取り敢えず我が家に案内して荷物を降ろしてもらった。夫婦で10日間の旅行にリュックサックそれぞれ一つづつ、だけ。本当に、思い付きでふらりと新婚旅行で日本に来たのだな。
まずは高円寺ルック商店街にあるリサイクル着物の店へ。絹の訪問着やら着物帯やら浴衣やら、浅草の外国人向け土産物屋より遥かに安い値段で昔の良質な和装が手に入る。
刀状の傘を腰に挿して記念写真。もう、サムライゲイシャテンションで興奮気味。
ルック、パル商店街を流し歩いて「大将」へ。さらに「高円寺麦酒工房」で新鮮なクラフトビールの杯を重ねながら、昔話をする。
陽が傾いてからは区民酒場「左利き」に移って会話を続ける。
どうやら、今は仕事が無いような、あるような。こちらの仕事のことも聞いてこない。奥さんはジムのインストラクターとのこと。
翌日は中野ブロードウェイへ。ドラゴンボールが大好きで、自分はドラゴンボールで育ったと豪語する彼。数々のフィギュアを見て、興奮しきり。品数の多さに唖然としてた。流石に今はもう謂わゆるアラフォーとなり、フィギュアを家に買って飾ろうとは思わないそうだ。
ドラゴンボールのTシャツの品揃えが少なすぎる、とご立腹。「あれ、これは天津飯の服か」と緑のTシャツを見つけてきた。鶴の文字の意味はわからなくても
全身ピッコロになれるスーツだったり、スーパーサイヤ人の金色でトゲトゲした髪型のカツラだったり、試着しては写真を撮って大興奮。「若い頃に、ここを知ってたら買いたいものが多過ぎてヤバかったな」ベジータのカツラはおでこの剃り込み部分が肌色のカツラになっていて、「なんだこれは、黒人には合わないじゃないか」とボヤいていたけど、「ベジータは黒人じゃないだろう」と諭すと「そうだな、ベジータは黒人じゃなくて惑星ベジータのサイヤ人だ」と納得していた。
フィギュアごとに、これはどのドラゴンボールのシリーズで何のシーンだと解説をしてくれる。そんなにコアなファンだとは知らなんだ。
中野サンモールのユニクロでドラゴンボール柄のTシャツが売られていることを把握していたので連れて行った。案外、新宿などの巨大店よりも品が残っていたりする。そのほかにスポーツウェアも含めて、シンプルなデザインと手頃な価格に大いにお気に召したらしい。ユニクロを知らない人を、途端に虜にするのだからユニクロの商品力や店作りは改めてすごいと思う。
新宿に移り、バスタ新宿で夜行バスのチケットを物色。日中の新幹線代片道1万2千円が予算オーバーらしい。こちらとしても、来週は仕事があるし構えないので京都になり出掛けてもらった方が都合が良い。
そのあとはヨドバシカメラを8階から1階まで流していく。少し歩き疲れた足に無料マッサージ機が痛気持ち良い。彼は始終、テンション高めに「このマッサージ、ヤバイな」「おおおお、そこ押されたことないわ」「これでいくら?300ユーロ?京都行きやめてこれ買うか」と喋り続けていた。なんとなく、ボビーオロゴンを思い出す。
新宿歌舞伎町にはサムライミュージアムなんてものがあった。入館料1800円と外国人ボッタクリ価格。売店と入口の模造甲冑で我慢。
総工費100億円という触れ込みのロボットレストラン。以前は幕内弁当のようなものがついて6000円強だったと記憶しているが、今や食事無しで8000円。食事は入店後に追加料金だそうだ。外国人相手に人気が出たことに気を良くしたのだろう。遊園地の一日券と同程度の価格設定なのだからかなりの強気だ。値段が上がった分、内容が良くなっているようにも思えない。店頭の記念撮影できるロボットも近くで見ると修繕されずかなり破損しているまま。外国人相手に利益を絞れるだけ絞る段階に来ていると感じた。
裏にSHNJUKU VRというVRゲームを無数に取り揃えたゲーム館があり、そちらは入場料800円を払った上でゲームをやるごとに1200円なりを払う。ただ付き添いで同行したい人も800円払わないといけないのは厳しい。
一方でSEGAのゲーム館は1200円を払うだけでVRゲームが試せるし、付き添いも無料でゲームをしている様を見られるので、予算のない彼らにはSEGAのほうが良かった。
そのうち、家庭内ゲーム機が普通にVRになっていくのだろうね。
がんこ寿司で「これで顔拭いても怒られたりしないかな?オシボリ最高!」の図。
無料で登れるので都庁の展望台へ。三連休ということでビルの殆どは消灯しており夜景の迫力としてはイマイチだった。それでも「高いビルばかりだなー都会だなー」と喜んでいたので良しとする。
帰りの地下鉄に乗る前に西新宿駅の外にある巨大な「LOVE」のオブジェで記念撮影を撮った。
帰宅後は、近所のコンビニで発泡酒、チューハイ、スナックやチョコを買い溜めしてワールドカップ 決勝戦観戦。試合が始まる前に殆どお菓子を食べ終わってしまった。
「低予算」がテーマにはなってしまったけれども、始終ハイテンションだったのでそれなりに満足してもらえたかもしれない。
備忘録
もてなす客の素性
- 新婚旅行でゲストハウスのドミトリーに泊まるぐらい予算は無い
- 旅行慣れしていない
- 体力はある。長距離を歩くのを厭わない。
- 食べ物の好き嫌い無し
- 濃い味、はっきりした味が好き
- 日本のことを殆ど知らない。現世に浪人はいないのか、レベル。
- 神経質ではなく柔軟
着物リサイクル屋 ◎
高円寺麦酒工房 ◎
左利き ◯ もう少し和食慣れしている人の方が真価を楽しめるかも。
コンビニ菓子と酒で晩酌 ◎
ブロードウェイ ◎
ジンガロ 抹茶カキ氷 ◯
ヨドバシカメラ ◯
ダイソー △
ロボットレストラン店頭での記念写真 ◯
サムライミュージアム店頭での記念写真◯
がんこ寿司「山野愛子邸」◎
都庁無料展望台 ◎
次回の検討事項
道中に見つけた「ホテルバリアン」というバリ風な宿に興味を惹かれていた。天蓋付きベッドのある豪華リゾートホテル風。価格表に「休憩」があるので進化版ラブホなのか。平日宿泊ならばルームチャージ21:00〜11:00で13800円というのは悪くない。外国人だけの利用も、私が代わりに予約して彼ら二人だけで泊まってもらうのも、当日に本人が支払える限りは問題ないそうだ。3人でレセプションに話を聞きに行ったら、多少怪訝そうな顔で見られた。休憩しません。
東南アジアのリゾートに行ったことがない人ならば、和風ではないけれども一泊ぐらい泊まっても面白いかもしれない。
- 季節が良ければ御苑も良いらしい。緑あふれる庭園は私が思う以上に興味があるらしい。
- アニメ漫画好きでも、フィギュアなのかTシャツなのかで中野ブロードウェイなのか、あるいはジャンプのグッズショップなのか連れて行くべき店は変わる。
- 都庁展望台は上がるならば平日。
- 東京ディズニーランドがあるなんて何故教えてくれなかったのかと言われた。
- 安いチェーン系居酒屋、あるいは牛角のような焼肉屋もありかもしれない。