佐賀の旅程記録。カップルにこそ佐賀周遊旅行を勧めたい。

のべ国外滞在時間8年にわたり世界50ヵ国以上世界遺産99ヵ所を旅して回ってきた旅好きな私が回し者ではないかと思われるぐらいに佐賀は猛烈に推薦したい穴場観光地だということをしつこく主張したい。しつこく。

想像していた以上に唐津呼子伊万里、有田、武雄は互いに近い。

日本酒の蔵密度は日本で4位らしい。万齢、鍋島、能古見など美味しい酒も多い。

焼物天国。窯元に行くと作家がたくさん話をしてくれる。

美味。呼子ならではのイカ活け造り、魚介全般、ちゃんぽん。ハズレが無かった。

サウナーにとって憧れの地、サウナシュラン3年連続日本一の「らかんの湯」が武雄駅から歩ける距離。

温泉も唐津温泉、武雄温泉は素晴らしかったし古湯温泉、嬉野温泉も素晴らしいと聞く。

御朱印御朱印帳が魅力的。

フォトジェニックな建物や街並みに溢れている。

 

日本一のサウナ、日本一のイカの刺身、日本一の磁器、日本一の御神木に加えて海鮮、酒、温泉、陶器と全てが狭い範囲に揃っている。一人旅やカップル旅にこの上ない旅の目的地ではなかろうか。

これらがバラバラに存在していて相乗効果に乏しい。演出や宣伝が下手。

1人客お断りの宿が多い。

夜、観光客が遊べる店が少ない

佐賀が全国都道府県魅力度ランキング最下位なのは素材はあるのにコース仕立てにして売り込めていないだけという結論に落ち着いた。

 

この際、中高年の認知度を変える努力など諦めてしまって若いカップルや友人同士をターゲットに絞り込んで取り込んでいっては如何か。私は婚前に来たかった。

 

カップルにこそ佐賀周遊をお勧めしたい理由

浴衣や着物を着て街歩きをするのに映える街並みや名所に溢れている。唐津ならば唐津城、旧唐津銀行、鰻の竹屋、眼鏡橋。有田もそこら中が大正ロマン時代劇のセットのようだし、武雄の朱塗りの楼門や新館も映える。

ユーリオンアイス、ゾンビランドサーガなどのアニメの聖地でもあるらしい。

武雄の殿様の湯は広々としているし夫婦、カップルでも一緒に入れる。お互いが一層魅力的に見えること間違いなし。唐津、嬉野、古湯など名湯にも貸切風呂多数。

武雄神社は鮎占いや縁結びの夫婦杉やカップルがうふふきゃっきゃできるネタに溢れている。

宿泊は御船山楽園ホテルでTeamLabのアートを楽しみつつサウナブームの頂点を経験すれば良い土産話になる。

酒も寿司も居酒屋も味からすると東京の半分の相場感。呼子イカは2人して興奮できる。

大人の嗜みとしての本物一流の焼酎、日本酒、陶磁器を知ることができる。

博多弁は聞き取りやすいし親しみが湧く。

観光客ずれしてないのか、とても温かく歓迎してくれる。

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4/10日 東京-呼子

移動 7:35-9:35 羽田 福岡 SKY003

移動 10:30-12:50福岡空港-西唐津- 呼子

昼飯 ブンのパン

晩飯 呼子河太郎

宿泊 尾上旅館 5千円

 

4/11日 呼子-唐津

加部島大橋

呼子朝市 

移動 呼子-唐津

唐津神社、唐津城

Caffe Luna

中里太郎右衛門陶房

隆太窯 中里五男の窯元

ギャラリー一番館

唐津銀行

一天張 ワラスボが食べられることもある

Caffe Luna

宿泊 鳩麦荘 4千円

 

4/12 唐津-伊万里-有田

伊万里-窯業団地線大河内山行

鍋島藩窯公園、30の窯元めぐり

古伊万里酒造 磁器入りカップ

白華窯 吉永サダムさん工房訪問

伊万里駅に戻り松浦鉄道

ひとふし ちゃんぽん

宿泊 ケラミック有田 5千円

 

