マンゴー祝7歳

マンゴーが7歳を迎えた。


犬においては7歳からシニア。食事もカロリーと脂質の低いものに変え始める目安とされている。

人間でいえば65歳。まだ老犬と言うほど老いは目立たず、走れるし元気だが、体の気遣いは必要になってくるといったところか。


子供が二人産まれてからはすっかり後回しにすることが多くなってしまった。子供を二人、外に連れ出すことで精一杯。マンゴーは留守番してもらうことが多かった。


都内に引っ越してからは、真夜中に存分に走らせられる空地は近くに無くなってしまった。山に低山登山のお供に連れて行くことも難しくなった。何せ、東京近郊の山は登山客が多く、山に犬を連れて行くことに対してマナー違反と見做されている。糞を持ち帰らなかったり、歩道を外れて山に入らせる飼主が多かったからだそうだ。


外に連れ出す頻度が減ったことに対して少しばかり罪悪感がある。


新居は犬の為にかなり一般よりも勾配の緩い階段にしたし、家の中を縦横無尽に走り回ることはできる。室内犬ではあるので、最低限な環境は整えたとは思っている。


玄関と食堂の間に大正時代の建具が嵌っているのだが、マンゴーは注目を集めたいときにその建具をガタガタと鳴らす。飯が欲しいか、散歩に行きたいか、膝の上に乗りたいか。年を経て甘えるようになってきたと思ったが、単に普段から構ってやる頻度が減ったからかもしれない。

息子がもう少し大きくなれば秋川などに一緒に川遊びに行ったりできるようになるのではないだろうか。

シュワルツカッツ

もともとはアンティークショップの倉庫だったそうな。天井から壁から所狭しとモノが飛び出している玩具箱のような店。


そして置かれているモノには東欧の香りが漂う。ハンガリールーマニアチェコとかそこらへんの少しバロックで陰のある感じ。口髭を蓄えた渋いマスター曰く、チャップリンの頃までのアメリカは良いけど、それ以降はねえ。やはり東欧のアンティークが好きなんだよね、とのこと。他の客のいない時間に、マスターと雑談していろいろとマスターの半生を聞いてみたい。


おこもり感のあるソファ席やクラシックな食卓、さらには階段箪笥を登って上がるロフト席まで。3歳児には程よいワクワク感のある店かもしれない。


見掛けに騙されてはいけないが、美味しいハンバーグで有名なのだそうだ。焦がし玉葱だとか、ブルーベリーだとかソースが選べる。スープもサラダもついてきて1800円。



ほろほろと崩れる食感で肉汁が溢れて美味い。なるほど。テレビやら雑誌に取り上げられるだけのことはある。カフェのような店構えだが、食事が主体の料理屋さんなのだな。いかんせん、内装の個性が強すぎてバイアスがかかる。他のメニューも試してみたい。ビールはピルスナーウルケルなんていう東欧チェコの名物ビールも置いてある。



これだけモノにあふれながらも清潔感は損なわれていない。



なんと他のお客さんさえ構わなければきちんと躾けられた犬ならば連れ込むのも良いそうだ。マンゴーは一応合格らしい。それでもって22時まで営業しているし、珈琲も400円だから夜散歩の中継地点に好都合。犬散歩のコースが一つ増えた。


・モノにあふれた雑多な空間の安らぎ
・夜にしっとりと薄暗い店で珈琲を飲んで寛ぐもよし
・名物のハンバーグを食べに子供を連れてきてもよし
・マスターが気さくで渋い
・アンティークに溢れているがカビ臭くない。これは重要。


[月〜水・金〜日]
11:30〜22:00
定休日 木曜日
ただし店主が病気をしたのでFacebookで営業しているか確認したほうが良い。

シェパーズ パース

ぺんぺん草という名のカフェ。







店の奥は、年がら年中ずっと薄暗い落ち着く空間。
プロヴァンス風というやつなのだろうか。自らの家をこんな風にすることはないだろうけど、気分転換にこういう場所が街中にあるのは有り難い。


古びて角の丸まった家具。
錆びた鉄の黒錆色。
擦り傷で少しぼやけたガラス。
壁の白。
彩度の低い空間。


和のレトロカフェでも構成要素は同じだな。19世紀の素材で空間を作るということなのかね。難を言えば教科書やデザイン家具雑誌の模範例のような作り込まれ具合でもう少し遊びというか外しがあったほうが楽しい。こういうスタイルが好きな個人が作り込んだというよりも、商業的にこのジャンルのカフェとして作り込まれた感があるのだよな。


