高円寺で独りで美味しいイタリアンを食べるなら 「タッチョモ」

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お一人様に有難いイタリアンビストロを高円寺に見つけた。

 

とても気安く言葉を交わせる店員さん達で1人は山形県は鶴岡にある伝説的なイタリアン「アル ケッチャーノ」でも働き、ソラマチのイタリアンで働いてからこちらに移ってきたのだそうだ。生まれも育ちも高円寺だそうで外で修行したあと、故郷に戻ってきたそうな。

 

店内は8席程度カウンター席が連なり、その奥にテーブル席がこれまた8席程度か。

 

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魚介の前菜三品盛合せ、サラダとキッシュ、パスタか副菜盛合せのどちらかにグラスワインがついて1500円。

 

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パスタは蟹の身がふんだんに入ったトマトベースのものだった。

 

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こちらは追加して頼んだソーセージ。1500円のコースでもなかなかお腹いっぱいにはなるので、コースだけで食べ終えるのが良いかも。

 

T26というイタリアンが同じ道沿いにあるのだが、こちらは「タッチョモ」から26mという意味の兄弟店なんだそうだ。

 

水曜日定休

17:00〜03:00

夜遅くまで開いているのは知っておいて損はなし。T26はテラス席に犬連れ可。

 

高円寺にはエルポルテゴやイルドージェ、アンティカロカンダなどの姉妹店グループと、タッチョモ、t26、ガラクッタなどの姉妹店グループが二大勢力のようだ。案外、高円寺は安いイタリアン天国なのかもしれない。

 

Light Side Cafe その名の通り明るい高円寺のカフェ

ルック商店街の七つ森をさらに高円寺から新高円寺へと少し下った所の2階にあるカフェ。

 

カフェ巡り好きの私が訪れるのを2年間後回しにしてしまったのは何故なのか。

 

入ってみたら予想以上に明るく清潔感があって爽やかさがある。気持ちの良いカフェではないか。「ココロもカラダもlightのほうへ」という店のコンセプトを体現している。

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たかだか十数段の階段を上がる心理的抵抗感の強さのいかに強いことか。路から店の中の様子を覗き込んで入れる路面店と違い、ふらりと入る客の敷居の高さは馬鹿にならない。

 

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古びて年季の入った雑貨に溢れているカフェも楽しいが、モノが少なく明るくて清涼感のある空間は安心感がある。そしてこのソファ席のテーブルは1人客の居心地も悪くない。

 

商店街に立て看板があるが、メニューの写真だけではなく店内の写真も載せた方が良いのではないか。正直にいって店の前を幾度となく通り過ぎ、今まで気になることも、惹かれることも全くなかった。今回はR座読書房が臨時休業しており折角だから新規開拓してみようと思って気まぐれで入ったにすぎない。

 

入るカフェを選ぶにあたって店の雰囲気はとても重要な要素だと思う。たくさんケーキやなんかの写真を載せているが、そんなにたくさん載せるぐらいならば店内写真を載せたほうが良さそうに思う。それか、コンセプトを一目でわかる文字の大きさで書くか。コーヒー、カフェラテの値段があればカフェの価格帯のイメージはつくし、あとはフードやデザートの一押しを載せた上で、「他にもメニューあります」で十分だと思う。

 

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十分に快適で気に入ったのだが、なぜ今まで来なかったのだろう。一つは高円寺のカフェ20選だとかオススメトップ10なんかに名を連ねていることが少なく目にする機会が少なかったからだと思う。植物に溢れた私語禁止のR座読書房、クラシックのかかる名曲喫茶ネルケン、童話絵本の世界のようなハティフナット、古民家カフェ七つ森プロヴァンス風なシェパードパース、ヴィーガン料理のメウノータなど個性が際立ったカフェのほうがオススメしやすい。観光ガイドや紹介サイトなんかでは一言で魅力の伝わりにくいカフェかもしれない。

 

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水はセルフサービスなのだがオレンジスライスの入った水かレモンミントの入った水をセルフサービスで頂けるようになっている。水を注いで回る手間も省けるし、自分で選ぶ楽しみがあって自分で水を注ぐ面倒臭さは感じない。良いアイデアだと思う。

