京都の老舗銘菓同士の諍い勃発。かんばやしはどうでるか。

創業1805年の「井筒八ッ橋」がこの度、「聖護院八ッ橋総本店」が根拠不明の創業1689年を謳い、かつ八ッ橋を最初に作ったように宣伝しているのは不正競争防止法に違反し、「井筒八ッ橋」も信用上の損害を受けたとして、創業年が入った広告の差し止めや600万円の賠償を求める訴えを京都地方裁判所に起こしたそうな。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180604/k10011464251000.html

 

井筒八ッ橋は山科から大津に抜ける街道の追分に大きな工場があり、そこに行くと八ッ橋が試食し放題という素敵な隠れ名所。

しかもそこにある展示人形が妙に艶かしい美人だったのを覚えている。個人的には八ッ橋よりも「走り井餅」のほうがお勧めなのだがな。

http://hannarimango.hatenablog.com/entry/20120330/1333155175

確か、何某かブログに備忘録を残したと思ったらやはり有った。

 

それにしても、創業年の曖昧な企業なんて京都にはありふれている。別に悪意もなく取り敢えずとても古いことはわかっているが正確にいつかわからない企業も多い。いちいち訴えていたらキリが無かろう。

 

むしろ、「おたべ」ブランドの生八ツ橋を製造販売する「美十」は2017年の売上81億円、従業員数252人。それに対して「井筒八ッ橋」は売上29億円、従業員150人。「聖護院八ツ橋」は売上23億円、従業員140人。なんだか、2番手、3番手の足の引っ張り合いな印象もある。

 

なぜかこのブログでオールタイム検索上位5位に入り続けて検索されているのが「お茶のかんばやし」「上林春松」「上林三入」の諍いについて書いた備忘録。もう7年前になるのだが、まだ争いは続いてらっしゃる様子。触発されて訴えに出るだろうか。

http://hannarimango.hatenablog.com/entry/20110510/1305029823

 

まあ、よそもんの本音は「どっちでもいい」、「うまけりゃいい」、そしてそもそも「似たり寄ったり」だしそもそもそんな格式を謳うほどの上菓子でもない気がする。

 

なお、京都大学の学生が真面目に京都の生八ツ橋メーカーを比較評価した模様。「時間はないが確固たるエビデンスに基づいて美味し い八ッ橋を求める方は聖護院八ッ橋を,誰もが知ってい る京都の代表的なお土産である八ッ橋の中でも一味違う ところを見せつけていきたい方は京栄堂の八ッ橋を,そ れぞれお土産として買って帰られるとよいのではないか と考えられる」と結論付けている。井筒八ッ橋についての言及はない。

http://www.ml.ist.i.kyoto-u.ac.jp/wp/wp-content/uploads/2014/10/yatsuhashi.pdf

 

京都に住んでいる時が一番、八ッ橋を食べる機会が少なかったように思う。どちらかというと、京都に来る観光客や修学旅行生が買って行くお土産菓子という印象。京都に住んでいる頃も、お邪魔した家でお茶請けに出された記憶は皆無だし、他県に出掛ける際のおもたせとして何かを買う際も他に買うものは幾らでもあるし、あえて生八ツ橋は選んだことはない。

 

個人的には阿闍梨餅、長五郎餅、「笹屋伊織」の銅鑼焼き、松風、桜餅のほうが好きかな。西陣にあった船岡温泉のそばのわらび餅も美味しかったっけ。「みつばち」の餡蜜。「中村藤吉」の抹茶ゼリーと抹茶ソフトクリームも捨てがたい。洋菓子なら「グルニエドール」のアップルタルトだな。ああ、俄然、京都に甘味巡りしたくなってきた。