花見の名所だが椿が必見の「哲学堂」

2月の梅の季節に記録したばかりだが花見の名所として知られる中野の「哲学堂」は桜の季節もやはり素晴らしかったので記録しておく。

 

桜はこの季節、素晴らしい場所は他にも多いがここの椿や雪柳は必見だった。写真散歩好きにはたまらない被写体だらけの公園だと思う。

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「哲」の軒瓦なんて他には見ない。瓦好きには興味深いであろう一品。
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またもや来てしまった哲学堂。花木の物量で圧倒するような市民公園や観光地のような庭造りではなく思索に耽る静謐な空間。
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だけれどもふと立ち止まると素晴らしい光景が多い。
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桜一辺倒ではなく、異なる彩りも見つけられる。パンジーを一面に植えてあるような公園よりも、注意して見ると山野草的な花が咲いているような公園の方が好み。
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そして圧倒されたのがこの大輪の椿。なんという品種だろうか。少し縮緬のような凹凸のある花弁が細やかな陰影を生み出していて存在感が増す。背景の古びた建物が引き立ててくれる。
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竹柵を背景にもう一輪。
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鋏を入れて人為的に構成することなく、植わったままの姿で華道の作品のような椿と雪柳。ごっつい高性能一眼レフカメラでしつこく撮りまくりたかった。後になって水平垂直もなってないことを悔やんだし、もっと望遠で背景をぼやかして撮ったり、構図を変えて撮ったりしたかった。
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まるで月のような太陽のような、空間に浮き立つ赤い円。
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地面に落ちてなお、この存在感。
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一本の雪柳、一本の椿。それだけなのだけれども何十本も並べて植えた光景よりも花に密度と重力を感じる一画。この2本を眺めに毎年、3月末に哲学堂を訪れたい。


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山吹も一つ一つの花は黄色い桜のよう。荒木先生は「山吹色の波紋疾走」と書いて「サンライトオーバードライブ」と読ませていたっけ。迸る春の生命力。
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月見台だろうか。こういう構造を見ると取り敢えず登ってみたくなる。
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班入り石蕗の葉の複雑な色合いたるや。たらし込み技法で描きましたと言わんばかり。

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肝心な花見の人気スポットとしての哲学堂公園なのだが大通りに程近い区画が芝生の中に桜が林立していて、もうまさに花見宴会の為に作られたような場所となっている。何せ枝が低くシートの上に座っても低い位置に枝花が広がってくれている。
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ソメイヨシノ
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桜の背丈が低く、陽光の射し込む方角も都合が良く。朝7〜8時の時間帯の桜がなんとも美しい。この逆光に見る透明感が好きなのだよね。伝わるだろうか。
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色味の濃い紅枝垂も惚れ惚れする。桜は背景と光源の位置が重要。順光でのっぺりと桜が密集している光景はただ白い広がりがあるだけで面白くない。

 

そんなわけで桜も良いが、それ以上に必見な椿や雪柳、山吹と古建築の組み合わせが楽しめるので高円寺周辺の桜の名所十選に選定。