4/13 有田

陶山神社、李参平の碑

泉山磁石場

ポーセリンパーク、ツヴィンガー宮殿。

宗政酒造

深川製磁チャイナオンザパーク

ギャラリー有田

佐賀県立九州陶磁文化館

手塚商店、深川製磁本店

ひとふし 皿うどん

宿泊 ケラミック有田 5千円

 

14-有田-武雄

香蘭社 8:00〜

陶山神社 9:00〜

武雄神社

武雄図書館

15:00〜17:30 御船山温泉 らかんの湯 

居酒屋「心酔」

宿泊 京都屋 5千円

 

15-武雄-東京

雄大衆浴場 殿様湯

博多阪急で土産物のまとめ買い

16:20-17:55 SKY018 福岡 羽田

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佐賀からの戦利品

佐賀の難点は魅力的な物産が日本酒や陶磁器など重くて割れるものばかりだということ。缶詰も地味に重量がある。

 

松浦漬の缶詰

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宮内庁御用達の日本三代珍味の松浦漬け。一缶で1000円以上した。どんな味がするのだろう。

 

唐津の地酒「太閤」のカップ酒。
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唐津くんちの曳山の台数だけ14銘柄あるらしい。やはり一番人気は五番町の魚屋町の鯛柄だとか。

 

唐津焼煎餅

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なんと唐津藩御用窯の中里太郎右衛門窯の職人による絵付けの施された瓦煎餅。勿体無くて食べられない。食べたら普通に美味しい玉子瓦煎餅。
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裏を見ると確かに瓦煎餅だ。

 

古伊万里酒造の伊万里カップ酒。

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美味しく飲んで、容器はペン立てに。子供のコップにしても良い。

 

白華窯 吉永サダムさんの焼物

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iPhoneの撮影歪みの酷いこと。器を撮影するとゲンナリする。実際は完璧な端正な形をしている。
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内側が粉引で外側が黒色。縁の掛けわけの処理が綺麗。
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あえて木のソーサーに合わせることでカチャリと置く時の硬質音がしなくて済む。取手の形状も持ちやすい。ソーサーも傾斜をつけず、スプーンが溝に落ちないように配慮されている。
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こちらは登窯焼成に灯油窯焼成を重ねて燻が出た片口。薄く、天目のような縁の反り返りが親指と人差し指が嵌まって実に持ちやすい。
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細めに作られた注ぎ口もかっこいい。唐津らしい器でとても満足。ギャラリーに出ない定番シリーズだというのもわざわざ窯元で買った甲斐があって嬉しい。

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窯元で買うと安い。有り難いことだ。

 

青木陶房 氷裂青磁湯呑み

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別に大川内山の鍋島焼の聖地で氷裂青磁の器を買う必要もないかもしれない。ただ、こんなに見事な氷裂の湯呑みもなかなか見かけないと思って買ってしまった。
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黒土で作られた薄い生地に氷裂青磁がかけられている。生地がもっと厚ければさらに釉薬の染み込みが増えて色が濃く出るらしいが私にはこのぐらいがちょうど良い。
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溜まりを覗くと幻想的。少しセラドングリーン。

 

田中ふみえさんのプラチナ有田焼酒盃。

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細雨が遠目には藤のような模様を描く。iPhoneのカメラの特徴上、少し盃が歪んで見えるが本物はとても端正な対象形の形をしている。
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内側には粋な雷紋。辛口純米酒に合いそうな柄。柄部分のプラチナもカッコいい。
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瑞雲にもプラチナが施されている。陶器にプラチナでワンポイント加飾したサボテン多肉植物柄の器を作ってみようか。強棘類の棘の部分をプラチナにしたらカッコ良さそう。

 

豪華織物の唐津くんち御朱印

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めでたい鯛柄、五番魚屋町

 

