ハロウィンらしいことをしてみた

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南瓜をくり抜いてジャコランタンを作ってみた。花屋で売られるランタンDIY用の南瓜は水気が多く柔らかいので、簡単にくり抜くことができた。水気が多いせいで腐りやすく1週間ほどしか持たないらしい。来年は彫刻刀を使ってもっと凝った彫り物をしてみても良いかもしれない。

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親分パンプキンに手下のパンプキンズ。

食用の緑の南瓜を買ってきて、マッシュして核にクリームチーズを入れ、子供達に顔を描いてもらったあとでグリルで焼く。レシピのように砂糖を入れなくとも甘く、むしろ塩を少し振ると甘さが際立つ。見た目はともかく旨い。

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益子の外池酒造でサービスでもらった酒粕と秋田から届いた鮭で粕汁を作った。酒粕は若干、少な目にした。これが子供に大好評でうまい、美味しい、美味しいと食べてくれた。味は申し分ないのだが、もう少し見た目を頑張りたい。

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京料理屋のちりめんじゃこに自作山椒の佃煮。どれも日本酒に合う。

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そんなコロナの年のハロウィン。子供達はおそらくカボチャ祭か何かだと思っている。



理想的な陶芸家像 高根沢三郎

益子のカフェ「1 1/2」で見かけてなんとも魅力に嵌まってしまった珈琲カップとソーサー。マスターにこの人の作品を買える店はないかと聞いたところ、民藝店ましこを紹介してもらった。

 

作者は高根沢三郎さんという方で、農家に婿入りし、半農半陶の生活を送るという。

 

半農半陶と聞いて余談になるが、直火からガス、土瓶から金属薬缶へと生活様式が変わった際や世界恐慌など幾度の危機を益子の窯元が生き延びられたのは家族経営の半農半陶が多かったからだと知った。昨今のコロナ禍でも従業員を雇って経営しているようなところほど廃業は多く、家族経営で家族だけで切り盛りしているようなところは耐えられているという話も聞く。借金は資産だと嘯いて資本にレバレッジを効かせる商いは好調時には富を築けるが、危機には弱いのかもな。そして危機は誰にも想定できない形で定期的に到来するのは歴史的事実。

 

話を元に戻すと、この高根沢三郎さん、半農半陶なわけで専業ではないので作られる器の数が少ない。

さらに作風の幅が広く、これも同じ人の手によるものか、と驚くぐらい。そしてどこから着想を得たのかわからないような唯一無二の模様を描いたりする。私が嵌まったのもこれだ。彼の作品ならどれも好きなわけではなく、一部に強烈に惹きつける器がある。

 

陶器販売店の店主曰く、ファンも多いのだがなかなか作品が納入されないという。しかも、似た物が欲しいという客の強い要望を伝えて次回もこんな風な器を作って欲しいと依頼しても、想像と異なる器が納入されることも多いそうだ。要望を無視されたのか、作者の中で要望を解釈して応えたのかわからないぐらいに。

 

彼を知るほどに興味が湧いてくる。彼の父親は加茂田章二なのだという。多くの人が鬼才、天才という冠をつける益子の陶芸家。人間国宝である浜田庄司や島岡達三よりも、個性の強さから魅せられる収集家も多いとも聞く。そんな陶芸家の息子として語られることを高根沢三郎さんはとても嫌うのだという。長男は陶芸家となり、次男は画家、工芸作家となり、三男として農家に婿入りした。俺は陶芸家ではない。農家の片手間に趣味で好きな陶器を作っているだけだ、と。

 

親に高名な芸術家を持つ子供は少なからず苦しむ。親の劣化コピーに留まるのか、親と同じ高みに達するのか、独自の境地を開拓するのか。当たり前だが、親も故人となっては新しい作品は生まれない。親は高名な芸術家としての地位と名声を確立するだけあってその作風は魅力に溢れている。息子や娘が親の作風を受け継ぎ、似た作品を作れるようになってくれると親の作品のファンにとっては嬉しい。上村淳之にとっての上村松園、金城敏男にとっての金城次郎、濱田晋作、篤哉にとっての濱田庄司、デビッド・リーチにとってのバーナード・リーチ。皆、作風に親の面影が色濃いように思う。

