道端にだれも見向きもされなくなった種の鞘がにょきにょきと群生していたので刈り取ってみた。
それをどういう気分で作ったのか思い出せない上腕骨肉鉢に植え込む。横から見るとまるで浮遊しているかのようにみえる鉢で、強度を考えると土を入れて多肉植物を植え込むと水遣りするのがハラハラする。水の重量も加わると指の接合部が折れてしまうのではないか。一度折れると、このアンバランスさだとどんな接着剤でもくっつく気がしない。 そこでこの鉢は重量のないドライプランツを飾る専用の鉢にした。
種の鞘の中に0.5mmほどの種が無数に入っていた。それを15分近く逆さに振り続けて既に取り出している。
種の鞘の先の真っ平な面が、私にはまるで腕の神経線維の接続端子のように見えてしまう。腕の接続手術で筋繊維だけでなく神経の縫合もするので、神経はそれなりに太いのではないか。
朝の自然光のもとでの再撮影。接続先を失った神経の束のようなイメージ。
それを書斎の窓際に飾った。水遣りの必要のない、ドライのオブジェだ。気が楽でよい。重力を感じない造形の鉢にはこれまた重力に乏しいドライプランツがやはり合うように思う。
彩度があまりに乏しいので、掌に帝王貝細工の花を一輪置いてみた。遠くから全体をみると、その紅に造形上も色彩上も重力を感じる。
「ナニコレ、変なの。。。」そう言われたらそれまでなんだけれども。
この花もカサカサに完全に乾燥しきっていて直射日光に当たっても退色しづらく、放置したまま長く楽しめる。