鬼板習作の窯出し 「百舌に梅」鬼板に1号透明釉のRFが好み。

鬼板の習作からの手応えとしては、 1号透明釉の還元焼成唐津風で好みだとわかった。鬼板は垂直面よりも平面の方がムラや金属光沢が出やすいように思う。

 

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他の人も殆どの作品は酸化焼成なので、窯一杯に作品が溜まるまで還元焼成は半年近く待たねばならなかったのだが、遂に焼成された。

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鬼板という天然で採取される褐鉄鉱を粉末にし水に溶いたもので百舌を描いた。弁柄よりも鉄の濃度が10〜15%と低く、ムラが出やすい。そのムラを味わいとして狙った。鬼板の絵付けの上から1号透明釉を掛けたのだが、還元焼成すると透明ではなく白濁して唐津のような陶肌になった。なるほど。勉強になる。

 

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厚く描かれた部分が狙い通り金属光沢となった。羽の細い線も潰れず、体躯の薄塗りも発色して、なかなか満足のいく仕上がり。

 

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ちなみにこれも植木鉢。蓋に描かれた枝の近くに開けられた穴から多肉植物が生えてくる仕組み。

 

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台座をなかなか複雑に作り込んだのだが、誰かがぶつけて割ってしまったそうな。その下に同じ径の円板を敷き釉薬を掛けて焼いてみたのだが、釉薬が接着剤の代わりとなって使用上は問題がない状態に復活した。割れてめくれ上がっているのは一つだけの個性として楽しむほかない。

 

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もひとつ、こちらは四面に蓮を描いた鉢。釉薬は何を掛けたのかうろ覚えだ。きちんと記録に残しておくべきだったと反省。おそらくは青磁釉を刷毛塗りしたはず。

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渋くて悪くないが、絵柄をきちんと出すには刷毛塗りは不向きなようだ。

 

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こちらも1号透明釉をとても薄くスポンジで塗った。かなり薄くなったつもりなのにこれでも濃かったようだ。まだ多肉植物を植え込まないと意図は伝わらないかと思う。

 

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手前は吊り下げ鉢2つにチタンマット釉。

奥は余った土で5分ほどで捏ねた手捻りの高杯。こちらもチタンマットだが縁に朱金結晶釉を塗ってみた。

 

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これまた写真を撮り忘れた奥1列は3つとも青磁釉。玉椿を描いたもの、達磨を描いてみたもの、兎を描きちらしたものの3品。青磁釉は厚掛けにしないと発色が悪いのを忘れていた。2度掛けすべきだったかもしれないが、もう遅いか。


還元焼成は総じて渋く滋味に溢れて焼きあがる。早く植物を植え込みたい。

 

 

 

息子が喜ぶと父も嬉しい。

 

幼稚園のパパ会に参加した。14、15人程度が集まった。名の知れた製薬会社の営業さんも、開業している士業も、議員さんも、専業主夫も、職業は様々。年齢も上から下まで15歳ほど開きがある集まり。共通点は子供の幼稚園だけという不思議な集いだ。

 

いつも感心するのは一学年2クラスの40人近い子供の殆どを把握しているお父さんが多数いるという点。そして多くのお父さんが3人、なかには4人も子供がいて、それぞれの子供の同級生の殆どを把握している。

 

「前、〇〇さん(私)の奥さんと水泳の見学会で初めて話しましたよ。旦那さんと飲み会で隣の席で話しましたーなんて話しかけたらビックリしてましたけど」
だとか
「〇〇(うちの長男)はすごい優しくておっとりしたタイプだよね」「例のイベントで手を繋いだけど可愛かったわー」

 

基本的に、他の子の名前も呼び捨てる。「この前、〇〇と〇〇が喧嘩して怪我したらしいな。先生がめっちゃ謝ってたけどそんなん仕方ないしなあ」なんて会話も飛び交う。よその子も自分の子と同じように話す。「〇〇(私の長男)、ここ数ヶ月でかなり泳ぐの上手になったよね」なんて言われると嬉しいが、そこまで私は他の子のことを把握できていないので敵わんな、と思う。仕事だって私と同等かそれ以上には忙しいはずなのに。

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園長先生はまだ入園していない次男坊の名前も顔も把握しているし、性格すら知っている。「あの負けず嫌いなとこが可愛いよね」などという。園長先生に至っては送り出した園児の数は30年×40人。そしてどの子供の母親かも顔は把握しているという。