 

高根沢三郎さんはどうやら、違う。親の作風を真似る気配はない。

 

鬼才加守田章二の才能の片鱗を受け継ぎ、なおかつ副業として作りたいものを作りたいように自由気ままに作っているところにその魅力があるのだろう。

 

いつ商品が入荷できるかわからない。希望してもその作品を作ってはもらえない。でも新作も魅力的。表の姿は農家。

 

片手間で作陶なんて全身全霊で作陶に向き合っていないなどと言われるのだろうか。それは献身や犠牲の多寡で物事を評価する、嫌いな考え方だ。芸術分野は実力主義に尽きるべきだろう。何も背景を知らない単なる陶芸好きの素人の私に「この作品はどこで買えるのか」「誰の作品か」と問わせた事実が高根沢三郎さんの実力だ。彼の作品を待ち焦がれている販売店と客がいるのも事実だ。私に評価されることに価値がないとしても、プロからの芸術としての評価が異なるとしても。

 

私に加守田章二から受け継いだ才能も、高根沢三郎の感性も技量もないけれども、「彼、本業は勤め人だから作品は少ないんですよねー。しかも人気の作品をまた作ってくれと言っても作ってくれないし。でも良いんですよねー。入荷したらお知らせしますよ。」

そんな風に言われて、取り扱ってもらえる店があるのが理想的だな。

 

ちなみにGoogleで検索して表示されるヤフオクに出展された高根沢三郎作品は私が惹かれた類いではない。ネットでも全然彼の作品の画像が出てこないのがもどかしい。

 

益子の懐古趣味、古道具、珍しい植物備忘録

益子は昭和懐古趣味の人達にとっても魅力的な街なのだそうだ。

 

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古い琺瑯看板もちらほら。熱心な収集家のいるジャンル。私には幼少の懐かしい記憶というには古すぎてどちらかというと映画の中やテーマパークで見るファンタジックな光景だけれども。

 

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昔懐かしい光景を求めて遠くから人が来るそうな。今も存続しているブランドの古い看板はより興味深い。

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骨董屋さんも覗くと面白い。よくわからん看板の少年に覗かれていた。帽子にレモンと書かれている。

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てへぺろな人形も粧し込んでいる。ぺこちゃんは設定上、何歳なのだろう。

 

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益子陶芸村の向かいにある古家具屋へ。

 

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ここでは錆びた金具を購入した。アルコールランプなどを載せる台だったのではないかとのこと。廃校から流れてきたのだろうか。脚は取り外せるのが気に入った。1000円也。見る人にとってはガラクタに過ぎない。そこらに転がっていても、こんなん売れるのかと思うかもしれない。

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多肉植物鉢の台を探し求めていた私にとっては運よく出会えた、見つけられた価値のあるモノ。自然に湧いた錆びが浮かぶ、理想的なシロモノ。何十年の歳月を経て産み出されたものはケミカル処理で錆を沸かせてもなかなか同様にはならない。人工的に錆させたものは均一に錆びていたり作為的になってしまう。

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こちらの骨董品屋も良い雰囲気。

 

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キャッシャーの外カバーを外されたメカニカルな姿が興味深い。

 

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黒電話なんかもあえて外カバーを外して、内部構造を剥き出しにすると面白いのかもしれない。

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昼御飯はNovelというカフェで食べた。

 

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ローストポークがなんとも蕩ける食感で美味だった。

 

 

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駅から城内坂に向かう際に買った饅頭屋。「赤羽まんぢう」という。濱田庄司も愛したまんぢう屋だそうだ。創業96年の老舗。

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鹿島神宮。陶祖大塚翁と刻まれた石碑がある。窯元のオオツカさんと繋がりがあるのかね。

 

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私も疫病退散祈願の神頼みをしておいた。

 

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最後に益子で見かけた植物をいくつか。斑入りの朝顔品種。確かに海老茶色の朝顔だとか朝顔の多彩な品種改良に熱中したのは日本に特異なことなのかもしれない。 

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一部の茎に出現した奇形でもなく、どの花付近の葉も赤く染まっている。この植物の名前は何と言うのだろう。初めて見た。

 

