近現代美術10万点以上を収集し展示しているというポンピドゥーセンターの国立近代美術館に行ってみた。近代美術、造形、デザインに関しては欧州一の規模の美術館と聞いて一度は行きたいと思っていた。
一目でわかるジャクソン・ポロック。確か彼の作品は220億円ぐらいするものまであったのだっけ。
抽象表現主義。ペンキ缶から床に置いたキャンバスに垂らすように描くドリッピングアート。わからんな。
「初めてこのような表現を世に送り出したから」という歴史的な価値や当時の新規性を取り除いて純粋な表現そのものとして見たとき、皆が美しいと心を動かされるのだろうか。
足を止めて魅入る作品は少なく、広大な館内をスタスタと歩いて回る。14€の入館料すらもったいないと感じるとは思わなかった。
美術高校の卒業制作にありそうな作品が多いな、と思ってしまった。着想や表現の新規性や社会的メッセージにおいて素晴らしいものばかりなのかもしれないが、同時に似たものを作りやすい表現ばかりとも思える。美術の嗜みのある人からすると、模倣品との間には雲泥の差を見て取れるのかもしれないが私にはわからない。
私は「そこらの凡人には簡単にはこの造形は生み出せないぞ」という技術の積み重ねの上に成り立つ作り込んだ美が好きなのだと思う。
結論。現代美術のうち、とりわけ抽象系はわからない。良さがわかるようになる日は来るのだろうか。