サボテン実生あれこれ。 恩塚鸞鳳玉V字、ウルトラ亀甲鸞鳳玉、ストロンギロゴヌム、姫春星、かぐや姫、精巧殿

種から育てると精確な樹齢を把握できる。私の手元で生まれ、育つ株というのも格別な愛着がある。ただ、株数が飛躍的に増えてしまう植物愛好家の泥沼とも言える実生。

手を出すべきか悩んでいたけれども、ついに手を出した。穴原希望丸だとか、恩塚鸞鳳玉のように作出家の名前を冠した亜種を生み出すのは実生に手を染める人の一つの夢ではなかろうか。

特化する品種を定め、これぞという形質が顕著に出た個体を選別し、幾世代も交配を重ねて形質を固定していく気の遠くなる作業。

 

取り敢えずは気楽に実生であれこれ育ててみようかと思い、奈良多肉植物研究所で販売している種をあれこれ注文してみた。


名前で選んだわけではない。しかし品種名というのはまるで怪獣映画に出てきそうな名前ばかりだ。「恩塚鸞鳳玉V字」。このVというのがビクトリーを意味する五番煎じのシリーズヒーロー名みたいだ。さらには「ウルトラ亀甲鸞鳳玉」ときたもんだ。ウルトラ星から飛来したのでしょうね。そして「ストロンギロゴヌム」に至ってはゴツゴツとした表皮を纏った宇宙怪獣のような名前だ。ストロング系で間違いない。これらはみな、アストロフィツム属(astron=星とphyton=植物の複合語)に分類される品種だ。アストロフィツムという属名からして宇宙怪獣っぽいので、「アストロフィツム属の作出品種名にはウルトラ系な名前をつけよう!」みたいな愛好家内の暗黙の了解があるのだろうか。フォーカリアが「波」であったり玉サボテンが「丸」だったりするように。

 

その一方で白サボテンの品種名はあらためて並べてみると「精巧殿」、「姫春星」、「かぐや姫」となんだか王朝文化のような優美な名前が多い。ツルビニカルプス属、マミラリア属、エピテランサ属と属名は違うが似た風貌のサボテンたちだ。べたに「光源氏」という白サボテンはあるのかと思ったらこちらはハオルチアの品種名、「藤壺」はコノフィツムの品種名になっているようだ。「蘇我馬子」とか「墾田永年私財法」とかは使われていない

 

そんなわけで私がこれまで愛好してきた棘の無いサボテンと触っても痛くない白サボテンの2グループの実生育成記録。


3月24日 晴れ

恩塚鸞鳳玉V字 11/20

ウルトラ亀甲鸞鳳玉  7/20

ストロンギロゴヌム 5/10

精巧殿 2/20

姫春星 1/20

かぐや姫 9/20



3月17日 晴れ

恩塚鸞鳳玉V字 11/20

ウルトラ亀甲鸞鳳玉  7/20

ストロンギロゴヌム 4/10

精巧殿 0/20

姫春星 0/20

かぐや姫 6/20

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3月13日 雷雨 大雨警報 8-11℃

恩塚鸞鳳玉V字 7/20

ウルトラ亀甲鸞鳳玉  7/20

ストロンギロゴヌム 3/10

精巧殿 0/20

姫春星 0/20

かぐや姫 3/20

アストロフィツムは続々と芽が出ているが白サボテンは遅い。中心部の方が苗床が温まりやすいからだろうか。タオルを巻いてみよう。

 

3月11日 快晴 6-13℃

恩塚鸞鳳玉V字 2/20

ウルトラ亀甲鸞鳳玉  2/20

ストロンギロゴヌム 0/10

精巧殿 0/20

姫春星 0/20

かぐや姫 0/20

 

3月6日 快晴 6-13℃

実生開始

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奈良多肉植物研究所から種を購入した。今回はストロンギロゴヌムをサービスでつけてくれた。

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土に熱湯をかけて消毒し、一つの穴に20粒撒いた。

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そこに透明プラスチックのカバーを載せてセット完了。ちなみに2穴ほどまだ使っていない。もう少し種を買い足そうか。


2200円で買った25.4 x 53cmの育苗ヒートマットを敷き、その上に18穴ある育苗ケースを設置すると寸法はちょうど良かった。