰まりしていた。しかもキュウリのように曲がっている。根を整理して植え直すことにした。

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パキポディウム・デンシフローラムも根が詰まっていたので植替え。10年経つのにほとんど大きくならない。

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ここ数年、殆ど伸びていなかったものな。

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我が家の御神木「碧瑠璃鸞鳳玉」。図ると56cmあった。

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根を切ったのが刺激となってまた成長してくれるだろうか。1日乾燥させて同じ鉢に植え替える。


植替え終了リスト

済 コンクリート鉢「碧瑠璃鸞鳳玉」

済 黒火焔土器 「デンシフローラム」

済 縁環波紋 「姫将軍」

済 吊り鉢 水受付 「琴糸丸」

済 吊り鉢 大鎬「翠晃冠錦」

済 吊り鉢 面取り「眠獅子」

済 吊り円錐鉢 「王冠竜」

済 吊り鉢 迷路鎬「ワインガルチア」

済 吊り鉢 斜鎬 「白星」

済 柱サボテン鉢 「希望丸」

済 瓦礫鉢 「乙女心」

済 裃山羊鉢 「薄氷」

済 風船山羊鉢 「クリスマスキャロル」

済 黒土筒鉢 エケベリア綴化

済 陶蟲夏草 大黒黄金 「黄麗」

済 陶蟲夏草 象虫 「虹の玉」

済 陶蟲夏草 芋虫 「銘月」

済 陶蟲夏草 団子虫「七宝樹錦」

済 陶蟲夏草 金蚉 エケベリア

済 双頭山羊鉢 「ディソアンシー」

済 豆鹿頭骨鉢 「翡翠殿」

済 羊歯絵鉢 「アローディア」

済 親子合作三脚鉢 「日出丸」

済 扁平半円鉢 「白桃扇」「初日の出」

済 コンクリート鉢大 「紅鳳丸」

済 コンクリート鉢 サボテン「王冠竜」

済 コンクリート鉢破 サボテン「白鳩丸」

済 白チタンマット鉢 コチレドン「カンパニュラータ」

済 ストーンアート鉢 「ゴーラム」

 

サボテンの還元落とし焼成陶器吊り鉢仕立て

焼き上がった吊り鉢に多肉植物を植え込んでみた。

 

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これが一番気に入ったかもしれない。この斜鎬吊鉢には「還元落とし焼成」による炭化効果はあまり出ていないが、少し赤や黄色のニュアンスのある陶肌で植物も引き立つ。これにはエスポストア「幻楽」を植えた。

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鉢のサイズが株に丁度良い。無事に根付いてくれることを願う。こちらは軒下で強光下に当てて育てていきたい。

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 迷路鎬鉢にはワインガルチア「花笠丸」を植えた。「花笠丸」はどうやらそこまで真夏の強光に強くはなさそうだ。

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大鎬吊鉢にはギムノカリキウム「翠晃冠錦」を植え込んだ。赤い錦の良株だ。ギムノカリキウムは水分を欲し夏の強光には日焼けしてしまう品種なので配慮が必要。 

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 そして面取り吊鉢にはテロカクタス「眠獅子」を植えた。まだ小さな株なのだが直径10㎝ほどの株に育つと表面の起伏がとてもユニークになるので成長を期待している。比較的陽射しには強いらしい。

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夏の強光を避け遮光して管理したいサボテンを眠獅子を最上段にして3連にまとめた。上下のバランスが悪い。奇麗な組紐で繋げたらもっとバランスよく纏められたのだろうが風雨にさらすと紐だと数か月で劣化して切れてしまいそうなので色付きの針金を使ってみた。陶器とサボテンが地味なのであえて明るい青にしてみたがどうだろうか。

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 こちら浅く広い吊鉢にはフェロカクタス「王冠竜」の三頭仕立て。真夏の強光にも風雨にも耐性の高いサボテンなのでこちらは完全に野ざらしざらしにしようかと思う。

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水受皿付吊鉢にはマミラリア「琴糸丸」を植えた。こちらも真夏の強光には強い品種なようで、「王冠竜」の下に配置することで多少の日除けにもなる。

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こちらの2連鉢は陽射しの強い場所で頑張ってもらおうかと思う。梅雨の長雨と冬の強風だけ要注意。野ざらしにするならば水受けを付けたのはあまり意味がなくなった。

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おまけに自立できない形状の鉢も作った。最も炭化効果の奇麗に出た深鉢。

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こちらには通称タコモノと呼ばれるユーフォルビア「九頭竜」を植えようかと思う。プラ鉢のままでも丁度良く嵌ったので、しばらくこのままでも良いかもしれない。