都道府県魅力ランキング最下位の栃木県。陶芸の聖地、益子を一人旅。続

益子といえば陶器。古くからの陶器の街で浜田庄司が移り住んでからは民藝で盛り返した益子焼き。今も作家が多く移り住み、春秋の陶器市には多くの陶器好きが集まる。本当ならば秋の益子陶器市に来たかったのだが、今年はコロナのせいで開催されない。

 

益子駅から城内坂を辿り、宿「古木」までを辿ってみる。

 

  1. ダントツのセンス、ギャラリー陶庫
  2. 登窯が見事な大誠窯
  3. 美意識の塊、浜田庄司
  4. 陶芸メッセのルーシー・リー代表作
  5. 夢広場の激安良品陶器作家
  6. 掘り出し物に出会える窯元共販センター
  7. 作陶合宿に最適な作陶古民家「古木」

 

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駅前には何もないが、城内坂方向へと歩いていくと次第に雰囲気のある建物が増えてくる。

 

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まずは城内坂入口付近にある陶器ギャラリーショップ「陶庫」。店建築の素晴らしさは益子一番なのではないかと思う。明治、大正、昭和それぞれの時代の建物が連結されており、内装や展示の仕方が素晴らしい。

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木造家屋のほうには飾り棚や卓上に品よく器が並ぶ。

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蔵は大谷石が使われたギャラリー。棚を置いてしまいそうなものだが、なんとも贅沢な並べ方。こういうのがセンスというやつなのだろうね。

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益子らしい柿や糠青磁釉の作品達。しかも小皿800円、飯茶碗1500円とさほど高くない。

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作品も空間も眼福。

 

向かいにあるもえぎ本店も人気の作家作品が入れ替わりで展示されるようでここも必見。

 

城内坂の坂途中を左折すると陶芸メッセ、わかりやすく言えば益子陶芸美術館があり、さらに浜田庄司邸がある。

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「用の美」と称して普段使いの雑器に光を当てた民藝運動。しかし登窯を占有しこんな立派な邸宅で作陶した浜田庄司は庶民なんかではないわな。一回焼くごとに4、5tもの薪を使う登窯。それを生活の為の器の量産ではなく自らの表現の探究に使うなんて、お大尽な贅沢とも言える。

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美しい、そしてなんともなんとも分厚い茅葺屋根。

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板の蓋が嵌められているが、ここで轆轤仕事をしていたのだろうか。

 

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座敷も静謐。良いものは古びても美しい。

 

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我が家には和室がないけれども、趣味の和室を持ちたい。

 

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折角ならば軸を掛けてくれたら良いのに。

 

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トルコ青磁釉かと思いきや、日本にも糠青磁釉という伝統的な釉薬があった。糠白釉95%、酸化銅5%。この緑青色は典型的な銅の発色。今度、工房に取り寄せて使ってみようか。

 

陶芸メッセに移る。基本的に展示品は撮影不可のマークが付いていたので撮影していない。しかし、ルーシー・リーの作品にはついていなかったので撮影可と解釈させて頂いた。わからん。

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みんな大好きルーシー・リー花鳥画なら伊藤若冲、近代陶芸ならルーシー・リーというぐらい婦人画報あたりが好きそう。私の偏見だが。その代表作といえばピンクの象嵌線描の鉢とこの青に金が縁取った鉢ではないかと思う。この代表作はここ益子にあったのか。部屋に飾りたくなる万人が良さを感じられる作風。

 

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腰から高台への曲線も、薄さも現代の感性によく合うのだと思う。

 

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ピンクじゃなくても綺麗。そうだ、象嵌線描しよう。陶芸メッセにはもちろん浜田庄司人間国宝島岡達三の作品などずらり。この人達の作品は真似る気が起きない。

 

城内坂に戻る。店と器販売店の展示の素晴らしさで一推しは大誠窯だろう。

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何せ現役稼働の登窯がある。しかも惚れ惚れするほどに作業場が整理整頓されていて元工場勤務の身としてはとても好感が持てる。周囲に資材を乱雑に積み上げていたりするのはよろしくない。5S。

 

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自分の器を一度は登窯に入れて焼いてみたい。

 

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大誠窯の器は益子らしい民藝らしさも多分に残していてとてもセンスも良い。

