フランス 庶民派 食い倒れ備忘録

美味しかったものを次回の為にも備忘録。星付きレストランなんざは行かないけど、手軽で美味しいものを。

 

到着初日はMontparnasse地区のDurocにある日本人シェフが経営するフレンチ。フレンチ食い倒れの知人が絶賛していた店。

 

メニューはフランス語だけだが、お父さんが日本人で日本語の方が得意だという女給さんが懇切丁寧に説明してくれる。フランス産養殖ウナギを使ったメニューなど日本人テイストの品もある。客はもう一組、日本人がいたが殆ど現地の人だった。爺様が一人で本を読みながら食べていると微笑ましい。

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日本では見たことない野菜ばかりでカットされずそのままの姿で調理されている野菜のentree。なるほど、これは塩加減がちょうど良いし野菜が甘い。野菜は美味しいものを切らずに丸ごと調理すべきということか。

 

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舌平目のグリル、鴨のロースト、子牛の胸腺など魅力的な品ばかりだが、選んだのは乳飲み豚cochonの4つの部位。可哀想に、こんなに美味いとは。ボルドーの赤に合う。肉を食べると肉食文化は欧州に一日の長があるとしみじみ思う。

 

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どこの国のホテルでも変わらない品だがMontmartreのTerrasse Hotelは一つ一つが美味しい。特にクロワッサン。違うのは小麦なのかバターなのか。パリ市街とエッフェル塔が一望できるし、定宿となっている。

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ピスタチオペーストが挟まれたタルトは絶品だった。この水準のデザートが朝食ビュッフェで食べ放題なのはすごい。貧乏性の私の体に悪い。ピスタチオペーストというやつが、実はかなり美味しい素材なのかもしれない。

 

 

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ホテルの近く、Restaurant Basillicaの鴨。ミディアムだとかなりしっかり火が入っているのでミディアムレアでよかったかも。フランスは若干、火を入れ気味に思うのでミディアムよりミディアムレアで頼む方が好みに合うようだ。

 

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魚介類が売りの宿の近くの料理屋の看板。上半身裸の女性と蝦の下半身を結合させるなんて猟奇的な発想。アルフォンソ・ミュシャアールヌーボー調にすれば済まされるものではない。蝦というよりも蝦蛄か?なかなかのグロテスクさを優雅に誤魔化そうとしている。でも牡蠣とか蟹と結合させるよりはマシか。

 

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バケツ一杯のムール貝の白ワイン蒸しを食べた。臭み消しのネギが白ワインとクリームスープを吸って美味い。ムール貝も味が強くなく、あっさりとしてたくさん食べられる。案外、お腹に優しい料理と言えるのではないか。

 

 

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ビールグラス収集家としては今となるとこの半ケツ見返りアルザス娘のグラスは手に入れておくべき希少グラスだったように思う。コルマール以外で見かけなかった。新入社員女性の前で売り物じゃないこんな柄のビールグラスをお店の人に強請る姿を見せられなかったのだよな。人間として小さい。もっと自由に生きたいもんだ。。。

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アルザス地方は半ばハム化した巨大豚肉片が美味しい。まさにビールのお供のような品。

 

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もうひとつ、ここアルザスの郷土料理がタルトフランベと呼ばれる薄いガレットとピザの合いの子のようなもの。ジャガイモや玉ねぎ、ハムが載っていてこれまたビールのお供。ドイツ文化圏の食事はビールと相性の良い印象。

 

 

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ストラスブールで食べた牡蠣も美味しかった。やはり檸檬汁を絞るだけより赤ワインビネガーをさらに欠けたほうが美味しい。さらに言えば昨年ボルドーで食べた刻みエシャロットをたくさん載せて食べるのが最高に美味いと思う。

 

 

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カロンの魅力は見た目の華やかさ。賞味期限が短いしひとつひとつが高い。もっと安くて美味しいお菓子はいくらでも溢れていると感じてしまう。

 

 

 

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宿の近くで食べた鴨の蜂蜜ソース掛けのようなもの。店による当たり外れは鴨肉が一番少ないように思う。牛は案外、当たり外れが多い。

 

 

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旅の締めはミシュラン三ツ星店と同じ肉屋から仕入れるというドライエイジングビーフを出す「Le Severo」。ミシュラングルマンの人気店で昨年、西麻布に支店を出したそうな。

 

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鰹のタタキのように表層は焼け、中はかなり赤い状態で出されるのだが熟成されているのか生焼け感はない。塩だけで赤身肉の旨味が引き出されており、肉を食べたという満足感はダントツ。ちなみに写真に映っているのは2人分を切り分けた1人分。

 

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前菜として頂いた白アスパラガスも美味。店先で売っているのを見かけたが、気軽に調理してこの味が出せるのならば白アスパラガスも買いたいな。日本のアスパラガスとは柔らかさもサイズも別の野菜ぐらい違う。

