平等院 藤西方浄土


光源氏のモデルにもなった源融の貴族別荘を引き継ぎ、藤原頼通西方浄土を夢見て建立した平等院鳳凰堂



今年は梅も桜も山吹も須らく開花が遅れていたようで、そのおかげもあってか平等院の藤も都合良く週末に満開を迎えてくれた。



藤原頼道が造営した際には藤棚は有ったのだろうか。ここの藤は樹齢280年ということなのでもしかしたら藤棚は平等院には新しいものかもしれない。





通り雨の雫を乗せて瑞々しい。強い雨に打たれても花弁を落とさずに漲っているので今がまさに満開なのだろう。



頭の中の知識や先入観と実物が違うことがあまりに多くて情けなくなるのだが、藤が白、黄、紫の三色で構成されることも初めて目の当たりにして知った。藤は黄の斑を下に向けて咲くので見上げると明るく淡い紫に、見下ろすか真横から見ると濃い紫に見える。一つ一つの花の形を観察すると思い出すものがある。家の庭に生える烏野豌豆の花とそっくりだ。藤が豆科の木だということも花の形を見て初めて知った。



少なくとも蜂にとっては西方浄土が再現されているのかもしれない。