陶山神社の御朱印帳袋

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ご朱印帳も素敵だったのだが唐津くんちのやつを買ってしまったので我慢。代わりに購入したのがこの見事な御朱印帳袋。御朱印帳の表紙と同じ織物が使われている。
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リュックサックの中に入れたら擦れて毛羽立ってしまうのかもしれないが、ここは敢えてそれを恐れずに使い倒そうと思う。
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裏生地すら見応えがある。
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底にジッパーがついていて、上の組紐を解かずに出し入れできる親切設計。これが2000円はとてもお値打ち。

 

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陶祖を祀る陶山神社から地震の多い日本での作陶の無事を祈ってお札を頂いてきた。

 

あとは佐賀では無いので割愛するが家族向けに福太郎の辛子明太子を七味と通常のものと柚子味を各種、蒸気屋の博多どうなつを12個。

 

はちきれんばかりの荷物と満足感。

佐賀で食べたもの

佐賀にはまた来そうな気がする。会う人に「最近、何してるんですか」と聞かれ、「佐賀、旅行先として最高なことを発見しました」と激推ししている。食べ物備忘録。

 

イカスミサイダー 呼子萬坊名物

イカの活け造りの店、呼子萬坊がこんなものを作っていたとは。イカスミのコクが加わり予想外に美味しい。

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ラベルのデザインも秀逸で好みだ。剣先イカの旗を掲げたイカ漁船にイカのマーク。黒と濃灰色で日章旗模様の背景となっている。
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お茶サイダーなどのご当地サイダーの中で上位に来る味。飲む価値あり。塩サイダーよりも好き。

 

パキスタン 唐津名物 

唐津焼に興味があるならルイーダの酒場的な情報ハブであり真子ママのいるお店、唐津のCaffe Lunaが創出した唐津名物。ナポリタン、シシリアンなどに対抗してナポリタンの上にカレーがかかったB級グルメ。なぜパキスタンかというとカレーのインド、ナポリタンのイタリアの間にあるからパキスタンなんだそうだ。ならほどな。インド寄りな味。

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ナポリタンはイタリアに料理としては無いけど地名的にはある。美味しかった。タバスコを投入して辛さを増しながら食べる。焼きパキスタンも美味しそう。

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唐津「一天張」で海鮮三昧

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カウンターに1人座らせてもらう。座敷客ばかりでカウンターは私1人。何かと女将さんに気を遣ってあれこれ話しかけてもらった。雰囲気の良いお店。

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平目のお造り。

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イカの酢味噌。鮮度の良い割烹居酒屋が出すこの手の品は美味しく無いわけがない。

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カナギ焼というものを食べた。シシャモより小さくメザシより大きい。
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アラカブの煮付け。金目鯛の煮付けと似た品で絶品。アラカブカサゴのことだそうだ。アラカブの味噌汁も人気の品だそうだ。
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美味しすぎて執拗に骨の間の身を漁った。

 

鯛味噌御握り

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ご主人手作りの三角皿に乗せられたのは鯛の身を叩いて味噌と練ったもの。唸る味。
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有田「ひとふし」のちゃんぽん

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呼子唐津では海鮮が中心だったので有田、武雄では一度は食べておきたいと思っていた「ちゃんぽん」
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こじんまりとした中華食堂だが「手塚商会」の主人が一番好きなちゃんぽんだと絶賛し、宿のオランダ人の主人が日本に帰ってくるとまずここに食べにくるというから間違いない。
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ちゃんぽん+半焼飯セット。
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麺は太め、長崎のものと違い佐賀のちゃんぽんは海鮮は入らないのだという。塩気が抑え気味で優しい味。野菜もたっぷりで日々に寄り添ってくれる味というかなんというか。しかも脇役的扱いな焼飯も胡椒と生姜が効いていて絶品だった。

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焼鳥やピザなど他にも食べるべき店をあれこれお薦めされたのだけれども翌晩も連続で「ひとふし」に来てしまった。ちゃんぽんが美味しいとなると「皿うどん」も気になって仕方がなかった。こちらも美味しいが4回「ちゃんぽん」を食べるうちに1回は「皿うどん」で気分転換といった感じか。
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他にどんな美味しい料理があろうともそれを食べそびれても後悔しないと思えるほど惚れ込んだ「ひとふし」。また有田に来たならば1択だろう。

