息子にせがまれて重い腰を上げて映画「鬼滅の刃」を観に行った。公開から随分と経った朝8時からの回にも関わらず6割以上も客が入っていたのは驚きだ。
興行収入が日本映画で最高記録を塗り替え、2度、3度と観る人が多いという話は聞いていた。幼稚園に子供を迎えにいくと緑と黒の市松模様のマスクやピンクの麻の葉模様のマスクをしている子が何人もいて、それは鬼滅の刃の主人公と妹の纏う着物柄だということも知っている。社会現象的人気らしい。ただ、漫画もアニメも原作は知らなかった。
戦いのシーンは迫力があり、構図やカメラワークも最近のアニメはこんなにクオリティが高いのかと感心した。
結論として、原作を知らなくても楽しめた。泣けた。泣かされた。音楽が迫力あり、なんだかよくわからんままに泣かされてしまった。私はジブリ映画の方が好きだと思っているのだが、ジブリ映画でそんなに泣いたことは泣い。火垂るの墓ぐらいか。そう考えると、「鬼滅の刃」はとても心を動かす力を持った作品だと思う。
煉獄杏寿郎という主役を食ってしまっている登場人物の戦いが映画のクライマックスなのだが、その生き方、信念も描かれる。
漫画な派手な出立ちに髪色、瞳の色なのだが、次第に気にならなくなってきて、最後にはそれが強烈な個性で魅力に思えてくる。瞳が強く綺麗なのだよな。そして妙法寺の山門の仁王像に重ねてしまった。
「弱き人を助けることは強く生まれた者の責務です」
「生まれついて人より多くの才に恵まれた者は、その力を世のため人のために使わねばなりません。天から賜りし力で私腹を肥やすことは許されません」
息子にとって、煉獄杏寿郎的な価値観が憧れになったら良いな。
煉獄杏寿郎は最後まで活躍するような主要登場人物ではないのか。
なぜ、猪之助は猪の被り物をしているのか。
なぜ妹は竹を咥えているのか。
竈門炭治郎の額のアザは何なのか。
夜、Huluでアニメを1シリーズ26回突貫で観た。猪の被り物の剣士などようやく、脇役の設定や背景が少しだけれども理解できた。
十二話の屋敷の中の襖絵が青蓮院のものにそっくり。
日本のアニメの文法を知らない海外の人達が原作を知らずに観ても同様に楽しめるのだろうか。