手仕事

どうにも、自分の手で何かを作りたい衝動が強い。


子供が生まれて以来、時折料理を作るようになった。派手で華やかな料理よりも有名な料理教室に通うよりも家で総菜や日常食を作ってみるほうに興味がある。これが思いのほか、楽しい。暇な時間がたくさんあった学生時代からもっと作れば良かったと今更ながら思うがようやく自分の中で機が熟したのだろう。


陶芸で土を自分で練って皿やら植木鉢やらを作るのも思いのほか没頭できて楽しい。


そのうち、息子のための日曜大工も始めそうな気がする。机やら、椅子やら、ストールやら、玩具やら。


下手ながらに、自分でも作れるものなら作ってみたい。もちろん、それを本職にしている職人のように上手には作れない。時折、自分は一体何してるんだろうとすら思う。合理的に考えれば職人の作を金を払って買い求め、自らの時間はこれといった分野に集中すべきなのだというのは頭ではわかっているのだが。これというのも企画に携わっても世に出る頃には別の職場で別の仕事をしているような大きな組織で働いているからかもしれない。自分で作ったものを自分の目で見たい。自分が拘った個所や工夫した個所を自分の目で確認したいのだろう。


素直に合理的に生きても満足できないようにひねくれて育ってしまったのだから仕方がないと思っている。