2019年に観た映画36本の勝手な感想と備忘録

 

私には1000本の映画を観てその中から繰り返し観たいお気に入りの映画50選を見つけ出したいという細やかなライフワークがある。その一環で観た映画の備忘録を残そうと心掛けている。

 

なんだかんだ、2019年は海外出張の機上で30本以上の映画を観た。国内の映画館で観たのはジョーカー1本のみ、他はHulu。 数えてみると今年は合計36本観た。GOTを全シリーズ一気見したことを考慮すると、どこにそんな暇な時間があったのか不安になるぐらい。

 

アイアムマザー I AM MOTHER ☆☆☆☆

絶滅した人類が機械に託した倫理的に進歩させた人類の再生計画。「風の谷のナウシカ」で描かれたような世界観で、墓所が破壊されなければ起きたであろう顛末のようにも思えた。その後の世界を実写化したような作品。選別されて培養された優良種の人間は生命への冒涜だろうか。ナウシカが否定したシナリオを映画の主人公は肯定する。どちらが正しかったのだろうか。世間の評判は必ずしもとても高くはないけれども「風の谷のナウシカ」に照らして観ると興味深い作品。

 

エニグマと天才数学者の秘密 Imitation Game ☆☆☆☆

ナチスの暗号エニグマを解読し連合国に勝利をもたらした実在の男アラン・チューリング。「人はなぜ暴力を振るうのか。暴力を振るうと気持ちよくなるから。」様々なテーマが織り込まれていて重厚で、視点を変えて観るたびに新しい気付きが得られそうな良作。イギリスを救った男の名誉は全くそれとは異なる側面での偏見に相殺されて不名誉の中で死んだ。2013年にエリザベス2世の名の下に恩赦され名誉回復がなされているが、日本にも名誉回復されていない似たような不遇な英雄はいるのだろうか。

 

以上の2本が殿堂入り。

 

アリースター誕生 ☆☆☆

同時期の話題作「ボヘミアンラプソディ」と比較されがちで、オスカーでは負けたが、私はアリー派。ブラッドリー・クーパーがイケメンで歌も上手くてこれでもかと才能を見せつけられる。ムーランルージュユアン・マクレガーの再来。歌唱シーンに臨場感や迫力があって圧倒された。

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ボヘミアンラプソディ ☆☆

フレディーマーキュリーがゾロアスター教パキスタン人移民の子とは知らなかった。ヒット曲の時代背景が知れて興味深い。アリーのほうが歌唱シーンに迫力がある。単にQUEENよりもガガの方が好きだからかも。


ジョーカー Joker ☆☆

コメディアンを目指した不遇の男アーサーがどう転落してジョーカーになっていったか。「何者にもなれなかった人」「無敵の人」の物語。納得いかないのはジョーカーは悪党すら翻弄する知性溢れる悪の天才なはずで、本作で描かれるアーサーは対極にいるような不器用で不遇な男だった点。アーサーとジョーカーは全くもって一致しない。ホアキンフェニックスの瞳が深く綺麗だった。アメコミ感が薄いのは好印象。

ジョーカー(字幕版)

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  • メディア: Prime Video
 

 

クロニクル Chronicle ☆☆
超能力を使えるようになった少年3人の話。若いマイケルBジョーダンが出演。冴えない男が超能力に目覚めて、その超能力の秘密を分かつ高校内の人気者らと友情を深めるがやがて拗らせ、孤立し、破綻していく。超能力を持っても心と人格が伴っていない末路。低予算ながら面白かった。

 

怪物はささやく ☆☆

子供にどう虐めに対処させるべきか考えさせられる。王位奪取の為に姫を殺して被害者を演じた名君、何も悪いことはしていない冤罪の魔女、偏屈だが正しい調合士など寓意に満ちている。世の中には善人も悪人もおらず、皆がその間にいる。

 

誰も知らない ☆☆

個人的に柳楽優弥という俳優が生き方も乗り越えた苦悩も含めて公私共に好きなのだが、彼の原点とも言える映画をまだ観ていなかった。つまり薄い俄かファン。感想はというと、切なく淡々とした貧困児童の物語で妹の死は「火垂るの墓」だった。関心を買うためになけなしの金でゲームを買って同級生を家に招き、塾通いが始まり興味関心が変わる同級生に「あいつんち、なんかクセーんだよな」と突き放される残酷さと孤独にいたたまれなくなる。

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ブックスマート BOOKSMART☆☆ 

 日本未上陸。ガリ勉優等生が卒業間近に、同級生はあれこれ遊びも満喫しながらも難関大学進学も果たしていたことを知り、逃した青春を挽回すべく羽目を外す青春映画。社会的に許される範囲で少しばかり羽目を外したな、ヤンチャをしたな、という記憶と充足感は大人になる過程で必要なのかもしれない。

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  • 発売日: 2019/09/03
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クレイジーリッチ Crazy Rich Asians ☆☆

全員アジア人の娯楽作。何か経済の力点がアジアにシフトしていることを如実に感じさせる。観て損はない。 

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ロングショット ☆ 

日本未上陸。シャーリーズ・セロンの衰えぬ美貌に酔いしれる映画。イングリット・バーグマンのような正統派美人だと常々思う。映画は子供の頃からの夢というわりに隙や油断が多すぎて執着を感じなくて説得力がなかった。