 

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店内に陳列される前の器達。作業場を客に常時見せられるぐらい整頓されているのは繰り返しでしつこいがとても感心する。

 

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しかも、山羊がいて、鴨がいて、ひよこがいる。他の店に回る時間を削ってでも長く滞在してくまなくみる価値のある窯元。

 

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陶器の窯元の街ならではの景観。

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埴輪だらけの店があったり。

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こうして飾るんですよ、というお手本があると購買意欲がそそられる。

 

城内坂を登り切って降り始めた夢広場にテント販売の店が6つほどある。

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そのうちの一つ。このスープボウルと受皿のセットで1200円だと。思わず瞳孔が開いた。熱烈なファンがいるらしく、私が物欲しげに見てると、他の客が「ここの器、いいだろ」「この色と組み合わせは益子でもこの店しかないんだよ」「しかもまとめてそれなら1200円。安いだろう」「他で買う気しなくなっちゃうよ」などと、店主に代わって客が何故か私に売り込んでくる。f:id:mangokyoto:20201025132941j:plain

「さすがに上と下でそれぞれ1200円でしょ」と指摘してみたが、ボウルと受け皿で本当に1200円だった。

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寡黙な主人に話しかけると「私が作って売っとるのよ。じゃなきゃこの値段では売れん」と仰ってたが自分で作ってるからと言って普通この値段では売れない。焼成費すら回収できているのだろうか。店舗も持たず、直売すればマージンも抜かれないから作品が人気で回転するならば成り立つのか。

 

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この一輪挿し、なんと800円だそうだ。益子は恐ろしい。京都の五条坂陶器市なんてセミプロというか半アマチュアが仕損じ品のような器にまで2000円ぐらいの値をつけて売っていたのに。

 

 

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益子焼窯元共販センターなるものがあって、広大な駐車場には大型バスが止まる。様々な窯元の器が一堂に帰す場所のようだ。

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こういうところには、私の好みの器は無いことが多いのだが

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あった。恐るべき益子。520円。安い。日常遣いに最適で、これぞ民藝という柿釉に糠青磁釉を十字に掛けたデザイン。名の知れた作家の数千円の作品である必要はない。そもそも、「用の美」を訴えた機能美溢れる、素朴さが売りの民藝の器が数万円の美術品に持ち上げられてしまったのはミイラ取りがミイラになったようなものだ。桐箱に入れた民藝の雑器など、存在矛盾とすら思う。民藝の器を使わずに飾って所有を自慢し合うようなものにしてしまったことを浜田庄司は、河井寛次郎は、柳宗悦はどう思っているのだろうか。

 

 

そして宿へ。駅から歩いて30分ほどの距離だが、店に立ち寄りながらで4時間ほどかかってようやく辿り着いた。

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益子陶芸倶楽部の看板のかかる立派な門。

 

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ここには薪窯、ガス窯、塩窯などがあり、大学生や趣味家の本格的な陶芸合宿によく利用されるそうだ。

 

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宿泊棟の前にはピザ窯もあり、炊事場も完備。自炊もできる。浴室は現代的なスイッチ一つのシステムバス

 

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なんと、この日の客は私一人。8畳間が7つ、6畳間が2つはあったかと思う。68畳、独り占め。

 

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こうして8畳間が連なっている。無論、廊下に面しているので部屋を突っ切る必要はない。

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私は一番奥のおそらく最も格式の高い部屋をあてがわれた。使わないがコタツも完備。バスタオルも貸していただけた。

 

なんと、1泊素泊まり2600円。そこにさらに1000円のGo to travelクーポンがついてきたので差し引き1600円ということか。

全く虫がいないわけではないし、襖を隔てただけの隣室に鼾のうるさい客が泊まることもあるだろう。そういうのにおおらかな人にはお得な宿だ。

 

海外から1ヶ月ほど泊まり込んで陶芸に打ち込む人もいるらしい。ティミーさんという外国人の女性がいて、英語で教わることもできるとのこと。

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一夜明け、朝の自転車散歩。

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セイタカアワダチソウとススキの共演。

 

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益子陶芸村という8つほどの店が集まった田んぼの中の一角に縄文土器風の陶器を売っている店があった。