 

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ケーキも600円だが、アイスクリームやカットフルーツが載ってなかなかボリュームのあるデザートプレート。コーヒーを2杯ぐらい飲みたくなる量だ。オレンジピールと紅茶のケーキは甘さが強めでコーヒーを飲みながら時間をかけて食べるのに好適だった。

 

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コーヒーもしっかりと抽出され苦味のバランスもとれた飲みやすくて美味しいものだった。

 

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ランチも期待できそう。リピートしたくなる、街に一つはあって欲しい種類のカフェだ。よそから来た人が目当てに訪れるようなカフェではなく、地元の知っている人が親しむカフェといえる。

 

http://lightsidecafe.com

定休日 第2、第4月曜日
営業時間 11:30〜22:30 (LO 21:30)
※週末及び祝祭日は11:00よりオープン

高円寺を代表する廃屋

高円寺を代表する、という形容の仕方があるのか知らんが、遺跡廃墟好きには必見の一角。

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高円寺の由来ともなっている宿鳳山高円寺の並びにある。高円寺一番を推すのは廃屋の朽ち具合の風情もさることながら、廃屋を支えるように立つ桜の大木。高円寺で写真家を志す者は記録に残すべき光景だと信じる。

 

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中を覗くと、ガラスケースに収まった西洋人形が見える。廃屋に人形なんて遊園地のお化け屋敷の作り上げられた設定のようだが、不思議と表情は穏やかで静かだ。

 

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この写真は私として今日一番のお気に入りだ。錆びたトタン、倒れつつある杉板壁。そして遠近パース。

 

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地方や辺境の廃墟や廃屋はこれからも時間をかけて朽ちていくだろうし、また訪れたら見られそうな安心感がある。しかしこの高円寺の廃屋と素晴らしい桜の大木はいつ取り壊しが始まり伐採されるのかわからない、儚さがある。

 

 

そういえば、廃墟カフェで検索してみたら私が愛した京都二条城の近くにあるsolが検索結果に出てきた。懐かしい。キュレーションサイトに「廃墟カフェ TOP10」みたいなものが無数にあるのだが、内容はどれも似たものばかりでしかも私が2011年に撮ったものを拝借している。まあ、私のカフェではないし、客として撮っただけだし、それで客が増えてカフェが長く続けば本望。でもね、残念ながらとっくに閉まっているのだよ。

http://getnews.jp/archives/1302276

https://triipgo.com/12548

他のアクセスの取れそうなサイトをパクって店名を検索して、使えそうな写真の載っているブログから拝借してばらまいているだけで「廃墟、廃屋愛」を感じないのだよね。やっつけ仕事感が強い。

 

SOLは目当てに行く価値のある素晴らしい廃墟カフェだった。店主は河井寛次郎の器を使ったワークショップを開くほどの文化人だった。陶芸好きに拍車がかかったきっかけはここかもしれない。

 

既に閉店しているSOLを目当てに現地に行くと、周辺にめぼしい観光目的地はない。京都旅行で時間を無駄にしてしまわないことを願う。商業キュレーションサイトも閉店していないかぐらいは調べてあげれば良いのにね。

 

過去のSOLのブログ備忘録。あんなにも素晴らしいカフェも立地が悪いと立ち行かないのか。カフェ経営って本当に難しそうだ。

 

 

 


 

立春の庭と猫

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この季節、一番に春めいているのは野良猫の皆さんではないのかね。世の若者のバレンタインの浮かれようの比ではない連夜の盛り上がり。ンギャーオーとやかましい。その愛らしい見た目からよくも地獄から漏れ出た断末魔のような声が出るものだ。

 

家から家を飛び移り、鉢植えをひっくり返し、庭に糞尿をするので困りもの。しゃあないのだが。地域猫制度を導入願いたい。

 

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庭の開花のトップバッターは梅花とこの翁草。南国的なケバケバしい花を咲かす。萎れる前に茶色く変色し始めるのもまた新陳代謝の速い南国的な風情なのだが、寒さには滅法強い。

 