ある日、園長が電車に乗っていると、女子高生に後ろから声をかけられたという。私のこと覚えてますか、と聞かれたそうだ。〇〇だって思い出したけど苗字は思い出せなかったなんて園長は言っていたが、卒園して10年も経った教え子の名前が出てくるなんて感服する。

女子高生の元卒園児は友人数名と一緒にいたそうな。友達と一緒にいるのにたまたま見かけた園長先生にその場で声をかけるなんてのは、園長先生に対して相当、親しみが無ければしないのではないか。

 

 

話は変わる。息子は昨年末に水泳クラスの昇級審査があったのだが、あと僅かなところで落ちてしまっていた。昇級したら食べる約束をしていたハーゲンダッツのアイスクリームを本人は食べる気、満々だったのだが昇級したと思っていたのに週が明けたら昇級できていないことがわかり、それ以来、ハーゲンダッツにも触れなくなった。冷凍庫の中のハーゲンダッツのことはてっきり忘れていたと思っていた。

ようやく、今年になって水泳のクラスが昇級できた。本人は前回のぬか喜びがあるので、あまり昇級したことを主張しないのだけれども、やはり昇級したことを先生に告げられたその日は興奮して夜の寝つきも悪かったらしい。

翌日は、私に近くの温水プールに行きたいとせがむ。私に対して、「〇〇泳ぐの上手になったかなあ」と聞くが昇級したその泳ぎを見てもらいたくてたまらないらしい。

息子の水泳クラスのことなど暫く忘れていた。本人も口に出さなくなっていたし、温水プールが改修中だったこともあり、2ヶ月近く一緒に水泳しに行ってなかった。

息子がおうちにハーゲンダッツあるよね、夜食べようね、と繰り返すので妻がご褒美に買ったのかと勘違いしていた。息子が数ヶ月前に買った昇級祝い用のハーゲンダッツのことを指しているのだと気づくまで随分時間がかかってしまった。口には出さなかったけれども絶えずあのハーゲンダッツのことは覚えていたのだと知った。

 

なんだか些細なことかもしれないけれども、息子が拗ねずにめげずに水泳を頑張り続けていたこと、そして昇級して嬉しくてたまらない姿を見るとこちらまで自分のことのように嬉しい。今年に入って一番嬉しい出来事かもしれない。


別に結婚しない人生も子供がいない人生もありだと思うし、そのような友人知人家族もいる。ただ、私自身に限っては嫁さんと子供がいない人生を考えるとそら恐ろしい。虚無感に押し潰されて頭で理屈でもっていろいろ全てを否定してしまっていたかもしれない。

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コクテイルで、一人呑みながら、時々、マスターや隣の人と話しながら、この雑記を書いている。後ろでは二人の男女が長らく趣味の話をした後に「知り合えて嬉しいです。またよろしくお願いします」なんて甘い話をしている。先程まで隣で呑んでいたお姉さんが、私、お皿を洗いましょうか、なんてマスターに声かけて調理場に入っている。ほっこりとする。

 

些細で平凡かもしれないが目に見える人間模様に触れられて、明日を迎える元気が出た。

そのまんまな白黒熊猫尽くしの阿佐ヶ谷「ぱんだ珈琲店」

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息子が、とあることで幼稚園でとっても頑張ったということなので、ご褒美にまだ行ったことのないレストランに連れて行くことになった。

 

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阿佐ヶ谷駅から南阿佐ヶ谷方面に歩いて数分。ぱんだ尽くしのぱんだ珈琲店。入る前からぱんだが目につく。

 

 

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かえるグッズだらけの店に以前、行ったことがある。パンダだらけは初めてだ。世の中にはこんなにパンダがモチーフの雑貨があるものなのだな。こちらの店主は街中で見かける度にパンダグッズを仕入れてしまうのかもしれない。

 

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オムライスもケチャップでパンダが描かれている。とても子供が喜びそうな味。

 

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オムライスにはソフトクリームが付いてくるのだが、ガラス器までパンダ、木匙までパンダ。

 

ご馳走様でした。

 

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息子も喜んでいたけれども、「カワイイー」と嬌声を上げているのは女の「大きなお友達」なのはもうお約束だな。

 

こういう店は実は幼児向けなようでいて、主なターゲットは大人の女性だったりする。本当に幼児をターゲットにするとプラレールだらけだとかプリキュアだらけになってしまって別に可愛らしい店にはならないのかも。

 

