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丹波黒豆

好みの料理

折角なので出来合いのものではなくて豆から正月用の黒豆と大正金時を作ることにした。市販の品は糖の味しかしないほど極めて甘いものばかりなので、丹波黒豆を食料品店で買い求め、これを砂糖少なめで豆の味を感じられるように作ろうかと思う。


黒豆の含意はまめに暮らせるようということらしいが、豆料理は始まりから終わりまで時間がえらくかかる。黒豆を自分で作る時点で十分「まめ」なのではないか。調理方法は微妙に異なるものが世の中に溢れているが、手軽さ重視ではないものを選んだ。それにしても、いきなり錆びた釘を数本用意しろと言われても困る。一般的には錆びた釘は捨てるし、調理器具とは認識されていないのではなかろうか。未使用の鉄器灰皿の蓋で代用することにした。


黒豆はまず水洗いをし、鍋に煮立てた水を火から下ろし、熱いうちに醤油や砂糖に鉄片、黒豆を加えて一晩かけて出汁でゆっくりと黒豆を戻した。熱い煮汁につけて黒豆を戻すと調味料がゆっくり入っていくので、黒豆にしわが寄らないのだそうだ。


大晦日の午前中から鍋を強火にかけて煮立て、灰汁を取り除いてはまた煮立てるのを3回繰り返し、渋みや雑味のもとになる灰汁を徹底的に取り除く。そこからは落とし蓋の上から更に蓋をしてごく弱火にして煮ること4時間ほど。煮汁がひたひたになるほど煮詰まったらそのまま冷まして味を含ませる。調理方法は8時間煮ると書いてあったが、3時間ほどで汁が殆ど飛んでしまった。完全密封の蓋でもっと弱火で煮る必要があったらしい。また水を加えて煮たのだが、急にがばがばと水を加えたせいか、豆の色が漆黒だったのが濃茶に薄れてしまった。最終的には再度煮詰めると漆黒に戻ったので安心したが。


煮汁に黒豆が浸かっていないとしわが寄る原因になるようで、煮汁の量で黒豆をぷっくりとさせるか皺皺にさせるか自由にできる。一部地方では「皺が寄るまでまめに」との含意で皺だらけの黒豆にするらしい。


一度作り方を覚えれば、時間こそかかるもののたいして難しくはないし、手作りする価値のある味の差かも。やはり黒豆は減糖で作った方が豆そのものの味がして美味い。熱々の黒豆は美味くてつい、作りながら摘み食いを続けてしまう。


来年は純米吟醸酒を台所横に完備して摘みながら、ちびちびと飲みながらだらだらと作ろうかと思う。