 

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縄文土器風の花器を作りたいと前から思っていたのだよね。非対称なアクの強いやつを。

 

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帰途、下館駅で電車の待ち合わせに40分も間が開いたので駅から出た。近くの寺になんと陶聖、板谷波山の墓を発見。

 

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駅前に戻るとセラミックミュージアムと称された陶板画も見つけた。

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青木繁というチョイス。

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裏には青木繁の最高傑作と呼ばれる「豊穣の海」があったのだが撮り忘れた。

 

帰り道も予想外な場所で陶器三昧だった。

 

 

作陶インスピレーション

  • やはり自分は陶虫夏草をもっと作りたい
  • 山羊鹿鉢も作りたい
  • 牛の陶人形を作りたい
  • 高根沢三郎さんのような心ゆくままの不思議な文様の器を作りたい
  • シモヤユミコさんのような鎬を入れたい
  • 青磁釉薬を使ってみたい
  • バーナードリーチ風ピッチャーを作りたい
  • 多肉鉢を入れ込める水盤を作りたい
  • 縄文土器風の大鉢を作りたい
  • 登窯で作品を焼いてみたい

 

都道府県魅力ランキング最下位の栃木県。陶芸の聖地、益子を一人旅。

ありがたいことに有給休暇を10月中に4日ほど取得しないといけないことになり、妻の許しも出たので一泊二日の一人旅に出ることにした。

 

御嶽山で一人キャンプ。下諏訪のゲストハウスに泊まって酒蔵巡り、温泉巡り、民藝に鰻。あれこれ頭に浮かぶ。滅多にない僥倖を最大限に活かすべく基準に据えたのが

・子供がいると楽しめない

・日帰りではしんどい距離

・一人でじっくり時間を費やせる対象

・財布に優しい

 

都道府県魅力度ランキングなるものが発表され、栃木県が最下位だそうだ。失礼な話だ。多くの人が知らないだけだろう。栃木には日光東照宮那須などの自然景勝地、鬼怒川や塩原を始め魅力的な温泉も多い。栃木はどうだろうかと考えてすぐに選択基準に当て嵌まる最適な目的地が浮かんだ。陶芸の聖地、益子があるではないか。

 

・陶器の店巡りなど幼稚園児がいたら危なくてしょうがない。割れた皿を買い取ることになる。

普通列車で3時間半。日帰りすると滞在時間があまり取れない。

・美術館、カフェ、ギャラリーショップ巡り。私の今後作りたい陶器作品に良い刺激が得られるかもしれない。

・便利な立地に素泊まり2600円の宿を見つけた。築260年の古民家宿。

これ以上のプランはないように思えてきた、一人益子旅。

 

益子で蒸気機関車

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新宿から湘南新宿ラインで小山、小山から下館、そして下館から真岡鐵道に乗り換えて益子を目指す。下館駅でやたら幼児連れが多いと思ったら、SLが目当てのようだった。C型が現役で走っているなんて素敵。

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3時間半、小説を読みながら電車に揺られて益子へ。駅から徒歩で宿を目指す。

 

益子で藍染布工芸

 

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特筆すべきは日下田藍染工房。江戸寛政の時代1789年創業の古い紺屋さん。建物が指定文化財になるのも納得の美麗茅葺屋根。

 

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中を覗くと72個の藍甕が並ぶ、惚れ惚れする光景。染色作業の真っ最中だった。

 

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藍染を目的として建てられた機能美が素晴らしい。

 

益子で虫標本

 

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お次は前後左右を陶器の店に囲まれる中で我が道をゆく「虫や」。ご主人が自らインドネシアなどへ飛び、採集してきた虫の標本が売られている。これまたご主人自ら木枠を作り標本箱に仕立て上げているのだそうだ。

「今年はコロナでインドネシアに行けなかったから在庫が補充できなくて困ってるよ」

「木枠を手作りしないとこの値段では出せないよね。」

「日本の玉虫とインドネシアの玉虫を見比べてご覧な」

「東京からも買いに来る人はけっこういるよ。」

 

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オオスズメバチを生きているかのように標本にした作品に目が釘付けになった。この距離でこの数のオオスズメバチと巣を見た日には死を覚悟するだろうね。

