高円寺から1100kmの彼方、飛行機、地下鉄、電車とバスを乗り継いで7時間かけて食べに来た価値があると断言してしまって良いと思う「呼子のイカ」。感動した。
イカの活け造りを食べさせてくれる店はいくつもあるが、生簀が大きくて食べられる確率が高いということで「河太郎」へ。波止場のすぐ横にある港の眺められる店だ。昼に来た際には2時間待ちと言われたので昼食は諦め、16:30に再訪。それでも30分待ちで17:00にようやく入店。
食べ終わって店を出た17:30には20:00営業終了を待たずに既に受付終了となっていた。油断してもう少し遅く来たら食べ損ねていた。そうなるとかなり悔やまれる佐賀旅行の始まりとなってしまっていたことになるので安堵した。最近は土日だと呼子に来てもイカの活け造りを食べられずに帰る人も出ているのだという。
イカの活け造り定食3,300円。なかなか良いお値段だと思ったがここまで来て食べないわけにはいかない。しかし海から朝に揚がったばかりのこれだけ立派なヤリイカを生簀から出して刺身にしてまだ生きている状態で食べられるのだからお金を払っても東京で味わえるものではない。
青や緑のアイシャドウ。顔の茶紫の斑点が食べている最中も点滅し続けている。美味しい食材は美しい。
ちなみにイカの腕は10本、心臓は3つ、青い血をしている。寿命は1年。知能は高い。
上から見ると身が透けて下の巻簾が見えるのがわかる。鮮度が命のイカでこれ以上は考えられない鮮度で食べる。醤油をつけて、レモンをかけて食べるのも美味しいが塩だけで食べるのもお勧めですよと助言頂いた。なるほど。どの食べ方でも美味しい。弾力があるくせに噛み切りやすく、ねちゃねちゃとしたところが皆無。身に旨味が感じられるので少量の塩で美味しく食べられる。
鮮度が良すぎてゲソがのたうつ。申し訳ない。観光地の名物は看板倒れも多いが呼子のイカは納得の評判通りの味。
イカ焼売、白御飯、味噌汁、もずく、漬物、パイナップル。
身を食べた後はゲソを天麩羅にしてくれるのだがこれがまた絶品。フワフワ、熱々。超絶鮮度のゲソを揚げたてで食べる贅沢。この段になるとわざわざ足を運んで食べる価値があると納得させられた。
呼子の漁師の数は大きくは減っていないものの高齢化が進み、高齢漁師は近海でしか漁をしないので漁獲高は低下傾向だという。イカの水揚げ量が観光客に追いつかないのだという。
死ぬまでにまた食べに来たい。ここなら焼物に興味のない家族を連れてきて満足させられる自信がある。
思い出に残る旨いイカ。感動した。