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春日大社で春をねだる

朝7時起きで春日大社で10時より行われる旬祭というものに参列してみた。春日大社で900年欠かさず行われてきたお祭だそうだ。
第一殿 武甕槌命(たけみかづちのみこと)
第二殿 経津主命(ふつぬしのみこと)
第二殿 天児屋根命(あめのこやねのみこと)
第四殿 比売神(ひめがみ)
御祓いの後に四殿に餅、酒、野菜、果物などのお供え物をし、神拝詞、大祓詞、鈴、扇子の神楽舞奉納し、お供え物を下げて1時間ほどで終わる。


祓詞は「かしこみかしこみも もうすう」で終わるのだが、最後の節で途切れるので、てっきり言葉に詰まったかと思ったがそういうものらしい。


旬祭自体は本殿で行われ、屋根はあれど外気の中で一時間ほどいることになるので体が冷え切っている。その後、神職の講和を拝聴する。
天皇陛下行幸され、鹿の角切りをご覧になった際に「鹿は偶蹄目ですか」とお尋ねになったという話やらをされていた。流石、生物学者。奈良の鹿が口蹄疫にかかっていやしないか心配されたことに対して神職が心底感動したそうな。当時まだ誰もそんなことを気にかけてくれてなかった中で天皇が想いを巡らしてくれていた、と。



確かに鹿に口蹄疫が感染した場合はどう処遇されるのだろう。宮崎では横綱級の種牛とて例に漏れず全頭処分という苛烈な処置が取られた。一方で神の使いとされる神鹿である。天然記念物に指定された野生の鹿とされているので家畜のようにはいかない。感染が確認された際には養畜業者の生活保障と伝統ある宗教とどちらを取るのか。



仕舞いには、万葉植物園脇にある春日荷茶屋の万葉粥と同一のものを大きな集会所で神米粥を頂く。「普段あれがうまいこれがうまいと贅沢を言いがちだが、何の変哲の無い御粥も腹を空かせて戴けば美味しく頂けるものです」と神職の方がおっしゃっていたが本当にその通りだと思った。虚飾を取り払って簡素なものへの有難味の念を取り戻せるような気がする。



春日大社の参道では若い雄鹿が雌鹿に春をねだっていた。跨ろうとする雄鹿に対して雌鹿は大慌てで逃げるでもなく、ほんの数十センチだけ腰をずらすという雄鹿にとっては屈辱的なあしらい方をされていた。まだまだ、春遠し。



それにしてもこんな無防備な鹿が野生動物だといわれても。。。