多肉植物収集家の悩みに答える省スペースの試み。

多肉植物や仙人掌にのめり込むと、容易に50鉢、100鉢と増えていく。我が家でも70鉢は超える。


住宅街に住むとなると、春秋は陽があたり夏には適度に遮光したいような生育に適した条件の場所など家には限られている。


自然、条件の良いところには鉢が埋め尽くすように並び、それぞれの株を鑑賞できるように並ぶことなどできなくなる。倉庫の陳列のようになる。


果たして、もっと装飾的に沢山の株を鑑賞できるように置く方法はないものか。

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一つの答えが上に伸びるように箱を積み重ねたかのような立体的な植木鉢。6株を1株分の底面積で収容することができる。一番上の箱から中を伝って下の箱まで水が抜けていき、一番下の箱に水が溜まる。


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もう一つの答えが吊るすこと。結局、下から上に積み上げるか、上から下に吊るすかして立体的に空間内密度を高めるしかない。


こんなものが長短、ベランダにぶら下がっているのも悪くない。一番上に水を入れる漏斗、一番下に水受けを吊るしても良いかもしれない。

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月兎耳

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十二の巻

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姫春星

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十二の巻


もっと薄く、細長く作り、軽量化した中に軽量土を入れたら六連ぐらいは吊るすことができる。要改良。


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ハオルチア オブトゥーサと桜吹雪。

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逆光に透かすと綺麗なのだよな。

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青雲の舞。


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珠珠姫。

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5月の緑道、ジューンベリーと実山椒の収穫

5月が終わる前に記録しておく。

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朝倉山椒は今年はなかなかの豊作。この後、山椒は黒揚羽蝶の幼虫の食欲に丸裸にされてしまうだろう。

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100gほどの収穫。これをアク抜きをし、佃煮にする。

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茶色に塗りなるまでクタクタに醤油で煮込まず、浅く煮た。醤油のしょっぱさが抑えられる分、山椒の味を楽しめるものの、保存は悪いのだろう。まあ、自家消費なので問題はない。

水には1時間半ほど浸した。半時間で良かったのだろうが、単に放置しすぎた。半時間ならばもっと辛く作れていたかもしれない。

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これを播磨の友人のお祖母様が作って毎年送って下さるイカナゴの釘煮と合わせると、、、絶品。山椒の実を食べた後に舌が痺れる刺激は、普通の感覚からしたら相当危険毒物を思わせるものだろうに、これを珍味とした昔の人の胆力はすごい。


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ジューンベリーも昨年の倍量は収穫できたように思う。樹勢が増したからなのか、気候的な要因かはわからない。数年の記録を見返したらパターンが見えてくるだろうか。

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実に対して砂糖30%ほどの低糖ジャムにして食べる。皮も種も漉さずに食べて全く問題なし。

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原種に近い山紫陽花。花は派手ではないのだが、僅かにつける花弁の滲んだ色合いが好きだ。まるで紫に青を垂らし込みで滲ませた塩梅。

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なんだろう、これ。

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七変化。


東京都心に暮らしていると、自然や土、四季との触れ合いという点で不便極まりない。朝の散歩に家の裏手から松茸すら生える京都東山、九条山に登れた昔が懐かしい。


それでも僅かでもこうして何かを収穫して頂くと季節が感じられる気がする。



選に漏れた鉢と多肉たち。

カフェに飾りたい植木鉢を選んで持っていってもらった。選ばれなかったものの、私としては気に入っている鉢を一部、記録写真を撮った。数年後に樹形の育ち具合の変化を振り返ると懐かしくなるし、枯死していると寂しくなる。

子供の写真と違い、意識しないと植木鉢の写真など滅多に撮らないから。

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懸崖のようになりつつある「マサイの矢尻」。円形に葉が開く様は花火のようでもあり、楽しいと思う。

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背景が暗くても、面白い。懸崖型は置く場所に困るのは事実。通路にはみ出していると、引っ掛けて惨事となる。

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逆光に光が透過すると葉脈が綺麗なんだがな。この魅力に家人に気づいてもらえるように置くことはとても難しい。


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これも選外。土肌がのっぺりしないよう、もう少し色むらや景色があったら良かった。白の二重丸と、横から生える意匠は気に入っているのだが。

そろそろ日光の向きを変えて、枝が下に向かいながら鉢にふんわりと巻きつく方向に伸ばしていきたい。10年後ぐらいにはかなり面白い懸崖型に仕立て上がるに違いない。


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これぞ触手系多肉「緑塔」。先がぽわっと緑に光って見える。緑蛇よりも繊毛感があって触手ぽい。


多肉植物を逆光で透かして楽しむことができるディスプレイセットアップも考えられるかもしれない。


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アロエ。地味すぎる鉢がこの株の魅力を引き出せていないように思う。黒で引き締めるか、植物に彩度が乏しい分、鉢を鮮やかにするか。


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伊羅保喇叭鉢に「白樺麒麟」。枝ぶりが暴れてて収まりが悪いのは認める。すんなりと株と鉢が合わない。