 

余談だが、日本蜜蜂は峰球を作るが西洋蜜蜂は作らないものだと思っていた。しかし西洋蜜蜂もすぐ学習して作れるようになるらしい。共通の祖先がすでに峰球を作っていたのだろうとのこと。

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宝石象虫のアクリル樹脂標本を買った。800円。値段の問題ではなく、欲しくともなかなか見つからない。

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上から下からネチネチと眺めて、次の作陶に活かせる。無駄なおもちゃではなくこれは参考資料だ。カラスアゲハ3500円、ルリオビアゲハ3000円などお宝がいっぱい。

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破格の値段で虫の標本が手に入る店がなぜか陶器の店が犇めく城内坂通りにある。別に益子に生まれたからといって陶器産業に就かないといけないこともあるめえ、俺は虫が好きなんだ。同調圧力に屈してたまるか。そう言わんばかりの「虫や」。

 

 

益子で日本酒を楽しむ

そしてGo To Travelの地域クーポンを使うのに最適な場所が外池酒造。陶器店ではクーポンを取り扱っていない店が多い。宿で自転車を借りて15分ほど片道を引き返し、益子駅の反対口へ。

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栃木のお酒は「惣誉」は知っていたが「燦爛」は初めて。しかも全国新酒品評会金賞蔵が益子の駅近くにあるなんて素敵すぎる。最近、海外の新しい賞が増えてきているが、世界酒蔵ランキング第4位だそうだ。調べてみるとこれはテニスのATPランキングに似たもので、全国新酒品評会金賞なら70ポイント、などと各種コンテストの賞が格付けによって点数化され、それを年間で合計したもの。どれだけ多くの賞を積み重ねられたかの総合点のようなものだ。1位が「作」の清水清三郎商店、2位が「蓬莱」の蔵、3位が「陸奥八仙」の蔵なので4位の価値は高い。「燦爛」をなぜ今まで知らなかったのだろう。

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木造家屋に煙突に倉庫。醸造タンクは近代化しているのだろうが、酒蔵の外見や建物は保存歴史建造物のように立派で清潔に手入れされていて見て楽しい。

 

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残念ながらコロナのせいで酒蔵見学は受け付けていないとのこと。幸い、併設カフェはやっているようなので、そちらで試飲させてもらうことに。

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全国新酒品評会金賞の大吟醸酒「燦爛」を5勺、ワイングラスで頂く。形容する努力をはなから放棄して「旨い」とだけ言っておく。

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何か酒のアテはありませんかね、と我儘を言ったら売物の鶏ささみの燻製ならあるということで、お言葉に甘えてそちらを購入し、切って出してもらった。もう少し飲みたくなり、大吟醸雫酒も頂く。こちらは「責め」をせずに袋から自重で滴らせた大吟醸酒。とりわけ不純物がなくスッキリとしていて、マスカットのような吟醸香

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昼から無料試飲、有料試飲の杯を重ねてかなり酩酊、幸せ。

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「望」という銘柄は販路をかなり絞った限定酒で蔵元ですら売ってないのだという。幸にして10月30日から池袋東武百貨店で販売するとのこと。ううむ、足を伸ばすか。

 

何を買って帰るか悩ましい。選んだのは「出す品評会で毎回何がしら受賞する、最近とても評判の良いお勧めのお酒です」と紹介してくださった純米吟醸酒。栃木県で作出された「夢ささら」という酒米を用いた酒。評判もよく、目新しさもある。そんな薦め方されたら、買ってしまうがな。飛良泉の丸飛のような味を勝手に想像している。

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益子でこだわり自家焙煎珈琲とアートを楽しむ

夜は1 1/2(イチトニブンノイチ)という自家焙煎珈琲屋へ。

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店内写真は撮っていない。推して図るべし。

店内は宝箱のよう。厳選に厳選を重ねた美術品や蒐集品がとてもセンスよく並べられている。陶器からアンティーク家具からアフリカ民藝まで様々な出自の品々が何故か調和されて並ぶ。