 

ギャラリー有田

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2500種類もの有田焼のカップ&ソーサーから好みのものを選んで珈琲や紅茶を頂ける店だが、料理も非常に美味。1日5組限定の有田焼御膳に加え、マツコ・デラックスの番組で取り上げられたスープカレーも人気らしい。

 

武雄「心酔」

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ぶらりと立ち寄った「京都屋」の近くの居酒屋。何を食べても美味しくて驚いた。
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完全養殖で寄生虫フリーのQ鯖や佐賀牛のようにブランドを冠しているわけでもないのだが、つくねが東京でなかなか食べられないほどに美味しい。

「能古見」の中取純米吟醸や「万齢」など美味しい日本酒との出会いも多く途中から写真を撮るのを忘れて飲み食いした。鯖の塩焼き、ゲソの天麩羅、焼鳥各種。豚の紫蘇巻きも美味かった。

 

佐賀牛弁当

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幾度となく佐賀牛を勧められたので最終日の福岡空港に向かう列車待ちの時間に佐賀牛弁当を食べた。もう霜降りの多さを競うような肉の良さは私の身体には合わないことを痛感。ただ脂っこい印象しか残らなかった。焼鳥弁当でも食べておけばよかった。

 

それにしても呼子イカは絶品だったな。死ぬ前にまた食べたいものリストに載せたいものがさらに増えた。

佐賀の花々



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唐津城の道向かいの民家に咲く椿、三選。白く優雅な八重咲き。
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薄い桃色地に鮮血のような差し色。
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そして濃桃地に赤。どれもこだわり抜いた品種。


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唐津の宿に向かう細路地のアイリス。
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白と黄色のコントラストが美しい、今が最美な群生。

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風に揺れて


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唐津、そして佐賀県最後の銭湯「えびす湯」の入口に咲くアエオニウム「黒法師」の花。
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こんなに立派な黄色い花を咲かせるとは知らなかった。

 

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遺跡宮殿に菜の花。

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八重桜。
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そう言えば花は1ダ、2ダと数えるのでしょうと息子に聞かれ、1枝、2枝の間違いではないのかと疑ったが1朶(ダ)という数え方も確かにあるそうで、まさしくこの写真のように枝先にある花の塊を朶という単位で数えるのだそうだ。


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随分と紅い山法師だこと。
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我が身を今一度、洗濯いたし申し候 アラフォーからの異業種転職

我が家で10年ほど使っていた洗濯機が不調だったので遂に買い替えた。

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12kg容量、真白いシンプルなデザイン。洗濯から乾燥まで全自動の水平ドラム式。昔の洗濯機のデザインは存在感を示そうとするデザイナーの自己主張というか「我」が滲み出していてデザイン上の色気が鬱陶しかった。自己主張を消すことでより家に馴染み愛着の湧くデザインになったと思う。グッジョブ、パナソニック
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単なる白のシンプルさを追求しただけでは面白味がないからだろうか。古い機種よりもランプがカラフル。稼働している間だけカラフル。その控え目さが良い。

 

 

「日本を今一度、洗濯いたし申し候」と坂本龍馬は言った。

 

そんなスケールの大きな話ではなく、比べることすらおこがましい卑近な我が身の話でしかないのだが、アラフォー男の性根を今一度、洗濯し直す決断を下した。

 

全くの異業種への転職。

先の見えない世界へ。無い市場を作る仕事。

世間に、社会に貢献できる何かを求めて。

上場大企業から零細未上場無名企業へ。

高度に分業化された職場から自ら何でも実行する実力の世界へ。

大きな看板にぶら下がった世界から、小さな会社を背負う世界へ。

頂いたご縁と期待に精一杯応えたいと思う。

 

これからはYシャツと革靴を脱ぎ捨て、ツナギのような作業着と作業靴を着て働くことになる。

 

不安に押し潰され胸が躍る。

 