 

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ラファイエットのグルメ館の下にあるフードコートはみっけもん。100g単位で肉を頼める。60日ドライエイジングのステーキ250gが40ユーロは安い。頼んだのは子羊200gで18ユーロ程度だった。表面は焦げ目がつくほどなのだが肉は柔らかく、肉の旨みを存分に楽しめる。2週間滞在中で食べたステーキの中で1、2を争う味だ。ここのグラスワインは赤も3種あり、8ユーロのものはフルボディのローヌワインで好みの味だった。さっくりと美味しい肉にありつきたいならば、ここは穴場だ。そこらのビストロよりは確実に美味い。

 

すぐ横では肉の販売もされている。

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フランス企業では会って話さないと物事は動かない

フランスの企業を相手にするようになり、最初はその非効率さに面喰らった。メールを書いても返事はない。電話で話しても返ってきたのは「お前誰だよ?」という言外に滲む警戒感。
 
一度は直接会うこと。わざわざフランスに出張してでも直接会うことが大事だと。それが大事だとされている。

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できるならば食事をするなり、雑談を通じてその人がどんな性格なのか、何に笑い何に苛立ち、何に不安を感じ何に喜ぶのか。仕事の裏の価値観のようなものを知らないといけない。
 
24時間スマートフォンで会社のメール確認ができるようになっても、大事なことは電話で話せという文化はなんて非効率なのだろうかとも思った。大事なことほどメールを避け、言質と記録の残らない電話という方法をとることに政治的な匂いを感じた。

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さらには電話では飽き足らず、フランスと日本が物理的にこれだけ離れていようとも毎年巨額の予算を組んででも大勢を出張に送り出す。ビデオ会議でも十分ではないか。なんて非効率なのだろう。なんてフランス企業は技術的に遅れているのだろう、なんてフランスの企業文化は非効率なのだろう。そう思った。
 
面と向かって生で話し合わないと分かり合えない。メールや電話で文字列や音声信号を交換し合うだけでは表層的な連絡事項の伝達はできても信頼関係の構築やまして人として互いに理解することはできない。

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フランス人には「楽しく生を全うする」という価値観が根底にあるように思う。(自分の都合の為に他者への配慮が不足しがちな面はある)よって相手が優秀かどうかだけでなく、愉しく働ける相手かを問うように思う。
 
プロセスやシステムに則ってメールのやり取りだけで物事が進むような効率性の追求された仕事環境。そんな環境でお互いを人間として理解できるのか、そのような環境で働くことが楽しいのか。人間の本質への理解に揺るがないのかもしれない。
 

フランス企業探訪 職場あれこれ

某一企業の社内文化に対しての感想雑記であって、フランス企業全体に普遍化するつもりもないことを予め断っておく。
 
1日に5本近く会議が入っているが、開始が15分遅れ、終わりが15分遅れることの繰り返し。基本的に残り時間を見ながら話す内容をコントロールすることをしない。
 
忙しい中でわざわざ異なるオフィスにとある重役に会いに行ったのに、1時間の話合いを30分に減らされ、さらに時間を15分も過ぎて部屋に通された。軽く怒りを覚えるが、会ったって会わなくたって良い相手だと思って諦めた。

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昔からのフランス大企業の文化は入社したら定年するまで勤め上げる終身雇用。終身雇用は日本ならではの特徴ではない。入社したら定年まで約束された。それが自ら退職する人間も転職してくる人間も増えてきたのは時代の変化だという。まさかこの会社を自ら辞める人がいるなんて、という発想。フランス企業の労働組合はかなり強固で保守的でもある。
 
採用に至っては若者の失業率は25%と言われるフランス。文系職種ですら院卒が標準。理系職は院卒が当たり前、PhD持ちもザラでグランゼコールというエリート大学校卒だと扱いが段違いとなる。社会人歴が4年程度で30歳超えが多い。

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昔からの文化は役職の高さだけでなく、個人的ネットワークと情報量がその人の立場を決めるとのこと。合意は口頭でなされ明文化されない。
 
ヒエラルキーは強い。上には逆らわない。物事が明文化されないのは業務目標も同じで年度末評価は上司の胸三寸。日本よりタチが悪いのは部下の人事権を人事部ではなく上司が強く握っていること。
 
権謀術数というか、偉い人に対する他部署の貶めや、印象操作、不明瞭な意思決定の背景に苦しむのは日本人だけではなくフランス人も同じらしい。不本意な意見をぶつけられた時に、適切に上に申し開きや弁明ができなくてはならない。瞬発的なコミュニケーションの機知は重要。
 
