仕事に思い悩みながらカフェ巡り 「Tokyo Bike」「棗」「Saten」

1月に入って調子が悪いのなんの。

ちぢにものこそかなしけれ、の心境でカフェからカフェへと放浪しながらあれこれ考えていた。

 

期待に胸を踊らせた新しい仕事が思い込んでいたようなものでなく意気消沈。いざ、仕方なく足元手元の仕事に専念しようと意識を戻すが芯を見失い手応えを消失し、がらんどうになってしまった。ささいなことにイライラして家に居るのもしんどい。

 

なんだよ、伝え聞く中年クライシスであり、世に言う厄年というありきたりな症状ではないか。大量生産品が狙いすましたかのように計画された製品寿命後にガタがくるかのように、私も汎用大量生産品の如くモチベーションにガタが来たのがやるせない。例に漏れない個性の無さが悲しい。

 

もっと働きたいし、働けるのだよ。面白い、没頭できる新しいことに飢えているのだよ。

 

 

f:id:mangokyoto:20190118133947j:plain

カフェ1軒目。高円寺南大通りを下り、東に入った人目につきにくい立地にある自転車屋兼カフェ「Tokyo Bike」。谷中にある自転車屋の支店。

f:id:mangokyoto:20190118133942j:plain

窓際にテーブルとパラパラと読める本や雑誌が置かれている。窓際は光が多く取り込まれ、明るくて気持ちが良い。最近見ることは減ったがガラスブロックも悪くないな。確か断熱性能は劣るけれど、店舗ならばさほど問題ない。

カフェラテは450円程度で専門的な喫茶店やカフェが500〜600円はすることを考慮すると高くはない。まあ、無難な味だ。

f:id:mangokyoto:20190118133957j:plain

後ろには自転車やパーツが売られている。ここで買った自転車をここに来てメンテナンスしてもらったり、パーツを買い足したりして店員さんと馴染みになり親睦を深めながらコーヒーを啜るのが望ましい活用法かも。オリジナルラベルの細身で軽量でありながら変速機付きの自転車は5万円程度が中心価格。

 

f:id:mangokyoto:20190118133952j:plain

 

f:id:mangokyoto:20190120121818j:plain

2軒目は西荻窪の「カフェ&うつわ 棗」。作家ものの器で美味しい定食を頂けるのではないかと期待して向かった。ちなみにその方面では「りげんどう」という器も食事も素晴らしい人気店が西荻窪にも既にある。

f:id:mangokyoto:20190120114743j:plain

定番の棗定食とやら1100円のものを頂いた。他にチキンレモンの日替わり定食、カレーなどいくつか。器はモノトーンでシンプルな形の陶器と味噌汁椀は漆器。醤油皿だけ呉須の絵皿。生成りというか、主張しない素朴なもので構成しているらしい。私としては「おれのここを見ろ」と言わんばかりの主張の感じられる作家の器をあれこれ楽しめたら良いのに、と思った。

 

料理は青海苔の効かせたサラダや柚子と出汁の美味しいほうれん草のおひたしなど、丁寧に作られていて美味しい。焼売も蒸し立てで肉肉しく美味。量より味、健康志向か、もう若くはない人に合う。

f:id:mangokyoto:20190120121721j:plain

二階の床を抜いて採光を良くしている。西荻窪にはよくぞまだこんな木造民家が残っていたものだ。高円寺にこんな風にリフォーム出来そうな木造建築はほとんど残っていない。

f:id:mangokyoto:20190120113350j:plain

駅から10分以上も歩く辺鄙な場所にあるのだが、満席にも関わらずひっきりなしに客が来る。周りの客は途中で入れ替わりもあったが全て女性だった。若いお一人様か、麻や生成りの服を着ているおば様。全員、リンネルの愛読者に見える。コンセプトがしっかりしていると立地が悪くても繁盛する良例か。

 

 

f:id:mangokyoto:20190120130457j:plain

3軒目は西荻窪駅に近く線路沿いに2018年4月にできたばかりの「Saten」。抹茶、煎茶、焙じ茶などのお茶が看板商品のカフェだがコーヒーやカフェラテもある。バゲットなどの軽食も出されるようになったそうだ。

f:id:mangokyoto:20190120130437j:plain

感想としては、京都にありそうなカフェ。褒め言葉として。内装も彩度が低く、ソファだけが鮮やかなベルベットブルーで際立っていて、レトロでありながら色気もあるというか。

f:id:mangokyoto:20190120130028j:plain

抹茶プリンはお濃茶を思い出させるような濃厚な抹茶味で、抹茶の味は殆どしないのに緑色だから色でもって抹茶味ですと主張している世の中の品々とは一線を画す。500円の品だがこれだけ抹茶味が濃厚ならば納得。カフェラテも美味しい。

これは他の王道なお茶も期待できそうだ。一番の収穫。再訪せねば。こういう店が高円寺にも欲しい。外国人の友人をもてなしに連れて行きたい。

 

 

カフェをまわりながらウダウダ考えたが、仕事で満たされない部分は短期的に趣味や家庭などの充実化でモチベーションを支える運びとなった。さしも草よろしくさしも知らじな、火種はまだまだ燻り続けそう。