魚魚鈴

前夜に急遽思い立ち、翌朝8時過ぎに家を出て三重の白子漁港まで新名神高速を車で飛ばした。目当ては「魚魚鈴(ととりん)」という魚の直売所。見る限り、観光客は少なく、地元周辺の人達が日々の食材を買い付けにくる感じだった。


「魚魚鈴(ととりん)」では魚食の普及を掲げて非常に良心的に市価よりも安い値段で朝揚がった魚を小売販売している。9時半開店なのだが、10時頃には既にレジに長い列ができていて、昼前にはめぼしいものは全て売り切れてしまう勢いだった。



左がカワハギ、右がウマヅラハギ。別名は左が丸ハゲ、右が長ハゲ。こうして並べられると違いは一目瞭然。禿げだの馬面だの、美味しいのに散々な言われよう。両者では断然、長ハゲよりも丸ハゲのほうが美味い。四尾で230円。淡路の魚市場では同等の大きさのカワハギが四尾で400円だった。



小鯛の鮮度の良いこと。目にはまだ力が宿っているかのようで今にも飛び跳ねそう。これが8,9尾乗って驚きの120円。



なんとも容姿が美しかったのが赤鰈。目玉が反対側にあるものだから、一見、目の退化した魚のように見える。腹側を見せて売るものらしい。二尾で180円。



赤と黒の体色が濃いままであることが鮮度の証であるするめ烏賊。こいつもグリルで醤油焼きにしたかった。



車海老科のブラックタイガー。輸入品かと思いきや、国産表記。養殖なのだろうか。立派な大きさで一尾90円。



購入したのは以下の通り。金額はうろ覚えだが、誤差が気にならないほどどれも安かった。
赤鰈 2尾 180円
的鯛 4尾 120円
カワハギ 4尾 230円
芝蝦 一皿200円
螺貝 一皿200円
赤烏賊 一皿200円
ブラックタイガー 2尾180円
もずく
わかめ
しらす


購入したのは合計1600円もしない程度ではないか。スーパーにはなかなか並ばない食材が鮮度良く売られているのがうれしい。特に芝蝦や的鯛、赤鰈なんかは漁獲が減り今や高級食材になってしまっているにも関わらずなんとも求めやすい値段。この値段だったら、失敗するリスクをとってでも家で自分で調理してみようかな、と手を出せる。そしてそれが期待を超えて美味しいので、「また次回も」と思わせるのだから「魚食」推進の成果は十二分。



鬼鱚がなんと七尾も乗って120円。一尾が20円もしないだなんて、駄菓子のレベルではないか。天麩羅にすると美味いらしいが今回は断念。



何の魚かわからないと市場の人は言っていた。体色と鱗の特徴からすると舞鯛の小さいやつではなかろうか。成長して平べったくなると舞鯛らしくなるではないか。10尾以上で120円の破格。冬の舞鯛ならば鍋に入れると美味いらしいが。


他にも本マグロが一柵で500〜800円
穴子が一尾260円
海鼠が一匹300円〜400円


石川産の寒鰤も入ってきている。一本6800円は安いのだろうけれども、素人ではどうしようもない大きさ。一方で三重産の寒鱈が一本2800円。鰤よりも随分と安い値段。大勢で鍋を囲む予定があって、尚且つでかい出刃包丁と捌ける友人がいたら、こいつを買上げて鱈鍋宴会なんてのもたまらんだろうな。


折角鮮度の良いものを買っても鮮度が落ちてしまってはもったいないので1,2日で食べられる量に留めざるをえず。穴子も小鯛も鬼鱚もするめ烏賊も海鼠も本当は買いたかったのだが。夏場には蝦蛄や緋扇貝なんかのなかなか購入機会の少ない海の幸が売られるらしい。三重方面に行った際にはまた寄ってしまうだろうな。


バーゲンでワゴンセールに群がる主婦の興奮がわかった気がする。


鈴鹿市漁協直売所「魚魚鈴(ととりん)」
住所:三重県鈴鹿市白子1丁目6277-3(白子漁港内)
TEL/FAX TEL:059-380-5500
営業時間 9:30〜15:00まで
定休日 毎週水曜日
駐車場 あり