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オキザリス「孔雀の舞」も夏の間に溶けて消えたと思っていたが冬になって葉を広げ始めた。一冬越すとしっかり根付いた安心感がある。

 

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矮小菖蒲かね。雑草に紛れて抜かれたか、夏の間に腐ったかと思ったがニョキニョキと葉を伸ばし、早くも蕾が見える。菖蒲のクセに3月、早ければ2月にもう咲いてしまう気だろうか。

 

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木立セネシオを植えてみた。これまた夏に枯れ冬に咲き誇る菊科の宿根花。サイネリアはやはり夏越えできなかったので、木立セネシオで再挑戦。

 

今年はクレマチスハゴロモジャスミンを繁らせてしっかりとした日除け、目隠しを造りたい。晩春に桜空木 2株、更紗空木、桃雪柳、小手毬は咲き乱れるだろうか。実山椒と茗荷の収穫を増やしたい。バジルとコリアンダーの作付けを忘れないようにしたい。

椛「鴫立沢」や紫陽花の青花品種が丈夫に育つだろうか。

 

それなりに愉しみも多い猫の額ほどの花壇。

高円寺の名ケーキ屋「ジュン ホンマ」が「ラレーヌ」跡地に開店

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高円寺のかつての有名人気ケーキ屋さん「ラレーヌ」が閉店した。ま、美味しくなかったから仕方がないし惜しくもない。その跡地に開店したのが「ジュン ホンマ」。本間潤氏はラレーヌを立ち上げ、「王妃のロールケーキ」をはじめとした美味しいケーキで人気店に育て上げたが、オーナーが変わったことであれこれと複雑なことになってしまったのだそうだ(本人談)。その後、袂を分かち、吉祥寺や高円寺で自分の名を冠した店を独立開店してきた。本間氏の去ったラレーヌは味が落ち、客は遠のいた。

 

そしてラレーヌが閉店することになり、もともと本間氏を気に入っていた建物の大家さんが本間氏に声を掛けたということらしい。ケーキ屋の居抜き物件なんてなかなかないし、マンション一体型の建物を経営する大家さんとしても深夜まで営業する飲食店よりもケーキ屋さんの方が入居テナントとして好ましいのではなかろうか。

 

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もともと自分が立ち上げたラレーヌの跡地に袂を別った自分が再入居再開店する。気さくに話してくれる本間氏だったが複雑な心境が察せられた。

 

地域の客は経営権やブランド価値ではなく、本間氏のケーキが好きだったのだということ。詳細な経緯は知らないが、腕を持った職人が報われたという私達庶民に嬉しい結末の様子。熱烈なファンと思しき人が入れ替わり立ち代り訪れていた。

 

1月27〜29日は開店セールということで1000円ごとに500円の次回割引券という実質半額セールを行っている。

 

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店先には2人掛けのテーブルが2つ。店内にもイートインスペースを作るのだそうだ。お茶かコーヒーも出す予定だという。犬の散歩中継基地がまた一つできる。ありがたいことだ。

 

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色鮮やかで美味しそうなタルトの数々。ショートケーキの印象が強かったが、タルトが充実。

 

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マロンカシスのタルトなんて名前を見るだけで心奪われる。

 

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ショコラオランジュはチョコが甘すぎず、オレンジスライスのシロップ漬けを摘んで齧りながら食べるのが美味。オレンジスライスはチョココーティングして売られているようなやつだ。

 

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洋梨のタルトはタルト生地の上にピスタチオムースが載り、さらに洋梨の果肉ゴロゴロ、ゼリー。砕かれたピスタチオが香ばしさを出し、さらに軽い味のクリームが載る。絶品ではないですか。

 

自分の誕生日ケーキはこちらにお願いしたい。

高円寺 「小杉湯」もクリスマス仕様

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高円寺の庚申通り商店街から脇道に入ったところにある、「小杉湯」。人通りからは見えない隠れた名店。商店街に面していたら商店街の街並というか景観に深みが一層与えられるのだが、そうでないからこそ生き残ってきたのかもしれない。

 