それでもって自家焙煎珈琲がとても美味しい。エルサルバドルキューバのシングルオリジンの珈琲をそれぞれ頂いたのだが初めての味だった。都内に増えているこの手の拘りの自家焙煎珈琲屋だと、酸味が強かったり、苦味が突出していたり、エッジが立ちすぎていると思うことが多い。それを通ぶっているというか、突き放した味にあまり好感を持てないのだよな。この店の珈琲はリラックスして身も心も委ねて味わえる美味しさというかなんというか。

マスターは饒舌な方で、お店の経営方針、理念を熱く語ってくださった。ランチプレートで忙しくお金を稼ぐのはやめて、あくまで珈琲に重心を置いてやっていると。「以前は21時までやってたけれども、コロナ後に営業時間を短くして売上も落ちると心配したけど、そこまで落ちないし閉店後に散歩する余裕もできたのが思いのほかよくてね」「人生において何を目的に店をやるかだよね」

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京都にもしばし行くようで寺町や新町、弘法市などの話で盛り上がった。

こんな感じの器が好きなんですと伝えると、「◯◯は店は大きいけど商業的量産品ばかりでつまらないと思うよ。」「小さいけど民芸店ましこはぜひ覗いてご覧」「益子は浜田庄司が有名だけれども天才と言えるのは加守田章二」「その息子さんの作品も良くてどうのこうの」とお勧めの陶器の店や作家さんなどの情報をあれこれ教えてくださった。ここのマスターのセンスは全面的に信用する。もうこの珈琲店を見たら納得。

 

ここまで、益子の核心的魅力とも言える陶器店や窯元には全く触れておらず。それにも関わらず記録しておきたい楽しみ方が沢山ある。益子は私には相当、楽しめる街のようだ。

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古い街なのでフォトジェニックな光景も多い。カメラを片手にぶらぶら歩きも楽しめる。

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陶器好き+蒸気機関車好き

陶器好き+藍染好き

陶器好き+虫好き

陶器好き+日本酒好き

陶器好き+珈琲好き

陶器好き+骨董好き

 

都道府県魅力ランキング最下位ですか、そうですか。人の評価に頼ると人生、損をする。

 

 

家族の集い、燻製記録。親戚上京。

親戚家族の集いとお祝いを自宅で開いた。


◎チキンレッグ。レモングラス、生姜、醤油と蜂蜜で一晩漬け込み、低温真空調理器で1時間半、中心まで火を通し、1時間乾かしてから熱燻製。美味しい。美味しいのだが、今回かけたもうひと手間に見合う驚きはなかった。調理数時間前に下拵えし、低温真空調理せずに熱燻しても足りる。それでも十分に美味しいのは実証済み。

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なんだかんだ、美味しい。燻製の違いの感じやすい食材で子供ウケも良い。

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さらにキツく熱燻し続けると、表面が硬くなりジャーキーのようになる。これも私は気に入っている。酒の肴に夜、つまもうと思っていたが、気付いたら妻が平らげていた。次回は最初から全量をキツめに熱燻しようかね。

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今回は桜チップとウイスキーオークチップを燻製に使用。ホームセンターで買える一袋400円弱のものだが3、4回分はあり、重宝している。


◎牛肉と牛蒡の土鍋御飯。生姜が効いていて美味しい。これは再度作る。事前に生姜を炒め、牛肉を弱火で火を通してから土鍋に投入した。生肉状態で火にかけたら味は落ちるのだろうか。


◎食事のスターターとして、あるいは夜のつまみとしてミックスナッツを一袋、ウイスキーオークチップで熱燻した。既に乾燥しているので下処理が要らないのも楽。しかも確実に燻製していないものよりもしているほうが美味しいと言える。みんな、お腹いっぱいだねーと言いながらその後も談話しながらつまみ続け、全て無くなってしまった。


△アボカドの種の穴にカマンベールを入れてオーブン焼き。半量をさらに燻製。特に驚きの美味しさというわけではなかった。アボカドはそのままワカモレにしてディップにする方が美味しいかもしれない。


◯玉ねぎ。500Wで3分レンジにかけ、さらにたっぷり30分ほど熱燻。そこに胡椒とオリーブオイル。片方は蕩けるような甘い玉ねぎになったが、もう片方は辛いままだった。調理法は問題なさそうだが、辛くない新玉葱や小さいやつを使うべきだったかな。


