栗の仕込み


秋らしいものを食べたくなって、石川産の栗を買ってきた。丹波産は高すぎて手が出ない。となりには中国産の剥き栗が売っていたのだけれども、中国産は冷凍保存品か、旬の出なのかようわからんし折角だから国産栗を仕込むことにした。



イガ栗が取り除かれた状態のを買ってきたので楽だと思いきや、まず鬼皮を取らないといけない。これがえらく固いので、数分茹でてから包丁で格闘することに。とったと思いきや、渋皮という毛羽立ったものが出てくる。これをさらに取らないといけない。



ようやく半時間かけて皮を剥き終えた。綺麗にはがすと表面は胡桃のように凸凹しているのだが、和菓子の栗や剥き栗の表面は多面体のように角ばっている。包丁でザクザクと身ごと皮を削ぎ落としているからなのだろう。そんな丁寧にやっていては数を仕込めないものな。


これを水に一晩漬けて明日の栗御飯にする。中国産の剥き栗を炊飯器に放り込んで炊き込めば栗御飯なんてあっという間だ。昔はこのイガ、鬼皮、渋皮を剥ぐ手間が必要だったからこそ、労力の果てに得られる栗御飯の味は格別だったのだろう。


今頃、京都の料亭なんかでは若い見習が大量の栗を仕込んでいるのだろうか。ご苦労様です。外で食事する際に国産栗御飯が出てきたら、一層の感謝の念を抱いて頂けるようになるだろう。