五美大卒業制作展@国立新美術館

数年ぶりに国立新美術館で毎年行われる五美大合同卒業制作展に子供達と来た。入場無料で美大生の4年間の苦闘の成果の結晶やら打ち果てた残骸やらのドラマが見られるありがたい展示。そして撮影自由なのも素晴らしい。

 

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どこかのカフェやバーの壁に掛かっていたら最高にカッコ良い存在感のある巨大なサイクロプスの絵。右下には踏まれて破壊されたのかもしれない石造りの街並み。小さく膝を抱えた巨人の大きな絵。
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眼と角の金属箔の複雑な色合いが最高にかっこいい。山口岳人さんの作品。
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左右対称の日本画テイストなほんのり近未来的な絵。
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犬に緑青色の眼に紅い脚先や耳鼻は個性的な配色。
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あれ、中国っぽいなと思ったら中国人と思しき人の絵だった。年々、美大にも中国人留学生が増えている印象。
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イラスト風な作品の中でダントツで上手い、今後いろんな所で作品をお見かけするのではないかと思った作品。
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書き込みの仕上がりが商業的に完成品に思えた。
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すぐどこかの企業の広告ビジュアルか何かで依頼が来そうな。
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髪の細かい描写も上手いなー上手いなーと呟いてしまう。もっと作品が見てみたい。
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太陽散々大回転改 田村日佳さんの作品。
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朽ちゆく鹿は涅槃という橋場文香さんの版画作品。
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明るく迫力のある鯨の染め物。
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一時期、東京メトロでこんな現代の市街地を浮世絵調に描いたポスターがたくさんあったっけ。好きです。人物の顔も描いて欲しかった。
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シンプルなんだが不思議と引き込まれた畑越しに見る住宅の温かい照明の光。これは実物を目の前にしないと伝わらない気がする。
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人間が実弾ということで今のウクライナ戦争そのもの。
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山々を蛙に見立てたその発想よ。
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犬が犬の本を読む絵。
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立体造形は見ていて楽しい。そして動物が多い。
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巨大な擬人化兎。
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石抱きの刑ならぬ猫抱きの刑。
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痛気持ち良いのだろうか。
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フレンチブルの対。
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竜の骨格標本
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鯨の生体と骨格。
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ダイオウイカ。生き物が多いな。それを写し取ることがすなわちアートってことかね。女子美は動物好きが多いのか、周囲に動物モチーフで制作する友人が多いと感化されて相乗していくのか。動物好きとしてはありがたい。
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擬人化犬。
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何の絵だろうと近づいてみたら
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Gの群れ。
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近くで見るととても上手で繊細に描かれている。Gは頭が小さくスタイルが良い。
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もう一つ、青や緑のカラフルなG群像図。今年は何故かゴキブリが多い印象。象亀が多い年、ピラルクが多い年などがあり、題材にも少しばかりの流行があるのか。
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こういう絵ばかりだとうんざりするのかもしれないが、Gを見た後だとホッとする。
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カラフルで可愛らしい巨大ぬいぐるみ。
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シルクスクリーンで印刷した絵柄のバッジのようなものを無数につけているのだろうか。
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よく見ると腹ワタがこぼれ落ちている。エログロカワイイ。
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鈴木七海さんの次回作も期待。
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鎌倉の大仏様か。チベット語など様々な言語で書かれた紙で造られたハリボテだが造形クオリティが高い。眉や目鼻の輪郭がとてもシャープでどのように造ったのか不思議。そして浮いている。
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中からモザイク状に光が透けてくるのも良い。どこかに長らく展示して欲しい。そのままどこかの寺に収まって欲しい。


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水面に映った姿を造形しているらしい。流石。


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どこかで見たようなタイル張りの外装の建物の階段入口。一つ一つのタイルが丁寧に塗り分けられていて、気にせずに通り過ぎてしまうけれどもこうして提示されると確かに美しいよな、と共感してしまう。美の発掘者のような人。坂本優恵さんの作品。
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素材は何なのだろう。親近感を抱くのが巨大カメムシを数体ならべていた展示。
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数ある虫の中でカメムシか。なぜカメムシなのだろう。カメムシの魅力を伺ってみたい。
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鼠の警官に集う無数の白黒鼠。含意は何なのだろう。
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CG描写されたものの高精度インクジェットプリンター出力。なんとなく中国の現代アート展で見た作品を思い出す。
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向日葵男。いや、女かもしれん。花なら両性具有か。ギリシャ神話のような子、成年、老年の三体。
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今年も楽しかった。立体造形が充実していたように思う。平面の人物を描いた絵はアニメやイラスト的なものが増え、もしくは日本画的な線の淡白なものが多い印象。迫力や感情の露わな油彩の人物画など藝大では見かけるような濃密な作品が少なく思う。

2023年はGと犬の印象。作家としての道を歩んでいく人達には是非、活躍して欲しい。縁があったら作品をお迎えたい。10万円、20万円の作品を買える給料を稼ぎたい。