東京の5つの美大の合同卒業制作展「五美大展」が毎年新国立美術館で催されるのだが、入場料無料で子供と気軽に絵画や彫刻、デザインなど多彩な作品を楽しめる。
多摩美エリアから入ったのだが版画のクオリティの高さに目が覚めた。
モチーフがとても好み。これが版画とは。どれだけの時間をかけて作品世界を掘り込むのだろう。
肩の彦生え枝が良い。冬虫夏草をモチーフに作品制作してくれないものか。今後の個展情報を追いかけていきたい。
「フライドポテト中毒」
「ラーメン中毒」。自分がラーメン屋のオーナー店主なら店内に飾りたくなる。
スープに沈みかけたスマホから日付の変わる1分前、深夜のラーメン入浴だとわかる。豚骨や背脂系ではなく澄んだ醤油ラーメンなんだろうな、などと勝手に想像。
近くに寄って見るとさらに美麗な景色が見えてくる。
私は傾向として部屋に飾りたくなるような綺麗めで穏やかな絵、しかも動植物などを素材にした写実性の高い絵が好きだ。それでも美術館では言語化できない、あるいは負の感情も掻き立てられるような作品を見るのも好きだ。
そんな作品。恐ろしげな感性表現。こういうのはもうセンスとしか言いようがない。
見てるだけで気が静まるいこいの絵。カフェの壁、ホテルのロビーなどに飾られて空間の雰囲気を支配して欲しい景色。
こんな廃墟民家の室内の壁にもたれてぼーっと感慨に浸りたい。
ファンタジーアートな版画。企業がいろんな依頼をしたくなる作家さんではなかろうか。
フナムシだろうか。線の強弱、写実性、濃淡が素晴らしい。こんな絵を描けるようになりたい。絵付けしたい。
鯛だ。大漁の鯛だ。波濤も魚だ。どんな含意がある絵なのだろう。
静謐さに引き込まれた作品。
見ているあいだ、周囲の音が消えるかのような静かな絵。
細部だけをじっくり見ても楽しめる濃度。
躍動感のある骨馬。派手でいて近くで見るとデザイン画ではなくしっかり絵画。
この色の組み合わせは自分からは出てこないものだな、と思う。
金属彩の垂らし込みのような表現は好み
写実具象と抽象が混ざった魅力
美大生の卒業制作ともなると造形物も作り込み濃度が高い。
大きい。
タブレットで反転させて鑑賞させる捻りのある試み。
祖母愛に溢れた作品。実の祖母なのか近所のご婦人かは実際のところわからないのだけれども。
スタイルも手法も多様な作品が見られて飽きることがないのが五美大展の好きなところ。誰もが自分の好みの作品を見つけられるのではないか。