2020年に観た映画35本の振り返り

振り返ると、それなりに35本以上も映画作品を観ていたようだ。

上半期は暇だったから。下半期はしんどすぎて現実逃避に何本も観たように思う。私の主観評価で世間ではもっと評価の高いものもあれば、低いものもある。


もっぱらAmazon PrimeとHuluで観ているのだか、単館系、分化映画、インディーズと呼ばれる類いは少ない。もっと心の襞を描いたようなヒューマンドラマ映画を観たいのだが、どうしてもAmazon PrimeやHuluは巨大プロダクションのメジャー映画ばかりになってしまう。小津安二郎作品とか古典的名作を流してほしい。


⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎ 人生で繰り返し観たい50選殿堂入り

⭐︎⭐︎⭐︎ また観たい

⭐︎⭐︎ 良作で観てよかったが二度目を観るならまだ観ていない作品を観たい

 

1.帰ってきたヒトラー ☆☆☆☆

 2020年で観たベスト映画はこれかな。笑えて、勉強になって恐ろしくなる。

米国大統領選を見てもブリグジットを見ても、習近平プーチンを見ても、政治体制は進歩はしておらず、時代を経て人間が生物学的に精神的成熟が早まったわけでも知能が高まったわけでもない。もし映画のような事態が現実に起きたら私たちは案外、脆弱なのだろう。

ホラーコメディーというジャンルがあるのかは知らないが、笑えて楽しめて考えさせられる映画と聞かれて思い出すのはこの作品だろう。

 

2.Nerv ☆☆☆

 SNS漬けになって称賛欲求に狂った先の暴走を描く。危険な度胸試し競争にスピード感があって見ているだけでもアドレナリンが出る。無責任に誰かの自殺を煽ったりするネットの闇に通ずものがある。必ずしも世間の評価は高くないが、私には刺激的で最高に娯楽的だった。

NERVE

 

3.Contagion ☆☆☆☆

COVID19後に作られたとしか思えないような、8年前に既にCOVID19を予見していたかのようなパンデミック映画。歴史に残る2020年の異常事態を共に記憶するのにふさわしい映画。

この作品を観た当時、映画で描かれているが現実では起きていないことはワクチンを誰が先に得られるかを巡る諍いだと私は書いていたが、現実社会はまさにその段階に入りつつある。

それにしても俳優陣の豪華なことよ。

 

4.きっとうまくいく 3Idiots ☆☆☆☆

 インド人で見ていない人を探すのは難しいぐらいの国民的ヒット名作。過酷な受験競争や経済格差やインドの競争社会の世知辛さが描かれている。いけ好かない金持ちの鼻を明かす痛快さも併せ持つ爽快ストーリー。

 

5.幸せのひとりぼっち ☆☆☆

スウェーデン映画の良作。孤独と寂しさに耐えきれなくなった男が自殺を決意するところから始まるドラマ。現代的な他者との関係は相互に距離をとって干渉しない関係になりがちで、えてして私たちは助けを求めることが苦手だ。おせっかいで他人に一歩踏み込む愛すべき隣人に主人公は大いに救われる。

愛する家族に先立たれて自分が生き残ってしまったとしたら、自分もこんな死に方をしたい。

 

6.ヒトラーの忘れ物 ☆☆☆

 皆、父であり誰かの息子だったりするのだな。いかなる状況でも滲み出てしまう人間に備わった善性が描かれていて救いがある。

7.ブラッドスローン ☆☆☆

 筋骨隆々なギャングのおっさんだらけの映画。もうストーリーなど追わずに、映画の各シーンの雰囲気を楽しむために再度観たくなる。アンタッチャブルとかゴッドファーザーを繰り返し観たくなる感覚に近い。この「北斗の拳」的構成のポスターが欲しい。昔で言うところの「バッファロー66」のポスターを貼りたくなるイメージ。

 

8.リミットレス ☆☆

ブラッドリークーパーがスターとして大成していくことを予感させてくれる作品。天は二物も三物も与えるのだな。どんでん返しで華麗にロバートデニーロを出し抜いていく最後が映画ならではの爽快感。 

 

9.Disturbia ☆☆

外出自粛環境下で見ると親近感が湧く映画。 

 

10.ハンターキラー ☆☆

潜水艦映画の名作がすでにいくつも作られているが、こちらはもう少し娯楽アクションより。

負傷して取り残された新人が意地を見せるシーンが好き。ジェラルド・バトラーが期待通りの「漢」を演じている。

 

11.ボーダーライン ☆☆

骨太なシナリオと想像を裏切る展開の巧みさに引き込まれる良作。 ベニチオ・デル・トロがひたすら口数の少ない無頼漢の雰囲気を纏っている。また観たくなる。

 