高円寺の顔とも言える木造破風を持つ豪壮な正統派遊郭建築銭湯。脱衣所もこれまたシンプルにして見事な折り上げ格子天井。白壁に焦茶の艶光する梁や柱のコントラストのある色の組み合わせは室内がシンプルであればあるほど美しく見える。

 

湯船の上のペンキ絵は2016年10月20日に描かれたばかり。西伊豆から見た富士山という王道中の王道の画題。

 

サウナも露天風呂もない。しかし立派な建物、手入れの行き届いた浴槽や洗い場、ミルク風呂や日替わり薬湯、こざっぱりとした脱衣室、湯上り処、珈琲牛乳や瓶飲料各種。気さくな番台のお婆さん。銭湯にあって欲しい最低限をしっかりと提供してくれる。

 

 

12月23日の16時は祝日ということもあって大混雑。商店街の半ばという立地の良さもあってか、各湯船には4、5人が犇めく客入りで、子供はうちの子供だけだった。杉並区の銭湯では子供をあまり見かけなくてそれが少し寂しい。子供のいない大人からしたら子供は鬱陶しいだけの存在かもしれないが、爺さんも子供も、刺青を背負った兄さんも、みんなが裸一丁で風呂に入っている空間が生活感があって良いと思うのだが。

 

湯上りの休憩所には壁に絵が飾られてギャラリーとなっており、漫画が大量にある。10シリーズぐらいはあるのではないか。漫画喫茶に行かずともこの銭湯に通いながら多くの漫画を読破してしまえる。大学生だったら通ってしまっただろうな。飲み会を断って一風呂浴びた後に漫画に没頭するような学生になっていたかと思う。

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ちはやふる」を再度読破してみようか。小杉湯が描かれているという「フロガール」という漫画も気になる。

 

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クリスマスなもんで、カラフルな鐘が吊るされていた。除夜の鐘もあとわずか。

新高円寺の天然酵母のパン屋「マダムシュープリーズ」

桃井ハラッパ公園で催された杉並フェスタで、こちらのカンパーニュを食べて以来、一度は来たいと思っていた。もっちりとしつつも酸味の効いた噛み締めて味わう密度の高いパンが美味しかった。

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看板の0ペンって何だろうと一瞬思った。息子が幼稚園で覚えてきたPPAPに毒されているのだろう。大勢の幼児がアポーペーンと連呼する中にいる幼稚園の先生は本当にお疲れ様だ。幼児がみんな「そんなのかんけーねー」って口ごたえしたであろう昔も気の毒だ。

 

 

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長年欧州料理屋のオーナーシェフをされていた方が店を譲り、新高円寺の自宅を改装して2010年に開いたお店だそうで、温室に座席3卓6席のイートインスペースを持つこじんまりとした店だ。

 

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ランチは950円で上記五種のパンの後に13種ほどのオープンサンドの中から3種を選ぶ。飲物とデザート付き。店頭でも売られているクランベリーとチーズのパン、ショコラオランジュ、胡桃と無花果、オリーブとオリーブオイルのパンなど、多彩。

 

食べてる間中もお客さんが買いに来ていて、食事をしている他のお客さんも食後に買おうと思っていたようだが、売り切れないうちに慌てて持ち帰りのパンを買う始末。カンパーニュはすでに売り切れ。店頭に置かれているものは全て予約取置きのものなようだ。

 

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二人分のランチセットを頼んだので系6種頼んだ。チリコンカンが乗ったやつは食事パンとして最適。田舎風パテを乗せたものも美味。客のワガママとしては、ここに追加で熱々のミネストローネやクリームスープを頼めたら幸せなんだがな。

 

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ゴルゴンゾーラピカンテにラムレーズンを乗せたものは私としては頼まずにはいられない一品。いっそのこともっと熟成が進んでジュクジュクと汁っぽくなったゴルゴンゾーラの方がパンに絡んでなお好みかもしれない、

 

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デザートにはシュトーレン。甘くて香ばしくて子供にはうってつけ。ほろ苦さがあるシュトーレンが好き。今年のシュトーレンはもう売り切れだとのこと。

 

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春秋の土曜のランチ、本でも持ち込んでのんびりしに訪れたい隠れ家的ブーランジェリーカフェ。