クリニャンクールと合わせて是非訪れたいカフェレストラン。植物、廃墟、アンティーク、ビオ、低環境負荷。これらに興味がある人にはたまらん店だと思われる。食事がなにより健康的で腹に重たくなく、美味しいのは嬉しい。
廃線を跨ぐように建つ元駅舎を再利用したリサイクルがテーマのカフェレストラン。
線路の上に架かる外観も痺れてしまう。
現地のパリ人に流行りの店なようで入店に絶えず10人前後の列ができている。
植物好き、グリーンインテリア愛好家には見所豊富な店舗内。
かつての待合室だったであろう大ホールにはかなりの客数を収容できる。
ノートパソコンを取り出して仕事をしている人もいる。スタバでやってる奴はパリでは時代遅ればい。嘘。
煉瓦が剥き出しの壁に木枠、そして植物。勉強になるアレンジの仕方だ。廃墟的素材に鮮やかな貴族趣味の家具を合わせたり、そういう異質さの取り合わせを楽しむのが上手だと思う。
ラム酒に各種の果物を漬け込んだものもある。ヒンズー的ノンアルコール、ベジタリアンがコンセプトではないのだよな。フランス人の嗜好と楽しみに沿った無理のないヘルシーダイエタリー。
ビールやシャンパン、ワインも楽しめる。そしてセットメニューを頼むと果物や野菜を発酵させた特製ジュースがついてくる。
料理はとても品数の多い大皿のセットメニュー。完全にビーガンやベジタリアンというわけではなく、サーモンや卵、ベーコンも含まれている。連れのインド人はベーコンは無くしてくれというと、既存のものからベーコンを取り去るのではなく全て盛り直したものを提供してくれた。配慮に感謝。これにヨーグルト、角切りメロンのシードル、チョコブラウニーのデザート盛合せも付いてくる。
店のコンセプトや内装の魅力を抜きにしても、食事が美味しい。パンと有機ジャムが食べ放題、珈琲やお茶が飲み放題。ビール25clを別途頼んで合計20€は街中のカフェレストランで食べたらもっと高くなる場合も多いことを考えるとお得。
リサイクルがテーマのこの店。フランスは実は世界で一番フードロスが多い国だ。付け合わせの野菜やフライドポテトが完食されずに容赦なく捨てられていく光景はどのレストランでも見られる。この店では持ち帰りのアルミ容器が渡され、残りを持ち帰ることが推奨される。
店の外に出ると周囲は中東アフリカ系の人だらけなのにこの店の客層は見事に白人ばかりなのだよな。エコだのリサイクルだのそういう価値観に根差した消費に中東アフリカ系の人達は興味は薄いらしい。一概に白人が意識が高くて望ましいのかというとそうとも言い切れず、中東アフリカ系の目には美食の為に食べ物を残して捨てる白人フランス社会の気取ったカウンターカルチャーのように映るのかもしれない。
料理は自分で取りに行き、食べ終わったら食堂のように返却口に自分で返しにいく。
二階に上がるとそこは居間のような落ち着いた隠れ家空間。
艶のある紅ベルベット地のソファセット。
その隣には紫の応接セット。子供が乱暴をしなくなったらこんなアンティーク調のソファを居間に置きたい。
元荷物保管庫は貸切個室になっていてパーティやグループでの食事に最適。
1人で来ても居心地悪く感じにくそうな適度な喧騒空間なのも嬉しい。