穴場発見。お店からしたら穴場などと呼ばれるのは心外かもしれないし失礼な話だ。申し訳ない。
令和4年の私の「良い店見つけた」はこちら西荻窪の「をかしや」。小さな飲み屋なのだが日本酒とアテと大福や練り切りなどの和菓子という、なかなか無い私好みの組み合わせのお店。
女将さんが目の前で練り切りを作ってくださる。
丸めて捏ねて、カカオを塗して、白い餡を足して。中には柚子餡。
令和四年、寅年。
躊躇うことなく入刀。
さらに入刀。中には柚子餡の優しい甘さ。薄茶を点てて頂き、それと共に味わう。安らぐ味。
高円寺にも「うすらや」という金柑大福やお茶を出して下さる小箱ながらも上質の店があったのだが閉店してしまった。最近のにわか和菓子熱にうだされてここ、「をかしや」に来た。
日本酒も純米酒を取り揃えていて燗を付けて下さる。十勝の上川大雪酒造のお酒をぬる燗で頂いた。香りの膨らみも穏やかで食中酒として最適な優しい味。覚えておきたい銘柄だ。
午後の早い時間に来てしまったので居酒屋営業ではないのに、我儘を言って酒と酒のアテを出して頂いた。馬肉ユッケ、梅水晶、山葵菜醤油漬け、生ハムクリームチーズなど、そそるアテが並ぶ。〆に包みたて「あまおう」大福など幸せな予感しかしない。
居酒屋営業前にも関わらず、出せるものは酒もアテも出してくれるという。これは蓮根の芽の梅酢漬け。よくみると茗荷のような細さだが、きちんと蓮根の穴が確認できる。酸っぱさの中に甘さがあり美味。
広島の「雨後の月」のひやと合わせていただく。こちらもお淑やかな優しい味。
こういう、常連さんがついていて、店員さんと前回からの続きであれこれ雑談しながらほっこりと呑める小料理屋がとても気に入っている。夜の居酒屋営業時間中にしっかりと呑みに来なければ。