欧州の美術館の19世紀絵画にありそうな雰囲気ながら人物は日本人。
なんともアカデミックで他の学生さんとは異なる時空間とベクトルで制作している印象。100年前の欧州に生まれた方が幸せだったりするのだろうか。存在感の際立つ重厚な一画だった。
写真にすると実物で見た魅力が伝わらない。眼が良いのだよ。首の下に垂れる鎖もあれこれと想像を惹起させる。
このままの方向で沢山の仏像を作って欲しい。
遠目には全く平面的に見えた。話題の限りなく光を反射しない黒塗料を使っているのだろうか。黒い液体を輸血している。
スマホの画像だと明るく撮れてしまうが実際はかなり黒い。それでいて造形が単なるマネキンではなくとても上手いこともわかる。
トリウマのような空想動物。
顔が可愛かった。
私としては格別に興味を惹かれるのは陶像。素人ながら作陶していると、陶器で作られているというだけであれこれ読み取ろうとしてしまう。
そもそもこのサイズの陶像をヒビ割れすることもなく焼成できるのが凄い。
写実静物画を卒業制作として描いた学生はほとんどいないのでとても目を引いた。
珍しいだけでなくこの技術の高さ。
なぜ2024年のこの時代に写実絵画なのかと聞かれることもあるのかもしれないが単に好きだから、美しく魅力的だからではダメなのだろうか。
衝撃的だったのがこの茶と白の大蛇。
圧倒的なリアリティだし、どれだけ近づいて凝視しても粗が見えない。
木工の光沢のない柔らかさが素晴らしい。
この微細な凹凸が素晴らしい。「コレ、欲しい!」という所有欲の衝動に襲われる。
正統派な日本画の技術をふんだんに盛り込んだ煌びやかな一枚。
金箔の艶やかさの中に濃い色調の葉、柘榴でありながら赤を抑え気味に描いた実。和食、割烹料理の店が飾りたくなる作品ではないか。
遠目に見ると虎。
至近距離で見ると鹿や金剛インコ。
夢のあと。羊の横顔が良いな。羊というだけで足が止まってしまう。