感慨深い京都家族旅行

家族旅行には年に数回行くけれども、全く違うなんだかとても満たされた気持ちになれた京都家族旅行。

 

京都が好きだから、お寺や苔庭が好きだから、というだけではなく私にとって京都はいろいろな思い出が詰まった特別な街なのだと思う。f:id:mangokyoto:20231009154356j:image

京都の寺社仏閣の多様性、豊かさや密度は抜きん出ているし祭事も飽きることがない。苔むした寺や庭園や山の美しさ。カフェや雑貨屋、美術館などの高密度な文化集積。
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元から私の趣味関心ごとに応えてくれるコトモノが京都には多い。


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今でも繋がっている多くの仕事外の友人ができた地でもある。扇絵付け師、文化財修復師、和菓子職人、画家。

 

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初めて息子が生まれ、私たちが親になった地でもある。妊娠中に行ったお寺、息子の生まれた産院、息子と通った児童館、百日参りの上賀茂神社、商業施設、カフェ。思い出が鮮明にフラッシュバックする。
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陶芸を始めた地でもある。賀茂窯は健在だろうか。河井寛次郎記念館にも行きたい。
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知らない人の経営するホテルで知らない従業員に世話して頂いて泊まるのではなく、友人宅に泊めてもらい友人と雑談しながら過ごせたのも大きい。
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私の一回り上の人生の先輩でもある住職と奥様と話していると時の流れを強く感じさせられる。ご家族でフィリピンに遊びに来て下さったとき、住職の息子が今の息子と同じ年頃だった。

住職の息子が幼稚園児の頃、小学校の頃、中学生の頃を知っているし一緒にスキーに行ったり山に行ったり遊びにも行った。時に大変なこともあった話も聞いている。その成長の軌跡を覚えているし、その成長の軌跡を今度は私の息子たちが歩んでいるのがわかる。

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それにしても苔庭を存分に眺められる造作の素晴らしい茶室に泊めてもらうなんてことが貴重。行儀悪く仰向けに寝そべって天井の無垢板の木目を眺め、横に寝そべって竹垣や苔を愛でる。
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住職の息子の愛蔵藤子不二雄全集を耽読する息子。読んでいる環境の贅沢さをまだ知らない。

 

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お客さんではあるのだけれども、友人とその息子たちとして家族付き合いの距離感で接してくれるのがなんとも嬉しい。

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お寺の庭で火を起こして晩御飯を作って下さった。
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もうお寺の子供達は立派に巣立って行った。子供達と過ごし、やがては旅立っていくその流れを身近な先輩の例として想像させてくれる。思ったよりも短い月日で子供達は巣立っていくのだと教えてくれる。

 

巣立ってご夫婦だけになった家を訪問して頭の中だけでは理解していたものが腑に落ちて理解できたように思う。その一方で子供達は巣立ったものの、様々な人たちがお寺を訪ねてくる。人との交わりが人生を豊かにする一要素だと教えてくれる。
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子供達が喜ぶようにとマシュマロも買っていてくれて、焚火で炙る。息子たちもすっかり懐いている。

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お寺の五右衛門風呂に入れて頂いた。熱い湯を張っても冷めていく家の風呂と違い、じわじわと底から熱い湯が湧き上がっていく五右衛門風呂は格別だ。秋の外気に冷えた身体がぽかぽかに温まった。湯は朝まで暖かかったそうだ。

 

朝、5時に起きて毎朝のお勤めに参加させて頂く。重低音の効いた迫力のある声で般若心経が境内に響き渡る。

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難儀なことがあっても友人の住職ならどう考えるだろうか、どう対処するだろうか。そう考えることもある。
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得難い友人付き合いに恵まれているのだと改めて思う。
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子供たちと過ごす時間。人の交わり。

大切なものは何かを思い出させてくれる処。