ガラスドームにサボテンを室内に取り込みたい。


案外、朝の11時から営業している店というのは少ない。店外のテラス席では犬連れで食事や喫茶もできる。利用価値は高いかもしれない。

Coffee Amp改装


Ampが新装開店していた。


店の奥の焙煎スペースがかなり広くなっており、店内の席が大幅に減らされていた。珈琲を飲むなら周辺に珈琲屋は沢山ある。豆を買ってくれる客に主眼を置きたいということなのだろう。


幸いなことに、店頭のテラス席は残されていた。犬連れで利用できそうだ。

ホノホノカフェ再訪

前回、前々回に訪れた際には何の変哲もない可も無く不可もないカフェだと思っていた。単にルック商店街中程に他の選択肢に乏しいから入るだけかと。


今回、乳幼児2人を連れて二階の席を初めて利用したのだが、このカフェの真価は2階にあると知る。



古民家カフェが一つの売りだが、1階にそもそも古民家の風情はなかった。1転して2階は板間にローソファ、古びた調度品の古民家の趣がある。



2階の一角には座敷がある。ラグも清潔そうで乳児を床に降ろすことに抵抗を感じさせない。子連れにはとても有り難い。



窓際には対面に向かい合った2人席がある。窓からは道向かいの雑貨屋の壁を伝う蔦や蔓が紅葉や枯葉の豊かな表情を見せる。塗料の禿げた窓枠。室内に吊るされたランプ。道の往来が見えないように板戸の目隠しを設け、手前下には花壇を置いている。道向かいの壁の借景と相まって実際以上の視覚的な静けさと落ち着きが感じられる。



座敷が空いているならば子連れで食事をするのに良い。


独りで空いた時間に窓際の席で本を読むなり、ぼうっと考え事をするのも気持ちが良さそうだ。

大口真神

wikipediaより
真神(まかみ)は、現在は絶滅してしまった日本狼が神格化したもの。大口真神(おおぐちまかみ)とも呼ばれる。


真神は古来より聖獣として崇拝された。大和国(現在の奈良県)にある飛鳥の真神原の老狼は、大勢の人間を食べてきたため、その獰猛さから神格化され、猪や鹿から作物を守護するものとされた。


人語を理解し、人間の性質を見分ける力を有し、善人を守護し、悪人を罰するものと信仰された。また、厄除け、特に火難や盗難から守る力が強いとされ、絵馬などにも描かれてきた。しかし時代が流れ、人間が山地まで生活圏を広げると、狼は人と家畜を襲うものだという認識が広まった。そして狼の数が減っていくにしたがって、真神の神聖さは地に落ちていったという。



御岳山には日本武尊ヤマトタケル)が東征の際に御岳の邪神の妖霧に道を見失った際に白狼に導かれたという伝説が残る。また、その際に国家鎮守の為に着用の鎧をこの地に蔵したことから武蔵という国名が生まれたとされる。そんな背景から秩父奥多摩には神犬信仰があり、大口真神を祭る神社が数十あるという。



西国三十三箇所よろしく、神犬巡礼幾十箇所として整備してみてはどうだろうか。愛犬家を多く奥多摩秩父に招くことに繋がらんものだろうか。満願に何か特別な札や祈祷が授けられたならば日本人の蒐集心を刺激しそうに思う。


食中りの厄除けと菌封じに元三大師や悪魔降伏の札、更には大口真神の札まで冷蔵庫に貼ったらいよいよ邪教崇拝者じみてきた。ルーマニア人からは何の質問もなかったが触れてはいけないとでも思われただろうか。

高尾山よりも御岳山

・新宿から電車で1時間10分、バスで10分の近郊
・講で賑わった巡礼の地
・茅葺の家屋が散在
・犬連れに優しいコース
・狼を祀る武蔵御嶽神社
・お務めや座禅に参加できる宿坊
・運良ければ雲海が見える
・整備された登山道
・滝行も可能
・滝や神代の杉など変化に富む
・極め付けは美麗な苔景色




心身ともに疲弊した際に愛犬を伴って逃げ込むのに覚えておきたい場所。4時間程度のコンパクトな道程にとても沢山の要素が詰まっている。ロックガーデンの苔を目当てに直行して数時間放心して帰れたら最高だろうな。



バス停ではあれだけ混んで行列を作っていたのに、いざ山に入れば人も疎らとなる。



山上の宿坊街は雲が出ると雲上に浮かんだ集落のように見えるそうな。雨天の日は秘境気分が味わえるのか。


七代の滝壺の付近で昼飯を取ったが開けていて、気持ちが良かった。ロックガーデンで食べるのも良さそうだ。



何よりも横たわった巨木を覆う苔がなんとも美しかった。




日本の神社参拝文化や日本の植生の紅葉の美しさなどが取り合わさっているので、日程に余裕のある外国人旅行者の東京からの日帰り旅に良い。高尾山が混み過ぎて逡巡している人に最適か。