12.ボーダーライン ソルジャーズデイ ☆☆

エミリー・ブラントが脱落し、ベニチオ・デル・トロジョシュ・ブローリンの関係性が反転していくストーリーに引き込まれる。 次回作が待ち遠しい。

 

13.アンストッパブル ☆

 

14.コロニア ☆☆

 2000年以降に発覚した残ナチスによってチリに築かれたコミューンを描いた実話。エマワトソン。


15.1917 ☆

全編ノーカットのように写した話題作。伝令が走って将軍の命令を伝えた話。プライベートライアンのような誰かの思想や主張が描かれるわけでもなく、映像技術ありきな作品に思えた。

 

16.13時間 ☆

リビアの領事館襲撃事件の映画化。ムハンマドを侮辱した米国映画に端を発した事件。大使を殺されるも、優れた火器で大勢を殺して脱出した米国関係者の話でふりかえるとあまり同情する気にもならない。宗教、政治体制、文化の異なる他国に勝手に入り込み、上から目線でやりたい放題する米国が珍しくしっぺ返しを喰らった話。

 

17.Hateful8 ☆

クエンティン・タランティーノの真骨頂ともいうべき悪趣味映画。好きな人は多いかもね。

 

18.エベレスト ☆

国家の威信を賭けた新ルート開拓がされつくされ、ガイドやシェルパに御膳立てしてもらってアマチュア登山家がエベレスト登頂を目指す商業登山が盛んになり始めた頃の悲劇の実話を描く。

自然災害ではなく人災であり、ガイドの判断ミスとして描かれているのだが、その子供たちも存命な中で実話を実名で描かれるのは、その子供たちはしんどくなかろうか。 

エベレスト (字幕版)

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19.ブルックリン ☆

主人公の女性が魅力的であるけれども、なんだかドラマ性に乏しい淡々とした移民の話。結婚しているくせに本国帰省中にそれを隠して男から言い寄られるのを楽しんで、それがバレたら開き直って逆切れして帰国する。流されやすく軽薄な女性だが若さと容姿で胡麻化している。

 

20.ドラえもんのび太の新恐竜 ☆☆

アニメの映像技術の進化に感心させられた。大人が本気で作った子供のための映画だが、子供を連れていく大人の鑑賞に耐えるクオリティー。親としてのび太の頑張りに泣かされた。涙腺弱くなったな。

 

21.ドラえもん Stand By Me2

泣けた。しかし感動の押し売り感が残るし、前作を観ると狙いすぎ感が露骨。

 

22.ドラえもん Stand By Me ☆☆☆

なるほど、大人も泣ける「泣きドラ」として大ヒットしただけのことはある。

 

23.Snow Royale 

珍しくリーアム・ニーソンが悪趣味映画に出ている。

 

24.ザ・ダイバー ☆

黒人が差別にうち勝ち米国初の海兵隊マスターダイバーになる半生描いた実話に基づく物語。

 

25.ザ・バウンサー

ストリップ劇場の用心棒のクライムサスペンス。

 

26.マップ・トゥ・ザ・スターズ

オールドボーイのパクチャヌクのハリウッドデビュー作「イノセントガーデン」でサイコパス美少女を演じた「ミア・ワシコウスキ」が薄幸の平凡な若い女を演じている。あのミステリアス美少女オーラがなくなっていて最初気づかなかった。デヴィッド・クローネンバーグがセレブの醜悪さを皮肉った胸糞映画。

 

27.理由

宮部みゆき著の直木賞受賞作小説の映画化という触れ込み。タワーマンションの人間模様を描いた走りとして注目されているが、低層階と高層階の確執などもなく、単なる俄か成金や見栄で購入した人が多いというだけの描かれ方。原作に忠実に実写化したことでテンポが悪く冗長に感じる。

 

28.ワイルドスピード アイスブレイク ☆☆

観て損のないアクション映画。頭を空っぽにして観て楽しい娯楽作。シリーズの中でも良作だと思う。 

ワイルド・スピード ICE BREAK [DVD]

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29.グレイトウォール

マット・デイモンが中国資本に屈したのか、ギャラに目が眩んだかして出演したであろう駄作。札束でひっぱたかれる姿が浮かんだ。彼のような名優には人生の時間を無駄にせず、良作にだけ出演してほしい。

 

30.アップグレード ☆☆

人間が人間である本質はどこにあるのか、AIとの境界はどこにあり区別は可能なのか。AIに肉体を乗っ取られた人間を描く。

31.ザ・イースト ☆

私利私欲に走る大企業への復讐テロの話。なんだか、リアリティー欠けた「大企業は悪い奴」偏見。

 

32.マイレージ・マイフライト ☆

リストラ請負人。

 

33.壬生義士伝 ☆

無口な主人公、雪の中の最期は印象的。


34.東京難民

 

35.ワルキューレ ☆

ヒトラーを暗殺しようとした男の実話。トム・クルーズは実話ドラマには向かない。