博物クリスマスにて目黒芳枝さん、奥住陽介さん、アトリエpuchuco、さとう甲さん

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浅草で催されていた博物フェスティバルの冬イベント版、博物クリスマスに行ってきた。
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夏休み中に日本科学技術館で行われる博物フェスティバルに比べると規模は1/6ぐらいかもしれない。ゆっくりと見て回れる。
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出店者達からの作品が吊るされていた。出店者同士で交換会でもするのだろうか。
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オオムラサキの幼虫の蛍光ソフビが目を惹く。
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アトリエpuchucoさんの作品の技術力の高さに圧倒された。手回しカラクリで取手を回すと地中から土蜘蛛が這い出して蟻を捕まえる。7万円代。欲しいけれども私の特別な誕生日なりでおねだりしないと迎えられない価格。こういう時に金持ちになりたいと思う。
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オオスカシバがホバリングして花の蜜を吸う手回しカラクリの作品が度肝を抜かれる作品だった。美術館に飾られるレベルの超絶技巧。
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ほかにもペンダントトップで取手を回すとウツボカズラからカエルが顔を出す。

 

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さとう甲さんというプロの造形師さんによる超絶写実的なハンミョウ。粘土で原型を作り、鋳型を依頼して鋳造したのだそうだ。
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佐渡島産のミヤマクワガタを元に粘土で半年間かけて塑造し、それを縮小し鋳型師に鋳型を作ってもらったという超絶技巧ミヤマクワガタ。お値段はなんと20万円超。もうここまでくると美術館に収蔵する水準。
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1万番台の鑢で磨き込んだという鏡面仕上げのミヤマクワガタ。これは手放せない非売品だという。その気持ち、わかる。
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腹部も手抜かりなし。金属価格が円安の影響もあって高騰し続けていると嘆いていた。


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海洋生物をガラス玉に閉じ込めたオーナメントを制作されているガラス工芸作家さんの目黒芳枝さん。
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ウニを作ったところウニにはアリストテレスの提灯と呼ばれる口吻があることや五放射相称があることを指摘され、それらを再現したらそのお客さんが買ってくれるようになったという話が印象的だった。

博物フェスティバル、博物クリスマスのお客さんはなんとなくの「カワイイ」「キレイ」「ユニーク」な生物モチーフ雑貨ではなく、クワガタというだけでは足らずミヤマクワガタであるとかメタリフェルホソアシクワガタなど属科ではなく品種まで同定できるレベルの生物への敬意と掘り下げが求められているように思う。
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どうやって閉じ込めているのだろう。

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そんなわけで色数も多くてキレイなクラゲやイカは見るからに素敵だったが、この深海魚のホウライエソをお迎えした。なかなかお目にかかれないモチーフではないだろうか。
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牙を剥いた深海魚らしい凶悪そうな顔つきと目の愛嬌、角度によっては空に浮かぶシャボン玉の中に閉じ込められて泳いでいるような躍動感が素晴らしい。

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素敵な銅や錫の蟲をモチーフにしたブローチを沢山作ってらっしゃる作家さんで品種同定できる作り込みの一方でゆるキャラらしいデフォルメもされていて愛嬌がある。
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私はブローチを買ってもつけないので、このチンアナゴのフォークとスプーンをお迎えした。

 

 

私の造る作品群との親和性という点で蟲雑貨を増やしたいと思ったのに、お迎えしたのはホウライエソのガラス玉とチンアナゴのカトラリーという海洋生物ばかり。心動かされるものは仕方がない。

 

カエルやトカゲモチーフのがま口財布やバッグ、海洋生物モチーフの様々な工芸雑貨は沢山あるが蟲モチーフはTシャツやイラスト、絵葉書などの平面的なものか蟲そのままの標本が多く、立体的な工芸雑貨は少ない印象。あったのは金属工芸の7万円の機械仕掛けの飾りか20万円超の超絶技巧金属模型でどちらも猛烈に欲しい作品だがおいそれと手を出せる値段ではなかった。

 

500〜700円のステッカーや缶バッジもあるが、1000〜3000円のカトラリー、3000〜6000円のアクセサリーやTシャツだけでなく15,000円以上のガラス工芸や3万円から7万円近い工芸品、果ては20万円以上の工芸品も。