大正金時

大正金時は赤い隠元豆だということを知らなかった。昭和初期に北海道の大正村で主に生産されて有名になった所謂産地ブランド豆であるらしい。


隠元豆は黄檗萬福寺隠元和尚が明から渡日する際に中国からもたらしたということは知っていたが、関西では藤豆のことをインゲンマメと呼ぶことも多く、実際に持ち帰ったのは藤豆ではないかとも言われているそうな。


豆料理ってやつは丁寧に作るとなると仕込みに時間がかかる。大正金時も30日の晩に水に漬けこみ一晩かけて戻す。水に戻したばかりのそれは紫がなんとも綺麗。


そして翌日になって結局調理するわけだがこちらは中火で煮立てては水を捨てること三回。そこからさらに弱火で柔らかくなるまで煮込んだ後に調味料を加えて煮汁がなくなるまで再度煮詰める。錆び釘だの色だの厄介な要求がないので黒豆よりもはるかに楽だ。


大晦日の3時ごろにオヤツ代わりに摘み食いするのに最高。熱々、ホクホクで甘い。ただ始まりから終わりまでが長いのは難だが、手作りするだけでこんな手軽に美味しくなるなんて豆の魅力再発見。それにしても黒豆も大正金時も市販のものはなんであんなにべったりもったりと甘くしてしまうのだろう。台無しだ。