水曜定休

平日11:00〜21:00

土日祝日 11:00〜19:00

寝そべり鹿鉢と犬の陶モビール

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明らかに作業スピードが上がった気がする。造形に1時間しか必要としなかった。鼻筋や蹄、副蹄が迷いなく作れるようになった。頭と体のバランスも悪くない。これぐらいの速度が出せるならばもっと造形精度を高める余裕もあるのかも。

 

今回の鹿鉢は首のタテガミと尻に穴が開いていて植物が植えられるようにした。

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尻には何の多肉植物を植えようか。銀月でも良いし、強健なハオルチア十二の巻も合うかもしれない。タテガミには万年草のような矮小品種が良いかも。角の穴には根をはるスペースが無いので代わりに分岐の多い枯れ枝を挿したい。

 

生乾きの状態でも白信楽土を塗って問題がないこともわかっている。

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目に穴を開けてみたのだがどうだろう。可愛らしさがなくなって少しグロテスクな迫力が出てしまったような気もする。これも実験ということで。

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犬の陶板モビールの素焼きが終わっていたので釉掛けした。

 

左上から順に

3号土灰

1号黄瀬戸

藁灰白萩

しぶ柿

1号天龍寺青磁

そば

辰砂

白化粧

マンガン窯変

焼締


こうしてみると、鉄釉の赤、銅釉の灰色と特徴がよくわかる。藁灰白萩が掛かると黒いのに焼き上がると白くなるのは不思議。


地味で基本的な釉薬ばかりを掛けた。釉薬サンプルがわりにもなるので良いかもしれない。無事に反らずに焼き上がってくれるか。


バランスをうまくとってモビールに仕立て上げるのが難しいのだよな。釣る支点と棒の長さと紐の長さ。何か楽に割り当てる方法はないのだろうか。

 

日光、湯西川温泉、宇都宮旅行備忘録

 2泊3日の栃木旅行備忘録。

 

  1. 明治の館 日本における蓄音機普及の父の西洋邸宅でオムライス、ハヤシライス。雰囲気良し。メイド服のウェイトレスのお姉さんが素敵。f:id:mangokyoto:20180211230548j:plain
  2. f:id:mangokyoto:20180208120813j:plain
  3. 日光東照宮。親の満足ポイントも必要。
  4. 輪王寺 大猷院。東照宮などの寺社は15:30までなので鬼怒川に宿を取っても移動時間は十分。
  5. 耕雲堂にチェックイン。飲食持ち込み可の素泊まり一棟貸しの宿。
  6. 夕食は中華料理 翠園。宿から徒歩数分の絶品中華。行く価値はあった。
  7. 2日目。湯西川温泉 道の駅で高架橋を渡る列車を見る。湯西川温泉駅はトンネル駅でもあり、鉄道ファン必見。f:id:mangokyoto:20180209102901j:plain
  8. 湯西川温泉 水の郷スノーパークでソリ遊び、食事、露天風呂と4時間満喫。幼児連れには高価値。昼は高いので付近の評判の蕎麦屋に車移動しても良かったか。
  9. 平家落人伝説の残る集落の宿「平家の庄」宿泊。外国からの友人を連れて来るのに楽しい内装とプライバシー配慮の掛け流し露天風呂。
  10. 3日目。とちのきファミリーランド。入場無料のチケット制幼児向け遊園地。案外、都内にはない。子供だけで運転できるカート1周100円は貴重。f:id:mangokyoto:20180210121041j:plain
  11. 宇都宮餃子 みんみん。この価格でこの味は高円寺に欲しい。

 

濡れてグズったり、寒さで泣いたりすることもなく、快適な雪遊びデビューを遂げられたので良しとしよう。

 

温泉旅館はトイレバス付きの客室であることを確認しなかったのが反省点か。

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子供がもう少し大きければ華厳の滝氷瀑を見に行きたかった。中禅寺湖湖畔の宿に泊まるのも有りか。

 

日光東照宮観光の後は鬼怒川や川治温泉に宿を取っても良かったかもしれない。

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湯西川温泉までの所要時間と、会津若松猪苗代湖、あるいはかねてから行きたいと願っている向瀧旅館までも3時間程度と変わらない。次回に東北に向かう際には会津の温泉と地酒を目指す旅もありかもな。

平家落人の湯西川温泉 冬の陣 「平家の庄」

 奥鬼怒川を北に抜け、川治温泉を抜け、湯西川温泉へ。平家の落人が潜んでいた深い山間の集落で、確かに高架や山腹を貫く道路がなければ冬は外界から閉ざされてしまうような所だ。最も寒い時期に敢えて寒そうな温泉地へ、雪見風呂を目指して。

