毘沙門堂

山科駅から北に1kmほど歩いたところに毘沙門堂がある。どこかに行く途中にふらりと立ち寄るようなところではない。よっていつだって人は少なく、静かな寺のようだ。



長い石段を登っていく。



ようやく登ると、さほど広くは無い境内の左手には年季の入った藤棚がある。5月に来たら立派に咲く様が見られるかもしれない。毘沙門堂には逆遠近法で描かれた屏風があるそうな。目の前を左右に移動しながら見ると、机が動いて見えるとのこと。そのうち見に来よう。



夜叉や羅刹といった鬼神を配下とする武神でもあり、北方を守護する十二天の一尊、七福神の一神でもあるといったように、様々な顔を持つ毘沙門天。知らなかったのだが、四天王の一尊として祭られる際には「多聞天」、独尊として祭られる際には「毘沙門天」と称されるのだとか。




左手には、長く続く坂道があり、頭上を幾重にも紅葉の葉が覆う。秋には紅い絨毯となる紅葉の名所らしい。誰も来ない早朝に、誰も踏みしめていない紅い絨毯を歩きに来てみたい。今から楽しみである。



寺の周りの道路には車に轢かれた百足の屍骸があちらこちらで見かけられた。そういえば、百足は毘沙門天の使いと言われていることを思い出した。不思議なものだ。


八坂に行く前に毘沙門堂を訪れたので、参拝した後に御朱印帳を買い求め、記念すべき1頁目に御朱印を頂いた。京都寺周りを始めよう。