フランス人はアメリカ人と異なり、不満や嫌悪感を表すことを厭わない。表面的なフレンドリーさや陽気さを装うアメリカ人を偽善的で嘘くさいと見ている節がある。わからんではない。アメリカ的な八方美人で陽気で友好的に装いつつも、真意は別にある方が陰湿といえば陰湿だ。大人気ないと感じることも多いが不満をわかりやすく表現するフランス人はこれはこれで助かる。

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上級管理職の男性は揃いも揃ってノーネクタイながら毎日スーツジャケット。階級色の強いフランスらしい。大きな会議ともなると、スーツの胸ポケットにハンカチーフを差し込むオシャレさんを散見する。敵わんな。
 
英語が母国語でないこともあり、メールでのやり取りは誤解も生じやすい。彼らから来るぶっきらぼう、高圧的、偉そうなメールも単に英語力が高くないだけで、会えば親切だったりする。
電話で話すほうが相手も安心する。
 
フランス人の同僚は総じて引っ込み思案が多い。話しかけられるのを待っている印象。フランス人が固まると、外国からの来客がいたとしてもフランス語で話してしまう。

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役職が上がってから会うと昔会った時よりも愛想が良くなっているのは気のせいか。

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フランスでは宮廷政治は大企業で受け継がれている。。。気がする。

フランス海の幸、陸の幸

あてもなく5km近く歩き回っていたら、歩行者天国の商店街に出くわした。両側に八百屋、魚屋、肉屋、チーズ屋などが並んでいる。海外旅行は食材を眺めてまわるのが愉しい。

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アーティチョーク。仏頭華。とてもフランスっぽいのだが、美味しい食べ方は知らない。

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こちらは白アスパラガス。なかなかぶっといな。柔らかいのだろうか。Le Severoで出されたやつは柔らかく甘かった。

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網傘茸かね。どんな味がするのだろ。トリュフはないのか。

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フランス人もウニを食べるとは知らなかった。棘の小さい品種。寿司屋もちらほら見かけるので買い手はいるのかもしれない。

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普通に鯛だと思うのだが、釣り上げたばかりのような目の光。パリはたいして海から近くもないと思うのだがこんなに鮮度の良い魚が手に入るのだね。

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手長蝦は茹でられて赤いわけではなく、元から赤い。何せこやつら、ワサワサと脚を動かしてまだ生きているのだから。

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ここはもう、地元の人達が専ら買物に使う商店街のようだ。店を綺麗に飾り立てて丁寧に陳列するのは別に観光客へのアピールではないようだ。

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大物の鮟鱇と遭遇。深海魚ってやつは陸の上だと腑抜けてだらしない。眼はこのようになっていたのか。

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続いて肉屋。Lapinラパンらぱん。兎だな。齧歯類は皮を剥ぐと眼が飛び出し気味だから君が悪い。ふわふわもふもふとした毛皮の下のグロテスク。今度、動物園で兎を撫でる時に、このかわいい兎も皮を剥いだ下はこうなってると想起したら今まで通り愛でれるだろうか。昔の処刑人が果たして生きたままの人間を人として見れたのだろうか。猟奇的な妄想。

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おそらく我が家の愛犬マンゴー殿と姿形はおよそ一緒なのだよな。

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味付け仕込み肉。このまま焼くだけで美味いのだろう。花は飾りでしかないのだが拘りというか造り手の思いがこもっているように感じる。このままハーブとして一緒に焼くのだろうか。
 
半年ぐらいフランスに単身赴任するのも悪くないなあ。フランス語がわからずにフランス人に囲まれて勤務するのは軽い拷問に近いのだが、生活環境には興味がある。

猪の陶製ジビエ鍋

ロアン宮の装飾博物館で見つけた逸品。これを観れただけで入場した価値があった

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毛の流れまで表現された写実性に富んだ造形。舌がダラリと横から垂れ下がっている。

 

分類すると、巨大な陶鍋なのだと思う。耳を掴んで蓋を開けたら中から猪肉の煮込みが出てくるのか。それとも猪肉のハーブ焼きの肉片がゴロゴロと出てくるのか。ジビエの為のジビエ鍋。

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なんと断面まで忠実に再現。太い脊椎には骨髄。赤肉と脂肪。ここまでする必要があるのか、をここまでするから面白い。猪の断面がここまで三角形だとは知らなんだ。屠殺への理解が浅い。

 

 

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涙腺まで表現された、暗く褪せて死んだ目。

 

この鍋で出されたら、「わー 美味しそう!」となるのだろうか。野山を駆け回っていた猪を捕らえ、命を奪い、断首して、解体し、調理したことを改めて意識させられる。

 

食欲増進にはならないようにも思うが、「肉を食べるとはそういうことでしょ?」という問いにも開き直りにも思える。日本人が鯵の活け造りに食欲を失わないのと同じかもしれない。