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マミラリア「白星 」。半球群生株はこれしか持っていない。「小人の帽子」や「月世界」の巨大半球群生株は多肉仙人掌愛好家の多くの夢だと思う。

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素焼きを割り砕いてくっつけて焼いた鉢。その手間と苦労が全く効果として実らないことを教えてくれた。エケベリアの品種名が思い出せない。



白筒重ね鉢、市松、岩壁、鹿シルエット、辰砂マンガン流し、瓦礫鉢

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これも初期の頃の作で水受けがあるので室内、とりわけ仕事机の周りに植物を置きたい時に重宝している。

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背景が暗いのもいい。縦横のバランスが「エケベリア」にうまく合わせて作れたと思っている。

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8年ほど風雨に晒されて貫入が入ってきた。陶器にとっての生体認証、指紋のようなものだ。貫入が入っていくのを「器が育つ」と言ったりもするが、汚れと見るか、風情と見るかはその人次第。私はやはり、「おお、育ってきたな」と思ってしまう。

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市松塗り分け。植わっているハオルチア「旧氷砂糖」は本来は爽やかな黄緑色と透明な窓を持つのだが、この株分けしたやつはまだ冬仕様。これから根を張り肥えていってくれるはず。


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なぜだか案外、反応が良い鉢。植えたのは「姫春星」。作り手には余った土を使い切るために作ったような設計意図のない無造作な鉢も、人によっては面白く感じてもらえるらしい。礫砂漠や乾燥地帯に生える仙人掌や多肉植物ジオラマ展示みたいなものか。

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副産物として定期的に作り続けていくと思う。

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苔に「緑蛇」を植えたら爽やかな一鉢となった。焼成時に隣に置かれた作品の影響か、土肌に緋色が出た。こういうのは意図して再現できない。

緑蛇が重力に抗いながらのたうちまわって育ってくれると楽しい。

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鹿の角がほぼ一周している。似たやつをもう一つ作ろうか。


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辰砂にマンガンを流した小鉢に「明日香姫」。肩の角ばった鉢が定期的に作りたくなる。垂直面ばかりになりがちな植木鉢で平面を見せられる点で好きな形状だ。


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最後は十二の巻。ある程度育ってきた株の下葉を切ってパイナップルのように仕立ててある。手前味噌だが、楽しめる形状だし滅多に見かけない仕立て方だと思っている。

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薄暗がりの「瑠璃殿」


姫春星、明日香姫、十二の巻、瑠璃殿など女性的な、あるいは王朝文化的な名前が多いように思う。多肉植物はラテン系言語だと女性名詞だろうか。


足付円錐白マット鉢 X 「緑蛇」

知り合いのカフェレストランに貸し出すことになったので、場合によっては戻らなくなることも考慮して記録を取っておくことにした。

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早朝6時半の明るい日陰で撮影。


陶芸初期の作にしては上々なのではないかと思っている。似た風合いの高さの違う円錐を3つほど並べられたら動きが出て面白いかもしれない。

クラフトマーケットにでも売ってそうな、汎用なカフェにでも置けそうな当たり障りの無い鉢とも言える。既に作られている分には嫌いではないけれども、類似したものをさらに作るには面白味が足りない。

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朝7時の陽当たりの下で撮影。植わっている「緑蛇」の細さは緑塔よりも繊細で滑らかで柔らかい。植えこむ多肉植物としては育てていくうちに這い回りのたうつので気に入っている。

欲しい時に売っていないことも多く、値段も高かったりする。もっと株分け生産に励もうか。

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夜、スタンドランプの光を横から当てて撮影。


何故か団体行動をとれない緑蛇が出てくるから面白い。同じ光源を浴びていて、なぜ違う方向を目指し始めるのだろうか。



幼児間貸与交渉成立

弟「パンツ貸して。絶対にうんちとか漏らさないから。」

 

兄「絶対漏らしちゃダメだよ。」

 

弟「うん。それはわかってる。」

 

兄「なら、いいよ。」

 

とりあえず突っ込みどころ満載だけれどもそれは脇に置いておく。

 

お互いに対話して交渉して合意するそのプロセスに社会性を見出せてお父さんは嬉しい。

 

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中庭では今まで素っ裸で遊んでいたのに、上の子は「ちんこ見られちゃう」とか言い出して水着を履くようになった。親からすると何を今更感もあるけれども、ちゃんと羞恥心が育っているな、と感心。

ダッチオーブン グルメ キャンプ。たぶんグランピングより安くて美味しくて子供に良い。


前職の同僚がキャンプに誘ってくれたので次男と父子2人で参加した。先週は月、火、金と朝5時起きで東京、杭州、上海を移動してまわり、空港から電話会議に数時間出たりと疲れ切ってた。四十肩疑惑で肩はズキズキ痛むし寝不足と気疲れとストレスでコンディションは最悪だった。正直、熱でも出して寝込むかもしれない予兆の中での強行軍となった。しかし行ってみたら新緑は気持ちよく、食事は美味しく、キャンプ環境も整っており、同僚家族もとても親切に子供と遊んでくれて最高だった。

