芦ノ湖の海賊船が豪華列車「ななつ星」デザイナーの手により豪華客船になっていた。

5年前に芦ノ湖の遊覧船に乗ったことがある。海賊船と謳われているものの、倒産したテーマパークのそれのような安っぽく古びた印象の船だった。


今回もそれに子供を乗せるつもりで連れてきたのだが随分と様子は変わっていた。

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新しい船が2019年に就航していた。クイーン号。

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もはや海賊船乗場から乗る船ではない。賊軍ではなく立派な官軍のしかも女王が乗るなら旗艦船だ。

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舫やロープも全てが新しく、官軍に相応しい。ピカピカの海賊船は雰囲気が出ないし、安っぽいエージング加工は悲惨に見えがちだ。開き直って真新しい官軍の船にコンセプト変更したのは良かったと思う。

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船主と船尾には突き出た部分があって映画タイタニックのジャックとローズごっこができる。こういうのも新入社員にはわからないネタらしい。

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内装はなんと水戸岡鋭治さん。ラグジュアリー観光列車「ななつ星」をはじめ数多くのデザインを手掛けている。芦ノ湖の遊覧船は箱根ならではの寄木細工をテーマに取り入れている。

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豪華。

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シートの座面の色もグラデーションになっており、とても良い色。惚れる。

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階段もエレベーターも装飾に手抜きがない。

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時間にゆとりがあれば、天気が良ければ、カップルや夫婦だけでうるさい子供がいないならば、珈琲やビールを飲みながら500円ほど払って特別室で寛いで周遊するのも有りだと思う。一駅で降りずに一周1時間以上をのんびり過ごすのも良いのではないか。


独り、小説を持ち込んだりひたすらぼうっとしながら周遊するのも愉しそうだ。富士山や新緑を観ながら美麗な豪華船内で寛ぐのは贅沢な時間になるかと思う。大人が楽しめる遊覧船。


2020年のオリンピックに向けて導入されたのだと思う。箱根は外国人旅行者にとっての人気旅行先の1つで、コロナ禍に見舞われなければ昨年も今年も多くの人がこの豪華遊覧船を楽しんでいたに違いない。観光客が来ない間に古びて行ってしまうのはなんとも残念だ。

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桟橋には王冠をかぶった小さなクイーン白鳥号が並んでいた。