 

陶磁器としてはボーンチャイナに全て色絵付けをしていると思われる。カオリンがなかなか採取できない欧州では白土に牛骨を混ぜるなどして独自の開発をしたのだそうだ。ボーンチャイナは中国伝来作陶のことだと思っていたが、骨を混ぜて中国陶器風にした欧州の作陶技法のことだとは。

 

制作者は「写実的に作ってやったぜ。うわ、リアル過ぎて気持ち悪い!とか言われんかな(ワクワク)」といった心境だったのではなかろうか。

 

同行した新入社員の若い女性に「これ、すごい悪趣味ですよねー」と同意を求めてるのかわからない感想を吐かれ、「え。。い、良いんじゃない?俺は好きだよ。」と濁しておいた。ストラスブール観光の最高潮がこの瞬間だとは言い出せなくなった。

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七面鳥なんかもあったけど、猪ほどの面白味はない。

 

ストラスブールの栄華

パリから2時間。手頃な郊外への遠足に最適な歴史都市、ストラスブール

 

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中世のストラスブール神聖ローマ帝国支配下にあり、アルザス地域がフランス領となった後もフランスによる併合を免れていたそうな。そしてルイ14世の治世となり領土拡大時にようやく併合される。

 

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それでもって併合後にフランスからやった来たのがロアン家という貴族でその後、フランス革命時に逃亡するまで司教の地位を長く長く独占し、ロアン宮という宮殿を建てて永らく贅を楽しんだわけだ。生臭坊主め。世の中は不公平だ。と言い掛かりをつけるのも、この手の贅沢が羨ましい訳ではなく、搾取された人達にその分だけ報われる何かがあったのかを考えると切なくなる。

 

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ロアン宮は考古学博物館、装飾博物館、そして美術館として使われている。装飾博物館は後にナポレオンに贈られた宮殿の内装がそのまま博物館となっている。

 

 

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白眉は美術館。一級品は全てルーブルとオルセーに集められてしまっているのかと思いきや、人気のないロアン宮の美術館にも見応えのある作品がわんさか。

 

これだけの歴史的できちょうな絵画を飾るのに、美術館の壁面は鮮やかな青や濃桃色でスタイリッシュ。写真撮影も可。日本の美術館が大抵は壁が白で撮影も不可なことと比較すると日本の美術館はなんて面白味に欠けるのだろうと感じてしまう。絵画の印象を左右しないように背景は無個性の白が良いという考えか。部屋ごとに発色の強い壁色にして絵画の個性や雰囲気を引き立てる努力を放棄しているとは言えないのか。

 

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ウィリアム・アドルフ・ブグローのこの作品は見たことはあるが、現物がロアン宮にあり、かつこんなにも巨大な絵だとは知らなんだ。

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ルーブルに行ったらもう、止まらんのだろうな。4時間でも6時間でも観ていられるのだろうな。

 

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ロワン宮を出れば15世紀から100年以上も世界で最も高い建築物の座にあったストラスブール大聖堂

 

職業選択の自由がない時代、石工の息子に生まれ、生涯を大聖堂建設に費やした人もいるのだろうね。142mという高さの尖塔を作るにあたり、何人が命を落としたのか。そういうのも殉死扱いになるのかね。くだらん。自由な職業に就ける現代を生きる身としてはもっと人生を楽しまにゃならんな、と思った次第。

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チェロの四重奏。辻演奏のレベルが高すぎて度肝を抜かれる。プロだよね。プロだと言ってくれ。裾野の広さ、層の厚さが感じられる。あの若さで激しくチェロを弾かれるとカッコ良い。

 

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眺める街並みの屋根は鋭角で、屋根裏小屋の窓がワクワク感をそそる。こんな家々の屋根を飛び回る猫はさぞ楽しかろう。

 

あれこれと楽しいストラスブール遠足だった。

機械仕掛けの天文時計

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ストラスブールで巨大な天文時計に出逢った。大聖堂の中に18mの高さで聳える。

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現在のものは三代目で1842年に完成したものだそうだが、閏年や分点だけでなく復活祭の日(「3月21日当日あるいはそれ以降の最初の暦上の満月を過ぎたあとの最初の日曜日)を計算できるようにもなっているのだという。下記写真がそれ。

 

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毎日毎時間、15分ごとにカラクリの骸骨が生の進行と死を暗示すべく登場する。時計は生まれてからの長さを測り、死への残り時間を減らしていく。

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こちらはロアン宮に収められている先代の天文時計の部品達。「機械仕掛け」というのは胸が踊り想像力が掻き立てられる言葉だ。

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機械仕掛けの雄鶏のバロック調の鶏冠が素晴らしい。こんな燻んだ風合いの造形を陶器で作ってみたくなる。