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なんちゃって初心者が幼児連れでキャンプを楽しめた要因はおそらく

  • 似た年頃の子供がいて子供同士で遊べたこと。さもなくば子供のエネルギーが全て親に向かい、受け止められないと「キャンプつまらなーい」となる。
  • 道具を持ってる上級者に便乗させてもらえた。ターフ、焚火台、高輝度ランタンは初級者と上級者で装備の有無が大きく別れてくる設備道具ではないだろうか。
  • クックオフという素晴らしい企画で何十組のキャンパーが各自ダッチオーブンで作った料理を互いに振る舞い合う。グリルで焼くだけのBBQやそこらの安カフェレストランよりも料理が美味しい。
  • 夜のシャワーは放棄。軽量テントとマット、寝袋、ランタンの軽装備。調理器具を持っていかないなど身軽さを重視して参加。

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妻も一緒に家族4人で参加できるようになると理想的なのだが、妻はアウトドアが好きではないらしい。

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調べたところ、男よりも女のほうがキャンプが嫌い、興味がない、行きたくないという割合は高い。道具を揃えないといけない、BBQが不味いといった障壁は上述のように上級者に同行させてもらったりダッチオーブンやらで解消できるとしても、虫が嫌い、トイレやシャワーが汚い、熱い/寒い、疲れるのが嫌だという障壁は解消が難しい。

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ネットの海を検索すると「嫌いなことを押し付けないで欲しい」「嫌がる人を無理に連れて行くべきではないし、妻が家でゆっくりしていたいならば別行動をとるべき。」「金を払って不自由な思いをしたくない。清潔で快適な空間で美味しいものを食べて過ごしたい。」と辛辣で忌憚なき異見が並ぶ。しつこいと嫌われるぞ、お前が選んだ配偶者だ、受け入れろ、とそういうわけだ。

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歩み寄った解決策が昨今のグランピングなのかもしれないが綺麗で快適な旅館や宿よりも高い値段を払ってそれなりに綺麗でそこそこ快適なキャンプをするグランピングは本末転倒というか良いところなしに思えてしまう。「写真や動画など一切の記録に残せずSNSに投稿できないとしても予定通りグランピングに行きますか」と問うてみてほしい。結構、多くの人が行かないのでは。

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妻を連れ出す突破口があるとすれば、やはり私の為ではなく子供の経験のためにキャンプに同行し、「案外、快適だし楽しい」と思ってもらえるようにすることなのだろうな。

  • 年上の子は年下の子に対してお兄ちゃんとして振る舞う。成長が微笑ましい。
  • 年下の子は年上の子から学んだり従ったり。親よりも言うことを聴く。成長が微笑ましい。
  • 普段よりも少しだけ危ないことをする。緊張と興奮。
  • ピザを捏ねて伸ばして具材を切って乗せて。まあ、家でもやるけど外でやると楽しい。
  • 火をつけたり薪をくべたり。確実に楽しい。ただし取り返しのつかない火傷などの事故がないように気をつけないといけない。
  • 髪切虫、天道虫、オサムシ、黄金虫、オトシブミ、白蝶の幼虫など見つけては年上の子と図鑑で調べたり。虫が好きになってくれそうで良かった。
  • BBQはグリルで焼く類は自宅自炊に比べて美味しくないのは事実。しかしダッチオーブンは美味い。
  • 無いものを工夫して代用することを楽しむ。
  • 夜は子供達は疲れ切って早く寝てくれ、親は焚火を囲んで寛げる。枝や薪を火に焚べながらだらだらと何かを飲んで寛ぐのは最高。
  • 女性は自らがインドアだろうとアウトドアだろうと、相手の男性にアウトドア派を望む割合は高いようだ。息子を頼れる魅力的な男に育てた方が素敵な配偶者に恵まれる可能性は高まるか。

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思うに、生きていく上で常に必ずしも望むような環境に身を置けるわけではない。そして同じ境遇に置かれても始終文句を垂れ流す奴と、楽しむ奴がいる。例えば快適で清潔な風呂がない環境でも、今日は風呂に入らなくていいや。そのかわり焚火と星と自然の中で寝ることを楽しもう、と気持ちを切り替えられるようであってほしい。その空間、その瞬間に楽しむべきものを見いだせて楽しむことのできる許容量、順応性、感受性が豊かな人になってほしい。これだな。これが子供をキャンプに連れて来たい理由だ。

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暑さ寒さに慣れる。
不衛生耐性をつける。
虫が好きになる。避けるべき虫がわかる。
キャンプで美味しいものを作る技能を身につける。
金をかけず楽しむ知恵をつける。
災害時の対応力を高める。
悪環境を低ストレスで過ごせるようになる。
人生をより楽しむ術を学ぶ。

何も雪山で凍死や滑落のリスクを負うような大袈裟なアウトドアでなくて良い。