 

プリデスティネーション ☆

時間を遡れるタイムリープもの。自分が整形して自分と出会い、自分との子供を産んで自分が生まれるという発狂しそうな輪廻。イーサンホーク。ガタカには及ばない。


パセンジャー ☆

惑星間渡航に際してフェイルプルーフなはずなのに冷凍睡眠から事故的に目覚めてしまった男が孤独から女性を巻き添えにするSF。

 

T34 レジェンドオブウォー

2018年にロシアで観客動員数800万人を叩き出したヒット作だそうだ。ハリウッドに比べ遜色のない絵作り。もう少し戦術的駆け引きとか、映画「スターリングラード」のような緊迫感が欲しかった。ソビエトというと策に乏しく無用に死者数を重ねた印象があるから(実際に第二次世界大戦の死傷者数はダントツ)、この映画のように少数精鋭が大勢を撃破するストーリーは手刀で日本兵を駆逐する人民兵のような印象。

 

アクアマン ☆

海底遺跡や深海生物など映像が美麗で水槽好きとしては眺めていて楽しい。ニコールキッドマンの50歳を過ぎても衰えない美貌が怖い。それにしても悪役ブラックマンタの名前から武器から全てがダサい。プランクトン食性の性格の温和なマンタを悪役モチーフにすることに無理がある。オリジナルのアメコミのダサい要素は無視してはいけないものなのか。


未来のミライ


いたずら機関車ちゅうちゅう、レノア、IKEAの子供用室内サーカステント、

翡翠蔓、プラレールコールマンの取り外し式LEDランタン。。。

説明がなくともわかる品々。これらも皆、時代の記号となっていくのだろうな。


評判悪かったけれどもほのぼのとして悪くなかった。戸建てデザイン注文住宅に住んでいたりと庶民感がないだの批判を受けていたけれども、憧れるような要素が無い舞台設定が正しいとも思えない。自分よりも貧しくて不幸で困難に満ちた物語で「この人達よりも私のほうがマシだわ」と慰めたい観客を相手にする必要もない。意地悪く言い過ぎか。


タイムリープものが多い気はする。色々な時代背景を眺めて回るのは目には楽しい。同時代に子育てをした私にとっては10年後に見返したい作品。


 

ゴジラ キングオブモンスターズ 

核爆弾をゴジラの滋養強壮剤代わりに用いたり、1人乗りの「回天」のような潜水艇で必ず死ぬ任務に渡辺謙を就かせたり、第二次世界大戦の悲劇がもはやパロディにされている。ゴジラが負ければキングギドラになびき、ゴジラが勝てば服従し直す他の怪獣が低知能な獣としか描かれていない。

 

ランペイジ ☆☆

シンゴジラ ☆☆

ゴジラ ☆ 

モンスター上司

機内で興味のある重い映画や考えさせられるような映画を2連続ぐらい観ると頭を使わずに観られるアクション映画などが観たくなる。そんなニーズに応えるモンスター系映画をまとめて感想を書いておくと、案外「ランペイジ」がモンスターの造形や振る舞いの点で見応えがあった。ゴジラシリーズよりも怪獣映画らしい娯楽性がある。「シンゴジラ」は段階を経て変態していく過程のグロテスクさと、自衛隊の機能しなさがあり得そうな非現実で面白かった。作者の想像力の及ぶ範囲や創造性が他の作品よりも一歩先に及んでいるというか。。。「モンスター上司」は私の周辺の延長世界でしかなくモンスター感が物足りなかった。

 

グリーンブック ☆

アカデミー作品賞受賞の感動作らしいが心に刺さらなかった。最初から最後まで「倫理的で良い感動作ですよ」と言われ続けている印象で、白々しかった。その頃、何かにむしゃくしゃしていたのだろうか。Alibabaがスポンサーしていることに驚いた。中国での大成功はAlibabaの宣伝に負うところが絶大。ハリウッドは中国市場と中国資本を無視しては成り立たなくなりつつある。


ポンペイ ☆  

何も知らないジョンスノウがGOTの外でも似たような活躍をしている。GOTとの違いは筋肉を存分に見せびらかしていること。

 

運び屋 ☆

クリント・イーストウッドがもはや完全にお爺ちゃん。家庭を顧みずに蘭の栽培に没頭した人生は多肉植物にのめり込みすぎるな、という忠告と受け止めた。

 

クリード 炎の宿敵 ☆

前作での成功に慢心して贅沢して油断した生活を送る主人公が、全てを捨てて復讐を誓う敵役を短期のリカバリーで倒してしまうという身も蓋もない話。

 

ダークシティ

ミヒャエルエンデの「モモ」の時間泥棒を思い出させる。


万引き家族 ☆
カメラを止めるな ☆

ファーストマン  
キャンユーエバーフォーギブミー
ウルヴァリン サムライ
レプリカント
天才作家の妻 
プレデター
そんな彼なら捨てちゃえば
花芯