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  • 平家の庄は価格変動が大きい。泊まるならば平日。
  • 貸切風呂の追加料金は夕方の明るい時間か早朝に入るならば価値有り。
  • 溢れた湯が川へと流れ落ちる源泉掛け流し
  • 海外からの友人を連れて来るには最適。特に裸に抵抗のある人に開放感あふれる川辺の露天風呂を堪能してもらうには。
  • トイレと風呂のない部屋もあるので注意
  • 日本の高級旅館に当たり前のサービスを期待するべからず。朝食のジュースや珈琲など。
  • 和の要素を寄せ集めたワンダーランド
  • バイキングは焼き鮎、焼き餅、鹿肉のたたきが美味しい。
  • チェックインは延々と立って並ばされて辟易とするが、家族の誰かに代表して1人、犠牲になってもらうべし。
  • 夜のかまくら祭は一見の価値がある眺め。少し明るいうちに行った方がかまくらであることが識別できて風情がある。
  • 雪見風呂とかまくら祭を楽しめる冬がオススメ
  • 若い人や子供が大きいならばかまくら祭会場のかまくらの中で食べる平家鍋もBBQも楽しそう。

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ちょっと天狗が多すぎる入口。建物内には数十もの面が至る所で客を見下ろしている。

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天狗の面を潜ると仁王像が睨みつけてくる。結界ですか。何かが館内で封じ込められているのですか。欧州のホテルに泊まって入口にキリストの磔像やサロメが所望したヨハネの首なんて飾られていたら寛ぎのもてなしどころではない。同様に、天狗や般若、仁王像はもてなしの旅館の装飾としてどうなのだろう。

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雅楽の太鼓やら戦利品の陳列のような感じ。でも欲しい。この一角は神社の倉庫といった感じ。

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巨大な木の獅子頭。祭に使われたものか売り物かはわからないが内装用とは思えない派手さと迫力。

 

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取り敢えず、天童という言葉が浮かぶ。廊下には無数の民芸箪笥が置かれ、山形産のものが多かった。

 

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とても納得がいったのが「中二病的な和」という表現かもしれない。都会の子が、それぐらいの年頃に般若のお面だとか龍の図案とか、模造刀なんかに憧れてしまう感じ。中世の欧州的ファンタジーの世界に憧れる子もいれば、中世の和の世界に憧れる子もいる。そのぐらい日常生活に馴染みのない「和」が増えているのかもしれない。

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海外からの観光客を当て込んでいる宿なようで、中国語で中国人客をもてなす従業員を幾人か見かけた。外国人にとっては、てっとり早くこういう「ジャパニーズ」が強めな絵をたくさん見れて楽しいかもしれない。

 

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着物も化繊のキラキラとしたもので、写真映えはするのかもしれないが、実際に着物に馴染みのある人からしたら興醒めかもしれない。

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本来あるべき場所を無視して異国情緒あふれるものを同一テーマで集めた感じ。

 

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薄いのだが餡が入っていて素朴で美味しかった。レトロな図案も良い味が出てる。職場の土産にはこれを買っていこう。

 

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ここから先、立ち入るべからず。女風呂を覗く男衆は仁王像が無限の地獄に突き落としてくれます、ぐらいの威嚇。いっそのこと、厠の入口にも。。

 

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館内の調度品の「ゲイシャ・サムライ」が過剰だとしても、雪山の川辺の露天風呂の素晴らしさは損ないようがない。湯船が岩を刳り貫いた龍だとしても、何故か入口に西洋の裸像と同じぐらいの雑な位置に観音石像が置かれていたとしても、川の眺めと露天風呂の前には存在感を持たない。

 

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追加料金2000円で6つの貸切風呂を朝の9時まで何度でも利用できるのは嬉しい。どの半露天風呂も川に面して眺めが素晴らしい。

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気温4℃における泉温43℃。pH8.8のアルカリ泉。それが掛け流しで溢れた湯が川へと流れ落ちていく。

 

これだ。この露天風呂と湯を求めて山奥まで来たのだ。

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家族四人でも広々と入れる貸切風呂は有難い。こういう時、夫婦子供全員で入るのも幸せな時間。

 

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ツララが斜めになっていた。こんな谷間の宿なのにそんなに風が強いのか、と思ったがおそらくは雪が軒先きから滑り出し、垂れ下がったために角度が変わったのだと思う。

