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水鏡面の睡蓮

もともと仏教の経典では蓮ではなく睡蓮を取り上げていたらしい。それがいつからか蓮にとって代わられて現代に到ると。


睡蓮は英語を直訳すると水百合。睡蓮と蓮は種属としては大きな隔たりがあるらしい。一般的には蓮は水面上に葉が立ち上がるが睡蓮は水面に浮かぶ。蓮の葉は撥水するが睡蓮の葉は撥水しない。蓮の華は咲き終わると花弁が落ちて花托が残るが、水連の華は閉じて水面に沈む。そんな違いがあるらしい。


睡蓮は葉が一面に広がる中から華だけが立ち上がる。華も葉も立ち上がり森のように立体的な群生を形成する蓮に比べると睡蓮は至って平面的だ。



水面に映った華の色は実物を直視した色よりも深く魅惑的だった。光が水に反射する際に何がしかの波長が反射されずに吸収されるのだろう。水面下にある鏡面世界は不思議な色彩を帯びているらしい。睡蓮の魅力を引き出すには上から見下ろすのではなく、ここの睡蓮池のように視座が水面に近い高さになるようにしたほうが良いようだ。反射した姿が見えるほどの水面の広さがあり、かつ目の高さに睡蓮鉢を置くとなると容易ではない。でも睡蓮を愉しむには一番のように思う。



葉の間から妖艶な華首を水面下に立ち上げ、咲き終わると水面下に沈んでいく。蓮が聖なる仏華だとしたら水連はどことなく蠱惑的な華だ。



草津市立水生植物公園みずの森
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