学び直しってやつだ。

佐賀6日目。殿様の湯

朝1時半に起きてしまい5時までうだうだとネットサーフ。それから早朝無人の温泉へ。サラサラとして気持ちの良い湯だ。

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朝、ロビーにあるオルゴールや蓄音機が飾ってあるコーナーで女将にレコードを聴かせてもらった。
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蓄音機の針は10回程度使うと駄目になるらしい。針の先端が丸まってしまい、それでも使い続けるとレコードを傷つけてしまうそうな。針がそんな直ぐに使い終わる消耗品だとは知らなかった。
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美空ひばりの後にルイ・アームストロングを聴かせてもらう。音の割れ具合、揺らぎがアナログな魅力。
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他にも年代モノのミシンがあったり
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「京都屋」は懐古趣味で興味深い宿だった。荷物を預かってくれたり、傘を貸してくれたり、飲食店や酒屋を勧めてくれたり。ここらへんは旅行者には必須サービスだな。

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チェックアウト時間10時近くまで二度寝して、10分で荷物をまとめて徒歩数分の武雄温泉を目指す。

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武雄のシンボルにもなっている楼門。これも辰野金吾建築だそうだ。

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洋風建築だけでなく珍しく和風というか中国風というか、東洋的なものを設計した。施工は清水組、今の清水建設だそうだ。
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少しばかり悩んだが、貸切湯の「殿様湯」に入ることにした。貸切1時間で3300円。
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なんと立派な休憩室の利用料金込みだった。
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独り占めなんて贅沢すぎる。家族と分かち合いたかった空間と時間。5名まで同一料金だそうだ。
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二間の休憩室を抜け、廊下の先の階段を降りると湯船がある。
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脱衣所、化粧台の備えられた広々とした空間は天井も高くて開放感がある。
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江戸時代中期に武雄鍋島家の殿様専用として造られた総大理石の風呂だそうだ。後年、シーボルトも使ったという。一晩の飲み代ぐらいで下賤な庶民が使わせてもらえるなど良い時代になったものだ。

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こんこんと注がれる源泉掛け流しの湯船。弱アルカリ性単純温泉はかつて伊達政宗宮本武蔵も浸かった温泉だそうだ。
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シャンプーリンスも使えて東京に戻る前に今一度身体を綺麗にできる。
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平日の昼間から風呂なんて贅沢この上ない。
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美人の湯だそうで。

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30分ほど湯に浸かり、残り30分は涼みながら休憩室で寛ぐ。それにしても広縁は素晴らしい建築上の発明だと思う。外と内との間のもう一層の空間。
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廊下に姿見が置かれていた。室内に置いても良いと思うのだが。
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呉服屋の広告が入った年季モノ。
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中には磁器製の酒樽があったり
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磁器製の碍子が残っていたり
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4畳+3畳の休憩室で大の字になってみたり、お茶を啜ってぼうっと寛いだり。
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幸せすぎて腑抜ける。

 

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一風呂浴びた後には武雄で運輸業で財を成し、九州の虎と呼ばれた宮原忠直の構想した温泉テーマパークの中核を成す新館を見学した。
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当時最先端のマジョリカタイルが貼られた八角屋根の浴室棟。
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階段を上がると
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大きな広間

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こういう風情ある歴史的建築は浴衣や着物を着て廻りたい。
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柳井正さんだとか、前澤友作さんだとか、現代の大富豪には後世の文化財になるようなものを建築してほしい。バスキアの絵画に123億円を払えるならば後世に残る文化財を創り出してほしい。勝手な願いの押し付けだけれども。

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最終日はダラダラと風呂に入り、時間を持て余すぐらいのんびりと散歩して終わった。武雄からはJRの特急に乗り、博多では阪急百貨店がJRと空港行き地下鉄の乗換経路の途中にあったので明太子やら博多どーなつやらをまとめ買いできて便利だった。

 

佐賀は魅力的にも関わらずガイドブックの情報も少ないのでちょっと多めに備忘録を残しておこうと思う。