室内で花見酒。青壁に阿櫻。

今年は桜の開花も早い。東京は22日で満開だそうだ。昨晩の嵐はこれから盛りの桜を散らすことはなかったようだ。

 

花屋でなんとも立派な桜の枝が300円で売っていた。買った時にはまだ3割近くが蕾だったので満開散りかけの処分価格などではない。イベントや業務用の花材がコロナ禍で需要が減ってしまい、個人消費用に安く出回っているのか。一部では金が余り株高やらバブルやら。一部では仕事を失って大事な家財を手放す人もいる。コロナでモノの価値が狂っている。

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人間の都合が変わっても桜の美しさは変わらない。値付けが変わっても存在は変わらない。かくして立派な桜の枝が食卓を飾った。

 

大きなガラス瓶に投げ込んだだけで食卓が一気に春に包まれた。背景の青壁が一層、桜色を引き立てて素晴らしい。我が家の壁は桜と合わさるために在るとは嬉しい発見。

 

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子供の席から桜を観ると、ちょうど仰ぎ見る形になる。私の席からは子供達の顔を見ると、自然とその先の桜に視線が流れる。

 

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おお、なんだかいい絵が撮れた。花びらを酒で満たされた盃で受け止めた。

外食自粛続きで自宅で晩酌しないといけないことは、そんなに嘆くような不幸ではない。好きな酒と好きな肴に満開の桜。楽しみかたはまだまだ工夫の余地あり。

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余談だが、iPhoneで撮影すると自動で色味が補正されてしまうのだが青の見え方がころころ変わって再現度が低い。一番上の写真が現物には近い。

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たまたま先週に開栓した日本酒が阿櫻だった。特別純米無濾過原酒の中取り。ラベルも壁に似た青色。なんだか出来すぎた偶然。無意識が全てこの食堂の青壁の前で、桜を観ながら酒を飲むことへと繋がっていたのかもしれない。

経営陣がころころと変わっていて心配な阿櫻酒造だが山内杜氏照井敏男の銘は変わらず。秋田の飛良泉に似た果実香のある日本酒で好みの味だった。