◎ケーキ。柿と洋梨を間に挟み、上部にはシャインマスカットを敷き詰めた。間に挟む果物は汁っぽい果物にして果汁をスポンジにもっと染み込ませたほうが美味しいように思う。今回は洋梨も柿もまだ固かった。シャインマスカットは定番に美味しい。


話は変わる。

姉弟の娘が地方から東京に大学進学で今年から上京してきた。5年ぶりの再会だ。前回会ったのは中学生の時。純真爛漫、学生服姿の田舎娘という感じだったのだが、久しぶりに会ったらメイクもして髪も染め、見違えてしまっていた。女性は化粧をすると雰囲気が変わる。

初対面の人とも気軽に話す明るい子なのだが、ほとんど大学に行かずオンライン授業なので友人も出来ずにいるという。

飲食店がCOVIDに大打撃を受けて経営難に陥る中、生活費を工面するアルバイト代もなかなか稼げず苦労しているという。

この大都会で人とのつながりも金も無いのはしんどい。金がないと居場所がないのが都会だ。金がなければ人とのつながりが大事な生命線になる。

明るいあの子のことだから、友人を作って生活を楽しみ始めるのは時間の問題だろう。ただ、街も世の中も知らない子にとって都会は落とし穴は多い。何か間違いのないよう、困った時の駆け込み寺であれたらと願う。


私も大学進学を機に初めて親元を離れて一人暮らしを始めた。確かどこかの街中の絵画ギャラリーにふらりと入った際だったと思うが、とても綺麗なお姉さんに話しかけられ、後日カフェでお会いしませんかと持ちかけられた。暇など有り余っていたし、都会はこんな出会いのある場所なのか、などとおめでたい思考で待ち合わせの約束に応じた。

何を勉強されているのですか、絵に興味があるんですね、部屋に素敵な絵が飾られていると幸せな気分になりますよね、絵に興味があるなんて素敵ですね、と気持ちよくさせるような雑談を1時間ほどした後に10万円のリトグラフを買わされそうになったことを思い出した。黒歴史


小さな失敗や落とし穴を経験できると良い。最初から取り返しのつかないトラブルに巻き込まれませんように。



心の整え方

あれこれうまくいかなくて、厄介な問題が目の前にあって、心のバランスが酷く崩れていると感じることがある。そんな時の立て直し方の備忘録。

 

車で旅行に行く。

日常は忙しく生活時間帯の様々なすれ違いもあるから妻と話す時間は少ない。

目的地までの車中の数時間、他にすることもないのであれこれ話をする、話を聞いてもらう。これが貴重な時間。ありがたい。

そして旅先に家族風呂があれば家族みんなでお風呂に入る。私はなんだか家族の一体感を感じられる時間で好きだ。

 

子供達と一緒に寝る。まだ、手を繋いで寝たがる。あと何年続くか。

 

笑う。笑いのツボは人それぞれ。

稲中卓球部」「荒川アンダーザブリッジ」。最近読み始めた漫画「歯医者さん、あタッてます」も笑わされた。

Youtubeで漫才を見ても笑わされる。

 

仕事外の人と話す。時間を過ごす。家族であったり、友人であったり。別に楽しいことだけでなく、家族や友人にまつわる何か心配ごとに心を砕くのも良い。仕事以外にも気にかけるべきことはある。

 

趣味の世界で、あれをしたい、これをしたいという欲求を惹起させる。あれをしたいから「さあ仕事をやっつけよう」と思えるようになる。

 

「仕事」以外の刺激や時間を十分に取ることで、自分の中での「仕事」の比重を下げ、希釈することで冷静さと客観性を回復させる。つまらない組織内の人間関係やしがらみから距離を取り、仕事で注力すべきことを認識し直す。それにより、気力が取り戻される。

 

逆説的だが、仕事をある程度、「どうでも良い」と思えるようにすることが固執や感情的しこりを無くさせ、仕事にバランス良く向き合えるようにする。自分なりの心の整え方だと思う。

 

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道端に足も止めずに流し撮りした朝顔が後から観たらなかなかに美しい。光が花の中央から溢れているかのような。無作為の傑作。日常の些細なことでも自分で自分の機嫌を取るのに役立ってくれる。