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蜘蛛の巣すら凍る寒さ。

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湯西川温泉ではかまくら祭とやらが催されており、手作りの無数のかまくらに明かりが灯されて幻想的。

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最初は300基ほどだったのが年々増えていき、今では1000基まで増えてこれを目当てに客が遠方から訪れるほど。

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そこらに有り余る雪を活用した町興し。最初は、「そんなもんで客が来るんかいな」と懐疑的な人も多かったに違いない。

 

今では大人1000円子供500円でスノーパークも出来てそり遊びが出来たり、天然露天風呂に入れたりと小さな子供づれにはとても魅力的。

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唯一の通りを歩くと、熊や猫の雪達磨が酒屋や土産物屋の前にそれぞれ並んで観光客を楽しませてくれる。これも集落の組合が一丸となって盛り立てようと団結している。

 

湯西川温泉に辿り着くまでに鬼怒川温泉川治温泉を抜けて来なければいけないので立地はけして良くはない。それにも関わらず集落が一丸となって上手に集客出来ていて素晴らしい。

  • 東京各駅からの送迎バス
  • 雪深さを逆手に取った野趣あふれる温泉
  • ハコモノに頼らず雪を最大活用した幼児が夢中になれるスノーパークの巨大そり
  • インスタ映えの時流に合致したかまくら祭の夜景
  • かまくらの中で食べられる鍋などの都会人に魅力的な仕掛け
  • 売上に直結しなくても温泉街への集客を意識した商店街の取り組み

これだけ纏め上がった取組の原動力となった人はどんな人なのだろう。まだまだ知恵を絞れば魅力的な観光地は生み出せるのだなあと、とても感銘を受けた。

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宿に戻り、子供らを寝付かせ、深夜の貸切露天風呂へ。雪が青白く照らされ幻想的。極楽極楽。

 

人前で裸になるのが抵抗のある外国人には鍵を渡して一人で入ってもらえるので良いかもしれない。これを機に露天風呂に目覚めてくれるかもしれない。客観的に考えると1万2000円程の価格帯でこれだけの広さと風情の貸切露天風呂に入れる宿はそうはないのではないか。

 

 外国から友人が遊びに来るならば、ここの温泉は一案だな。覚えておこう。

 

 

日光東照宮付近の一棟貸しの素泊まり宿「耕雲堂」

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日光の東照宮から徒歩数分の近さに宿を取った。耕雲堂という一棟貸しの民宿で食事は出ない。食べ物の持ち込みは自由だそうで、夜に明治の館で買ったケーキを部屋で頂いた。

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一階は囲炉裏があり、風情がある。元々は表具屋だったそうで、14年前に建て直して民宿を開業した際も耕雲堂という表具屋の屋号をそのまま使っているのだという。

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なかなか風情のある古民家風。

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2階に2部屋あり、和室には炬燵もあって寛げる。

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洋室にはベッドが2台。子供を寝かしつけた後も親が部屋を明るくして起きていられるので2部屋別室は有り難い。

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風呂は残念ながら温泉ではなく家庭用システムバス。そのかわり、家庭用としては最上クラスの1.5坪、1624サイズだと思われる。子供2人と3人で入浴するのには十分な広さだった。


ちなみに調理場が自由に使えるわけでもないし、完全な棟貸しではなく、管理人のオヤジさんが1階に住んでいて音に少し気を使う。


夕食には徒歩数分の距離にある中華料理「翠園」が美味しい。予約を取っていた「千姫物語」をキャンセルして耕雲堂に切り替えたのも、安く泊まって美味しいものを食べて1泊目と2泊目にメリハリをつけようと思った次第。


鮑の炒飯や焼売、ニラ饅頭、牛ヒレ肉の黒胡椒炒め、楼麺など贅沢に頼んでも旅館のご馳走よりももしかしたら美味しく安上がりかもしれない。


付近の千姫物語は45,750円と言われた。千姫物語は温泉旅館だが、秘境感のある川辺の露天風呂というわけではないし、なかなか高いので敢えて温泉ではなく、18,000円の素泊まりの宿にしてみた。


日光東照宮周辺に泊まるならば、今回の選択肢はありだったように思うし、2回目も日光東照宮近辺に泊まることがあれば翠園で夕食をとりたい故に耕雲堂に泊まりたい。しかし、日光東照宮周辺にそもそも泊まる必要がなければ宿泊相場は高い印象は否めない。川治温泉に宿を取って温泉宿泊まり歩きでも良いかもな。