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まだ春の雨は冷たいのでもう少し暖かくなるまでバルコニー下で水遣りは少なめで待機。吊鉢が増えて空中庭園さながらとなってきた。遠目にみるとやはり斜鎬の鉢が面白味がある。これと似た鉢をもういくつか作ってみようか。

還元落とし 焼成実験結果

工房で普通の還元ではなく、還元落とし焼成を実験的に行うらしい。冷却還元とも炭化焼成とも呼ばれ、一定温度まで冷ます間も窯の中を還元状態を維持して釉薬表面や焼締部分に炭素を定着させる焼成方法だそうだ

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土の中では最も鉄分の多い赤土4号を用いて器を作った。


釉薬

左下の漏斗鉢に一号透明釉。最も基礎的な釉薬で還元落としの効果を見てみたい。


左上の鎬鉢も一号透明釉。こちらは鬼板がどう表出するのかを見てみたい。


真ん中には緑青銅釉。酸化焼成だと緑色に発色する銅釉だが、還元だと青系に発色するらしい。鮮やかな青ではなく、深く滋味のある青がひょっとしたら出てくれるのではないかと期待している。


右下にはしぶ柿釉。焦茶色系統で面白い仕上がりになればと期待。


右上にはトルコ青釉。釉の対流、ムラ、流れが出てくれることを期待。


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全てが実験となってしまった。期待の窯出し結果は以下の通り。

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緑青銅釉が釉薬見本帳だと青系に発色するとあったのだが、何故か伊羅保のような黄色がムラになって発色。もっと厚掛けすると青が出るのだろうか。


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殆ど焼締なのだが鎬の中にだけ緑青銅釉。赤が出たり黄色が出たり。焼締表面の炭化効果は殆ど確認できず。


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マグネシヤ釉をスポンジで塗ったもの。もっと弱く発色して欲しかったがこちらは薄くなったのに白がしっかりと出ている。


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炭化効果が最も期待された一号透明釉薬の薄掛けだが燻したような炭化効果は現れず。


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同じく一号透明釉薬を薄いドブ漬けしたものだが、こちらは炭化効果が出て陽にかざすと金属光沢が見える。ドブ漬けした上で穴から垂れて厚く掛かった部分が白く発色している。この僅かな厚みの差を把握して薄掛けできるようにならないといけないわけか。


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渋柿釉は霞んだ灰色に発色。全くもって予測が立てにくい。鉄釉全般がこのような傾向になるのだろうか。もはや酸化でも還元でもない第3の色見本が必要な還元落とし。


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そして理解に苦しむのだが、最も還元落とし特有の燻し効果が現れたのがトルコ青釉のドブ漬け。青銅釉なのに鉄分の燻し効果が最も出た。


予想の斜め下の結果になった還元落とし焼成。工房の他の人達も若干不本意な結果だったようで、また再度挑戦するつもりだという。私も再実験したい。


コロナ孤独 桜が散れば紅葉が芽吹く

我が家の紅葉は今年も予定調和的に美しい姿を見せてくれる。

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爪紅特性のある京都の南禅寺清水寺大徳寺などから採取した実生の伊呂波紅葉。


最近、友人と全く会っていない。会社の同僚とも飲みに行っていない。社交性が押さえつけられた時期が続くと侘しく思う機会が増える。自分がいてもいなくても他の人にはさほど不都合がないことに気づいてしまう。実際にはその通りなのだろうが、昔は人と触れ合うことでそう感じずに過ごせていたのだろう。

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乙女桜に青柳。


リモートワークだけになると実態・実体への実感が湧かなくなり、それこそ給料をもらうために作業をしている感覚になる。対人的動機が弱まってしまうとでもいうか。


例えば官公庁や企業の出世争いや社内政治。あれは完全にリモートワークになれば無くなるか相当減るのではないか。示威行為やマウンティング、羨望や嫉妬、競争心などは対人環境と衆人の目がないとなかなか起きないように思う。

リモートワークになれば組織内の我欲は減って職務に専念するようになるのではないか。それとも間接的な動機が減って成果は落ちるようになるのか。

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鴫立沢。


家族と一緒にいるから救われる。子供達は私を必要としていて、私と妻はお互いに子育てのために必要としていることを一緒に暮らしていると実感が湧く。家族と一緒に暮らすことで自分にも存在意義という不確かなものがあることを信じるよすがになっている。


大学進学で地方から上京したり、就職で上京したりする人が多い時期だと思う。東京のような大都会で人との繋がりを持てないと深刻にしんどい。コロナ禍で孤独が加速する。経済被害、物理的健康被害だけでなく心理的被害はいかばかりか。皆が繋がりと居場所を見つけられていることを切に願う。