帰りのロマンスカーの出発時間までの1時間を潰す場所を探しながら駅から彷徨ってたどり着いたのがこちらのカフェ。途中には美味しそうなジェラート屋や珈琲ソフトクリーム屋もあったが座って食べられる店ではなかったのでここまで流れてきた。
店内は芸術の香り漂うサロンのよう。
フランスの画家「モーリス・ユトリロ」から店名を採っているそうで、壁にはユトリロのパリを描いた風景画が並ぶ。特に私がフランス出張時に泊まるモンマルトルの定宿周辺の絵が多いので見ていて楽しい。サクレクール、ラパンアザール、ドラギャレットの風車、カフェの街角。もうCOVID収束後にもフランス出張なんてないだろうから懐かしさは募る。
ほかに四谷シモンの巨大球体人形だとかあれこれある。
窓際の聖母像は逆光を背にますます神々しい。
一番のお気に入りはこの双頭の犬の立像。立像といっても二本足立像。
なんだかふざけた代物のようでいて、造形は半端ない。舌を出した恭順の顔としかめ面の警戒した顔の二面。
テラコッタもある。私も犬や山羊の顔をしたテラコッタ胸像を作りたい。
この店自慢のアップルパイはレーズンとシナモンが効いて絶品だった。食事も美味しそうだ。
そして珈琲は天然湧水を使い、店主が焙煎した豆で淹れているそうだ。ブレンド珈琲が美味しかったので自慢の8時間水出し珈琲に期待が高まる。
平賀敬さんという画家の絵が奥の部屋の壁に並んでいて不可思議な空間を作っている。
あれ、この絵のモデルは大駱駝艦の人ではないのかね。気になる。
平賀敬美術館が箱根にはあり、温泉に入れる美術館として私の行きたい美術館リストに長らく載っている。絵が好きな人でも嫌いな人でも温泉に入るだけでも価値のある美術館だと思っている。
http://shizuoka.mytabi.net/hakone/archives/hiragakei-art-museum.php
再訪したいカフェだった。