マンゴー、心して聞いてくれ。実はな、おまえもうすうす気づいていたかもしれないが、俺はおまえの実の親父ではないんだよ。。。。
マンゴーは無言で尻尾を振っている。
うむ。悪ふざけ。
考えてみたら、飼犬って大概は生みの親と育ての親は違うものな。野犬の群れでないかぎり、特に父犬は交配時だけに母犬と会わされているもので、子犬は父犬とは全く面識がないのが常となる。
父犬と会わせた場合、マンゴーは臭いか何かで相手が血縁者だと認識するのだろうか。そうは思えない。
人間とて血の繋がりなんてものは知らなければわからない。自分の両親が生みの親だと頭から信じているが確認したことはない。殆どの親子関係において実の親かどうかは子の頭の中の認識と思い込みでしかない。仮に実の父親が異なろうと知らなければ幸せなケースが殆どなのではないか。それにも関らず、いざ血の繋がった親が別にいるとわかるや、人間はこうも心乱される。血の繋がりとは何なのだろうね。
