伊東 有形文化財木造三階建の宿

ルーマニア友人カップルを連れて伊東へ。


泊まるのはお気に入りの、昔は「いな葉」と呼ばれ今はゲストハウスとして営まれている有形文化財登録の宿。やはり、ここは値段の割にお値打ちだ。



木造三階建てに楼閣の乗った純和風な作り。入り口の銅板葺きの破風屋根は豪勢で写真映えがする。海鼠壁も、竹垣も、欅の階段もどれもこれも美しい。知識で知っている日本人ですら実際に目の当たりにすると感嘆するのだから、こんな様式を知らない外国人からしたら刺激的だろう。



10月中旬の伊豆は気候がこの上なくちょうど良い。暑くもなく、寒くもなく、風呂でのぼせた体を冷ますのに、窓を開けて涼風を感じるだけで最高の癒しになる。



風化して凹凸が強く出た杉板の木目を素足の裏で感じながら、せせらぎを聞き、川を時折流れてくる枝やら落葉した桜の葉なんぞをぼうっと目で追う。


我が家で再現したいのはこの感覚と環境なのだよな。



バルコニーに足りない要素は何だろう。白木の建具は嵌った。風も通る。盆栽のような和のシルエットか。いや、ぼうっと眺める動きのある何かのような気がする。


川面を流れる葉や枝は再現しようがない。鹿威しのような反復性の動きのあるものも良いが、これも難しい。


となると睡蓮鉢に金魚を放つことか。FRPで防水施工され、排水口も備えているバルコニーだ。幸い、二階に置けば猫も侵入できないので網を張る必要も無い。念願の猫を気にせず丹頂や琉金を飼える環境が整ったのかもしれない。エアレーション無しでいけるだろうか。水の交換はそのまま植木への水遣りに使えば良い。